金物の三条の包丁とダクトレス換気・RH(相対湿度)

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今年は真冬の新潟と思えない雪のない晴れ間がある。簾は冬でも目隠しとして利用している。こちらは勝手口。

連休中にある「緑の家」を訪れた。理由はダクトレス換気機器のメンテナンスである。

巾1.0mで高さ2mのグリーン。窓から離れた場所でもコーナーサッシで明るいため最適な環境。

家族の間に入った瞬間・・・

うーーん 気持ち良い

と思うようなグリーンが置いてあった。ネムノ木の仲間だそうで、当然亜熱帯植物である。従って冬は暖かく、特に明かる場所に置かないと直ぐに枯れる。これが新潟県でも育つのが「緑の家」なのだ。背タケも2mくらい有り、この「緑の家」の吹き抜けではまだ小さく見えるほど空間に余裕がある。やはり・・・こんな観葉植物を置いてもゆとりある家族の間・・・贅沢である。

さて・・・

「緑の家」がよく使うダクトレスセパレート型全熱交換換気扇の機器表面で結露が起きるとの連絡があり確認するために伺った。

「緑の家」の標準換気扇(第一種全熱交換型換気システム)

確かに寝室の換気扇表面にはうっすら結露がある。

換気扇蓋のある特定部分に結露する。

結露した蓋の内側は黒いところがOAフィルターで確かに断熱材がなく、蓋に冷気が伝わりやすい。

うーーn。ここが常時結露する所を他の「緑の家」で見たことがない。

そこで家族の間に置いてある温湿度計を見ると・・・

24.9℃でRH(相対湿度)48%・・・

これは湿気が多い。これでは結露することは仕様上やむ得ない。

24.9℃RH48%は22℃ならRH57%と同じ、仮に20℃ならRH65%と同じ空気。この室内条件では機器表面で結露するし、サッシ枠でも結露しているはず。全熱交換換気扇の機器表面での結露は害を与えることは少ないが、サッシ枠は枠と接する木にカビが生える。

そんなお話しをさせて頂きRH(相対湿度)を下げて頂く事になった。下げ方は簡単で換気量を増やせば数日でさがる。もっと速く下げたい場合はお風呂CFを普通の排気換気に切り替えれば数日で5%以上は下がる(これらはマニュアルに記載あり)。

「緑の家」は7年前から風呂CF標準のため適正な換気でも高湿度にする事が可能なのであるがこれが時折裏目にでる。そのためこのような湿度の話はお引き渡し時に一通り説明をしているのであるが、お引き渡し時には他の機器説明もたくさん有り、一般的に一度で理解することは難しい。そこでお住み頂いてからも状況に応じて何度か説明をさせて頂く。

そんな話の続きで三条の特産の金物・・・特に包丁の話だが、

義父が三条に立ち寄って頂いた時に、燕三条駅内にある三条の観光物産店で1万円くらいの菜っ切り包丁をお土産として買った。義父の住む町の近くにも関市という日本有数の金物都市があるのだが、三条の包丁をあえて買ったのである。ところがある日大根を切っていたらいやな感覚がしたので包丁を見ると、歯が10mmほど丸く大きく欠けていた。そこで購入した所へ私が持っていって購入したときにもらった無料研ぎ券と共に状況説明すると・・・

「カボチャ等の堅い物を切ると欠けるときがあります。多分包丁のせいではありません。この包丁は皆さんが使うステンレス系の包丁と違い、鋼ですから歯が薄く作ってあり、堅い物を切っている最中に少しでも横に力がかかると欠けます」

と言われた。しかし包丁の箱や包みには一切そのような事が書いてない。

「一般的な人が使う包丁と違うならそのような記載・説明がなければ従来のステンレス包丁と同じように切ってしまう。比較して悪いが百均で売っている包丁が欠けて使えなくなったことがないのに対し、もし金物の町三条のすばらしい菜っ切り包丁と呼ぶならせめてカボチャ・大根くらいで欠けるようならその旨の記載が必要ではないか?」

と伝えたら上司がでてきて「まずはメーカーに伝えます」とのことだった。

そこで私は自分を振り返った。

確かに私が子供の頃は鋼で出来た包丁しかなく、欠けている菜っ切り包丁がよく台所にあった。それだからこそ欠けずにさびにくいステンレス・モリブデン鋼に進化したはずであり、また欠けにくいようにサンドイッチ構造になったはず。確かにこの包丁は薄い刃のようであり、切れ味はよいだろうが、デメリットの記載や説明が無ければ、今の人は他の一般的に売られている欠けにくい包丁と同じように使うだろう・・・と。あとで説明されて「欠ける」とわかった時点でどんなに切れる包丁だろうと自身の生活用途に合わなければそれは良い品物ではない。それを市を上げて応援・宣伝する観光物産センターで販売すれば三条という金物都市の評判が下がっても上がるはずはない。もし玄人受けだけを目指すなら商品にそのような記載が必要だろう。「緑の家」はこのような間違い犯してはいないだろうか?と自問自答すると・・・

「今回の換気扇やRH(相対湿度)の説明が適切であったか?誤解を与えるような事はなかったか、説明の書き物はあったのか?」

と振り返った。また・・・

「無垢の木、無塗装の木」についてしっかりと説明していたか?

と思った。

ヒノキの無塗装の床。節にはヒビが入りやすい。

無垢の木は大変魅力的な素材であり、それを無塗装で使った時の手触り足触りはまるで赤子の肌に触れるがごときである。しかし欠点もある。それは天然素材を人工的な環境である高気密高断熱の室内で使うと節ヒビや割れが入ることがある。その割れによって靴下やストッキングが伝線する可能性が高い。また見た目も多少気にする感覚があるのではないか?
「緑の家」では無垢の木が流行し始めた20年ほど前からその説明を詳しく行うことが無くなった。流行するとその情報が世の中に増えるのであえて説明しなくてもわかるから。しかしそれは先ほどの包丁の事と同じくなってはいけない。当たり前でしょう・・・的感覚ではNGである。従って仕様打ち合わせ時にはしっかりと説明する事を20年ぶりに行いたいと思っている。

コーナーサッシだって良いところばかりではない。最強トリプルガラスでも壁の1/7程度の低い断熱性のため、窓直下ではコールドドラフトが起きている。それを床下暖房で緩和して感じさせないようにしているだけ。

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コメント

  1. hachikoku より:

    下記のパラグラフの内容は違和感ありです。流行という単語が使われるとは思いませんでしたが、ユーザーがどういう事に関心を持つかに気配りを持つべきではないでしょうか?ましてや、緑の家の当たり前は、一般の工務店の当たり前ではないという事で理解されてますか。暗黙知と形式知に関して思いをはせました。

    「緑の家」では無垢の木が流行始めた20年ほど前からその説明を詳しく行うことが無くなった。流行するとその情報が世の中に増えるのであえて説明しなくてもわかるから。しかしそれは先ほどの包丁の事と同じくなってはいけない。当たり前でしょう・・・的感覚ではNGである。従って仕様打ち合わせ時にはしっかりと説明する事を20年ぶりに行いたいと思っている。