配筋検査 松浜ヒルサイドの家

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新潟市北区松浜本町に施工中の松浜ヒルサイドの家の配筋検査に伺ってきた。

繰り返しデザインでシンプルに徹するようなデザイン。

新潟空港のICでおり、泰平橋を渡って現場に向かうのであるが、この泰平橋の構造的な美しさにいつも感心させられる。WIKIによると

橋長932 m、幅員7.5 mを有する14径間下路曲弦プラットトラス橋。中略 横河橋梁(現横河ブリッジ)、松尾橋梁(現IHIインフラシステム)、三菱造船(現三菱重工業)、日本鋼管(現JFEエンジニアリング)から成る共同企業体の施工により、1951年に3代目の現橋梁が2代目橋梁より約300m下流に竣工。

WIKIによる

とありそんなに古くなく、戦後直ぐに懸けられた。それでも市内大型の橋では万代橋(1929年竣工重要文化財)に次いで古い橋となるのではないか。当時鉄鋼が不足していたこと、工場が壊滅で大きな素材生産は難しいことで、できる限り小さな部材を組み合わせてつくられており、そのリベット接合は戦時中の航空機を思わせるほど繊細であり美しい。

以前紹介した複雑な構造の足利市の中橋、面白みを追加した岐阜の木曽川橋のようなデザイン性は薄いが、構造だけに徹した潔さがある。

岐阜の木曽川橋は繊細な部分とラフな組み合わせでデザイン的に遊びもある。
足利市の中橋はアーチ構造で鉄の組み合わせにリズム感がある。

古い橋のデザインと施工技術に魅了される。こんな橋が未来に残っていてほしい。

さて配筋検査だが、ただでさえ細い鉄筋で間違えやすいのでスラブ筋と立ち上がり筋では図面を変えて作成している。このほうが工事監理でも楽である。

スラブ筋はフラットスラブなので上の図面とおり簡単であるが、配筋種は4パターンになり、そこにせいのない立ち上がり筋が絡むのでその表記まで行う。特にスラブ定着はフラットスラブの時には重要なので図示している。またスラブ配筋では住宅の基礎にしか使われないようにシングルスラブ配筋なので、鉄筋の上下位置は重要で、上の図面ににも「注意」と書いて間違いなくおこなわれるように徹底している。上下代わっただけで構造計算にNGとなることも多い。上下は配筋の施工しやすさから、スラブ筋は全て同じく揃えているので短辺と長辺の方向が異なる事も多々有りその時は鉄筋の中心距離も代わるので注意が必要。

その図面で現地施工すると下の写真のようになる。立ち上がりが筋がはいると急に複雑に見えわかりにくいが、これを短時間で間違いなく検査するには慣れと知識の他、その建物の意匠と構造計算に携わることが必要である。

最近上下の配筋位置は、ほとんど間違いはないが過去に一度だけ上下の間違いで鉄筋の全組見直しがあった。

松浜ヒルサイドでは道と敷地に高低差があるため擁壁を造っているが、擁壁の強度を早期に設計強度にするために呼び強度30N/mmで打ち込み、設計強度21N/mmになる三週間後には土を戻し少しでも工期短縮となるようにしている。

擁壁と基礎をほぼリアルタイムに施工中。

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