暫定Ua値0.15w/(m2K)の北海道 京極町の家

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まるで落とし穴が掘られたような現地状況。

北海道京極町の家の施工が始まった。この家では工事監理は行わないので、設計図書が完成した時点でほとんどの業務は終わった。現在京極町の家では地盤改良が行われ、降雪前の基礎の完成を待つのみである。

地面よりかなり深い位置に改良杭頭がある。

いつもと違い、今回の柱状改良は深い位置での杭頭となる。これは当然で凍結震度以下にベース下(根切り底)が来るためであり、こんな深いベースの時には布基礎が標準である。

そして・・・

「緑の家」ではほとんど行われない、地面全面水平に断熱材を100mm施し下の図のようになる。

設計積雪は2.3mと北海道としては珍しく新潟の長岡市並み。更に気温は氷点下20度となる京極町は厳しい自然環境である。

本州ではほとんど行わない地盤面の水平断熱材の敷き込み。それもXPSで100mmと厚い。この京極町は凍結深度600mm以上が設定されているので安全を考え700mmとした上で、地面からの熱の流失は大きく特に床下暖房を当初は行わないとのことで、コストが許される限り基礎部分の断熱性能は高い方がよいとの判断。またシロアリはほとんどいないとのことだが、建て主さんの希望で、将来気候が変わったときに来襲するかもしれないので、一応予防の配慮は行う。ただし、熱橋にもなるのでできる限り小さくし、結露防止を心がける。断熱材が厚くなると下地材も増え急にコストがあがる分岐点があり、それを見極め出来るだけ安価に有効に働くように、断熱材の種類は6種類にもなった。ペチカ風ストーブの煙突貫通部分は耐火性の最も高いロックウールを使用し、また外部立ち上がりは万一のシロアリアタックがある事を想定し防蟻剤入りXPS。XPSは断熱材のなかで最も水分を吸い込まない特性があり、凍結融解で破壊されないように実績のある材料をチョイス。一方基礎内部は700mmの深さで基礎立ち上がりが回るので、シロアリのアタックの可能性が低く、且つシロアリの食害を万一受けても構造とならない土間コン下のみであるため防蟻剤無しのXPSでコストを抑える。もしベタ基礎なら構造材となるスラブ下の断熱材は北海道でも避けたいとの気持ちがある。が、600mm以上の凍結震度の指定された気候ではシロアリの食害な問題ないと思う。それ以前に布基礎なら最初からその心配をしなくとも良い。

最後にタイトルが暫定Ua値となっているのはまだGWのメーカーが確実に決まっていないからである。それにしても0.15とは・・・「緑の家」で過去最高の数値であり流石北海道である。

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