シロアリと透湿防水シート 日経ホームビルダー3月号から ③

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

その2では

1.ベタ基礎での蟻害の8割は玄関先と勝手口

2.ベタ基礎の隙間から浸入

3.広がる(ベタ基礎でも)基礎断熱の被害

のうち1.被害は玄関先と勝手口をコメントしたが、その3はベタ基礎の隙間から浸入についてである。

まず↓のブログをご覧頂きたい。

自然素材の新潟の家 基礎工事の設計と監理
木造住宅は、建築物のなかでも大変軽量な建物ため、その基礎は鉄筋コンクリートであるにもかかわらず、今まで重要視をされてきま...

これは10年前に撮影したある大手住宅メーカーの現場写真である。この大手メーカーは今は超高断熱の注文住宅ではとても有名な会社である。それが当時はこの基礎・・・。2度打のベタ基礎で、ベタ基礎内部に溜まった水が、コンクリートを打ち継いだところから流れ出ている。一方この家の前に建てている「緑の家」の基礎は一体打込みなので、内部の水が全く漏れ出ない。つまり隙間がない事を示している。たった10年前のことである。

次に先日も紹介したこちらのブログ↓ 国の出した資料である(国総研)中頃の記述に注目。

白アリの侵入はどこから?<br /> 国総研資料から 玄関が大事!
2017年9月20日加筆修正 1mm以下→1mm以上に修正 先回ご紹介した国総研のHPのある資料では、住宅の耐久性...

やむ得ず打ち継ぎするときはこのような配慮は最低必要ですよ・・・と私に思える。

このように基礎の2回打ち(打ち継ぎ)の欠点は至る所でアナウンスされているが、今でも新潟県以外で設計をすると、「基礎の一発打込みはしないよ。必要無い。」との返事がほとんど。住宅業界の基礎工事では「白アリなんのその」・・・との意気込みである?

更に・・・また一回打込みであっても白アリが侵入しやすい場所がある。例えば長期優良住宅の基準において給水排水配管は、ベタ基礎の下を原則配管してはならないとされている。緩和措置として鞘管による取り替え可能な施工ならOKとされている。この鞘管が問題でそのことは↓のブログで過去説明している。

高基礎1mのコンクリート一体(一回)打ち込みとシロアリ
基礎コンクリートの一体打ち込みとは基礎の立ち上がりとベースと呼ばれるスラブを一回でコンクリートを流し込む事です。 通常...
最近のオーブルデザインの基礎工事現場から ②
今日は午前と午後の打ち合わせの後に基礎配筋のチェックにいきました。 平らな基礎スラブと高い立ち上がり部分、そして細かく...

・・・とこのように随分前から白アリと基礎配管について言及している。

一方この書籍内に白アリ予防策としてステンレスの小穴網を基礎周囲に張り巡らせる方法を紹介している。白アリは0.8mm未満の隙間では容易に出来ないと言うことが根拠。この方法で0.8mm未満の穴を完全に造らないように施工すれば有効な白アリ予防になる。しかし、0.8mm未満の穴を確実行うには相当緊張した施工になる。例えば屋上防水のような施工であり、恵まれた環境の屋上(接する物がほとんどコンクリートや金属)では簡単に可能であるが、固定不可能な土と接し且つ配管が数本貫通する基礎ではなかなか大変な施工であり、イエシロアリの生息区域以外はやり過ぎ感もある。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする