昨日は事務所のスタッフと近所のレストランで昼食会。徒歩5分でいけるおしゃれな、そして「緑の家」みたいに「高基礎」のシンプルな建物である。高基礎だけで満足してしまう・・・。
事務所の裏に当たる西にある道は上の写真のような田舎の普通の住宅地であるが、そこの一角にちょっとした建物が見えないくらいの雑木林のような庭の敷地がある。
いつも申し上げるように、建物の価値は木々のデザインが大事であり、それがしっかりあれば建物なんてどうでも良い・・・といえるほど外構は大事とのお手本のような感じ・・・。道路から全く見えないこの奥左手にレストランはある。そこで人を呼び込む才をもつスタッフNと今年からスタッフになったMと私の三人で美味しいひとときを過ごさせて頂いた。
その昼食会には全く関係なく本題になるが・・・
新卒は企業の金の卵であると言われた日本の高度成長時代(概ね1955年から1975年)。その言葉は今でもよくわかる。
仮に新卒でなくとも新たに違う業界に入ったばかりの人は見ているだけ気持ちがよい。わからない事だらけなので何もかも一所懸命さが端から見て一目瞭然。しかしその人の真価は数年後に決まる。
数年もすると仕事に慣れ後輩の指導にもあたるころに、その企業の方針やその人の資質が表われる。仕事に慣れると確かに対応が早くなるが拙速で場当たり的な対応をする人と、早くはないが新人の頃とかわらない誠実さと共に経験を活かした対応をする人に分かれる。
無論後者の方が信用もおけるし更に長く深くお付き合いして友人にまでなるし、そんな人を育て上げる企業にも更なる好感がもてる。
しかし巷では前者になる人が多い。それはほとんど企業側に責任があると思っている。
私も設計を始めたばかりの20代の頃は今より知識と経験は無かったが不思議な熱意は今以上にあった。とはいっても今の私が再びあの頃と同じ熱意を高める事が大事なのではなく、今の私の仕事は後者のような後輩を育てる事で、自身の若き頃に比べ少し変化した熱意に代わるような、新たなまた違った熱意をもった人を育むことであると思う。