乾いた風の日のコンクリート打ち
笹越橋の家

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住宅密集地内に響くエンジン音とバイブレーションの音。打ち込みが始まった。

秋晴れに乾いた風・・・昨日笹越橋の家のコンクリート打ち込みがあった。

乾いた風を目で見るときは湿度計を使うが、温度と違いRH(相対湿度)を測るのはとっても難しい。正しい湿度が知りたいとのことで9年くらい前にキャリバーという湿度計を皆さんに販売した過去がある。最近は安価で安定した湿度計も多くなったが国産品がどうも?が未だ多い。

事務所にある2つの温湿度計のRH(相対湿度)が乖離し始めた。
RH(相対湿度)50%台では同じような数値だったが、45%以下だと湿度表示に乖離がでてくる・・・多分・・・。

INKBIRDとグレーの温湿度計の数値は全く同じ。シチズンはRH(相対湿度)が8%ずれる。どちらが正しいのか?2つとも違っているのか。

湿度計は狂いやすく特性も変わる事があるので同じ場所に数個おいていつも確かめるとよい。以前キャリバーⅣの代用で使っていたINKBIRDは価格の割に正確であるが時間の経過と共に劣化する時があるし、出荷前個体検査でも個体差が20個で1から2個あった。
そのくらいRH(相対湿度)測定は微妙なことでその数値を鵜呑みできない事が多い。

事務所の窓はこの季節全開であるがこの湿度。急に空気が乾いてきた。話は現場に戻るがそんな日に基礎工事のコンクリートの打ち込み・・・。

最終調整が行われる現場。

いつものことであるが・・・
基礎高1170mmの高基礎なので「出来ない」と県外の基礎屋さんに言われる。この写真のとおり特別な事をしているわけでもなく単管とコンパネ(樹脂コート)を切って組み立てているだけ。コンパネは鋼製型枠と違い数度しか使えないが、使い回しも半分以上で可能だからその経費で考えれば良いと感じる。

大きな掃除機で捨てコン上の木くずを吸い取る。

打ち込み前の清掃が行われ9時30分から打込みが始まった・・・。

笹越橋の家の基礎設計から少し仕様を追加したことがある。

それは・・・基礎立ち上がり周囲への目地切りである。

「緑の家」の基礎は一般の基礎より1.5~2倍のコンクリート量を使うので水和熱も大きくなる。加えて内断熱工法なので冬の基礎温度も下がる。すると基礎の夏と冬の基礎温度差は40度を超え50度になることもある。初年度のこの温度差がヘアークラックの原因になるとされている。

「緑の家」ではこのヘアークラックが2/3の割合でどこから数カ所にはいっている。0.25mmまでのヘアークラックは通常構造的な問題はないとされているし、避けられ無いことが多い。

建築業界にはヘアークラックは乾燥収縮によるものだとされている話が多いが、乾燥収縮の応力より温度変化、特に夏期にベタ基礎のスラブと立ち上がりの温度差で応力が短期的に大きくなるとの研究結果※がある。
※閑田徹志博士の研究論文より

日経XTECHのウエブ記事から一部紹介

またヘアークラックは冬期の基礎施工で減らせるとの研究結果もあり、確かに冬期の施工した基礎には少ないように思われる。しかし新潟県では冬期の基礎施工は建築主さんと施工会社さんの両方にいやがられる。理由は養生だったり汚れ易さだったり、ただの言い伝えだったりする。昔は地盤改良がなかったので冬期の雪が混じるころの施工はよくないというものだ。

従って基礎は春から夏に基礎を施工することが多いのでヘアークラックは防止できないが、美観を少しでもよくするためこの度基礎外周部に誘発目地をいれ、クラックが発生したのち目地をふさぐ事で美観上の防止を図りたいと思っている。

立ち上がり外部側のかぶり厚は70mm以上あるので15mmの目地棒でもOK。今後は標準仕様ととしたい。

コンクリートのヘアークラックはこの温度差の他に乾燥収縮、骨材の吸水率によっておきてしまう。奥が深い素材である。

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