治療薬とは?

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ここでなぜ治療薬?という題名にしたかというと、世間を騒がせているCOVID-19の治療薬としてある薬が認可されたとあり、それがCOVID-19の特効薬であるか?のような報道に接したからである。このように報道されると多くの人が誤解するのではないか。

ここで有名な細菌による感染症の治療薬として偉大な第一歩となった「ペニシリン」について記してしておきたい。まず細菌とウイルスはまるで違う感染症である。細菌は細胞膜をもった小さな生物であるが、ウイルスは細菌の1/50の大きさで細胞を持たない「もの」であり、生物ではないとのこと。ペニシリンが人の治療に対し効果を発揮するのが細菌だけであり、ノロ、風邪などをはじめとするウイルスには全く効果が無いことはご存じのとおり。ペニシリンの効果は治療の中でも直接的で、この成分が細菌の細胞を攻撃して直接死滅させることが出来る。これで人は感染症から回復できる。ペニシリンは対処療法の薬とは違いまさしく治療薬のなかの代表的な存在。一方インフルエンザウイルスの治療薬として有名なタミフルなどは、ウイルスの増殖を防ぐ効果があるが、攻撃し死滅させる効果はないとされる。ではどのようにインフルエンザから人は直るかというと、人のNK細胞などがインフルエンザに乗っ取られた自身の細胞自体を死滅させ体を守るということ。増殖が遅延されれば死滅させる自身の細胞もすくなくなり負担も少なく回復も早い。しかしウイルスを死滅させられるのはあくまでも自身のNK細胞であり、ここが根本的にペニシリンのような抗菌剤と全く違う。しかし治療薬としては先ほどの定義がある以上ペニシリンと同義に使われ、両方とも治療薬と呼ばれるから誤解が生まれる。

例えば、人類が唯一撲滅に成功した天然痘は細菌ではなくウイルスに属し、当然攻撃型治療薬はなくワクチンによる免疫で撲滅させた。つまり何度もいうがウイルスには細菌に対する抗菌剤のような直接的な攻撃治療薬は未だ存在しない。まあ考えれば当たり前だが、ウイルス自身は何も出来ないので、宿主の細胞に入り込み乗っ取る事で増殖が可能。つまり乗っ取られた細胞は元々自身の細胞。だから直接殺す薬があればそれは一歩間違えると自身の細胞を全て殺す薬になるからである。

つまり世間を騒がせているCOVID-19の治療薬は、緩和遅延を行ってくれるがあくまでもウイルスを自分の体から排除、殲滅するのは自分自身でしかない。今回の世界にばらまかれたCOVID-19は、グローバルになった現世界では集団免疫以外の収束は難しいはずである。

尚、医療の専門家ではないので内容の間違いをご指摘頂ければ直ぐに修正する。

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