福島県伊達市で完成見学会 
本格的土間シリーズ第2弾 温室土間のある家

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2018.10.11日更新 14日の時間の変更あり
当面このページをトップ記事に固定。

地面が床のような低い1階フロアー床位置が「緑の家」?
そう、これでも柱がのる基礎は1mあるから不思議(4本を除く)。

Ua値0.3w/m2kの超高断熱と最大の日射取得を考えて木製断熱窓を計画した「伊達の家」の完成見学会の告知。

見学会日時
一般の方 10月14日(日)午前9時~午後5時10時から16時までのフリータイム(12時から13時は昼休み)
業者さん 10月16日(火) 午後12時~15時(上野住宅建材さん主催)資料PDF
※一般の方で16日に参加したい人も当事務所あてに。

お申し込み方法 電話0256-31-2250かメイルで氏名等を連絡頂いた時地図を送付。

場所 福島県伊達市(国見ICから車で15分)

特徴 ガラス張りの温室土間をもち、床下空間がないのに簡易ではあるが床下暖房を行う

各種性能 Ua値0.3w/m2、Uw値0.79w/m2kの木製窓、耐震等級2相当のラーメン接合 C値0.1cm2/m2(中間時で完成時はまだ未計測)。外壁のほぼ半分がUw値0.79w/m2kの窓になるにも関わらずUa値0.3w/m2とするためその他部分を強化した超高断熱住宅。

完成写真は随時アップする予定。

見所1 床が低いが基礎は高い

2011年に最初のご相談があってから足かけ7年目に完成した「緑の家」。
福島県中通りの気候条件(冬は気温が低いが晴天は多く、夏は気温が高い)においてそれに似合う「緑の家」として、建て主さんのご要望を最重視し設計。建て主さんの生業は農家であり、終日建物への出入りが多いため地面と同じ高さの1階床を希望。そこで基礎高1mは堅持して1階の床のみを低くする手法を採用。

見所2 温室土間と北側居住方式

建物は高い断熱性能があり更に日射の取得が通常の倍あるので、厳寒期以外ではオーバーヒートする。そこでオーバーヒートの空間をあえて作り蓄熱させ、夜間その熱を分配するような仕組みの温室土間を南側全てに計画。一方北側には居住部分を計画した通常では考えられない逆転のプランとなっている。これはパッシブ的に日射を使ったことがある人なら「そうそう」と頷くはず。冬期でも直接日射を受けて気持ち良いのは一時であり、長時間日射にさらされる事は不快。そこで日射が届きにくい北側に居住部を集め、直接日射を気にする事無く熱を家に蓄熱させる事が可能であり、パッシブ設計の理にかなった計画。

見所3 ヒートパイプによる床下暖房

温室土間は黒い石とし熱を拡散させず蓄熱させ、その中にヒートパイプ(アルマイト処理したアルミ棒)を多数埋め込んで北側のコンクリートまで導き、この熱で北側の居住部分の簡易床下暖房を計画。これはエアコンを使った空気による対流暖房と違い、伝導熱のため床下メンテナンスを不要にしている新しい形の床下暖房の「緑の家」となる。

見所4 シロアリ早期発見(予防)

シロアリ対策は、取り壊した既存住宅のシロアリ被害が殆どなかった事と、畳の湿気による害がなかった(50年ほど畳を換えてなくても正常だった)土地状況を鑑みて、基礎外断熱を施した上で目視出来るスリットを設けた「上山の家」と同じ方式を採用。わずかに断熱欠損ができるが、それよりもシロアリ対策を優先している。また地面から1m以内の低いところまで伸びているラーメン柱脚は「ホウ酸系防蟻剤」を「緑の家」において初めて採用し、このように様々な部分で新たな試みがある。

見所5 屋根の耐久性は60年ノーメンテで可能。

もう見ることはできないが、
約60年以上の焼き瓦の寿命を活かし尽くすために、耐久性60年のマスタールーフィングも屋根下地に採用し(一般の防水シートは30年の耐久性)、また小屋裏換気が最も確実行われる天井断熱をセルロースファイバーによって行い、屋根の耐久性の要である小屋裏換気は軒裏が全て有孔ボードによる最大の換気量を計画。

見所6 外部ブラインドを組み込み60年の普遍性のデザイン

同じ敷地内に建築されている土蔵、江戸時代の建築である長屋門、この地域独特の石作の土蔵等と違和感がないようにその外観デザインは奇をてらうことはせず、最も無難な切り妻としている。色彩も白と黒のみのモノトーンと最も少ない組み合わせとしている。
外観で最も手が込んでいるのは、東・南側の窓廻りの外部ブラインドの隠蔽。外部ブラインドを上げていると全くその存在に気づく事はない。
一方外観をスッキリさせるため、網戸の排除は無論、窓の開閉は部分は排煙窓のみとしてその殆どをFIXとしている。ガラスの外清掃はお手持ちの高所作業車で行う予定。

見所7 外壁は30年ノーメンテを目指す

外壁も一般外壁材ではもっともシーリングが切れにくいALC(旭化成のパワーボード)の上に30年耐久塗装であるスマートしとしている。ALC自体の耐久性は誰もが認めるが、ALCの良さはなんと言ってもシーリング材の持ちの良さである。塗装だけ30年の耐久性があってもシーリングが15年では意味が無い。

見所8 木製サッシのガラス厚は48mm

採用したトリプルガラスの木製サッシは国内ガラスメーカーではつくられていない厚さ48mmで、これはLOW-E膜に頼ることなく断熱性能をアップ出来る。通常ガラスの断熱性能が上がるとそれと比例して性能が落ちる日射侵入率を改善。この理由によってこの木製サッシ採用を決定した。無論、木部の腐朽腐蝕対策がされている事を、サッシ部品図で確認している。

見所9 窓廻りだけ単独取り替えが可能なデザイン

「緑の家」Aグレード標準の窓単独取り替えができる仕様。もし一つの窓だけが交換する事になっても、外壁を剥がすことなく、窓廻りの別に設置されたALCのみ剥がすことでサッシの単独取り替えが可能。これは10年まえからの「緑の家」オリジナル発想である。

見所10 大開口を耐震等級2で可能にするラーメン接合

東南から南西全てをガラス張りにしたい・・・とのご希望(日射のパッシブ利用を重視)で採用した木質ラーメン接合。外観からでも一目でわかるそのデザインは、日本海側では見ることの出来ない太平洋側気候の超高断熱住宅考え方。シミュレーションでは窓の断熱性を上げた方が若干暖房費が安価になるのであるが、それよりも感覚的な気持ち良さを選択。

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