今日群馬県高崎市の榛名の家の2ヶ月点検に伺ってきた。
榛名の家では今冬は無暖房で過ごしているとのこと。無暖房とは床下エアコンは無論、他の暖房器を一切使用していない状態である。無暖房の状況で氷点下に冷え込んだ日でも明け方の室温は19度とのこと。当然日中は25度まであがり、我慢無しで暖房器具は一切不要の生活。
うらやましいを通り越して日本海側に住んでいる事自体が「悪」の気持ちになるほど天然日射だけであったかくなる超高断熱性能・・・。
一方日本海側の魚沼あたりではまだ雪が多く残っておりとてもそんな事を想像出来ない。
上の状態の高速道路を今日は走ってきたのに・・・
三国峠、赤城山を越えた山の向こうの住まいでは・・・
写真だけで暖かさが伝わるような日差しの窓辺。床下エアコンも要らないそう。但し天気予報を見て次の日が晴れでなければ、その深夜は床下エアコンで蓄熱させるとのこと。
新潟で暖かく過ごすためにUA値0.28W/m2Kと超高断熱の「緑の家」を設計しているが、それでも暖房につかう電気代はある程度かかる。それが太陽光発電も全くないのにほぼ暖房費はない。つまり下手にソーラーパネルを屋根に載せるなら、そのお金で超高断熱化した方がよい。ソーラーパネルは20年~30年の寿命があるのに対し、超断熱工事は半永久に効く。同じコストなら超断熱化がやはり合理的である。ソーラーパネルの破棄代を勘案したら間違いなく今の買い取り価格では超高断熱工事のほうを選んだ方がよいだろう。
更に・・・
今回榛名の家のオーナーさんは面白い実測をしている。2階の個室に設置した冷房用のCFが暖房にも効くというのである。
北側に面する2階個室には巾1.3m高さ2mの引き戸がありこれを全開にした時の無暖房の室温は10時45分頃で21度。
これにCFを運転させると11時15分の30分後には・・・
直ぐに1度も上がる。このように日射などの熱源がその部屋になくともCFを常時運転すると数度上がる事もあるという。1階と2階を一体化(ワンルーム化)すると各部屋室温の同期は簡単である。しかし・・・吹き抜け一体化は音が家中に漏れ伝わるのが欠点である。このため榛名の家では,1階と2階を緩やかに隔離しているので、1階の吹き抜けで得られた暖かい空気が2階に運ばれにくい。その状況で「緑の家」の簡易空調装置であるCFを運転させると、各部屋の空気が同期されやすくなる効果が得られているとのこと。冷房専用で計画した各部屋のCFは、太平洋側の気候では暖房同期にも使える。
いまほど夜にオーナーさんから写真が送られてきて・・・
日が入らない北側の個室にあってもCFをON後たった一時間で24度と日の入る部屋と同じくらいまで室温が上がったとのこと(上の写真)。無暖房でしかもCFを使うとほぼ家中均一になる榛名の家である。
今回のことで超高断熱住宅では緩やかな簡易空調であるCFがあれば全館空調になる事が示された。今まで成り行きでも暖かい「緑の家」であったが、積極的に個室CFを使用する事もご提案したい。
主目的の定期点検では、何時もの基礎伸縮ヒビが複数(様子見)とAEP下地でMクロスという合板を使った箇所でヘアークラックがあったこと、そして3層スプルスパネルの横使いで変形した建具の交換があった。春にその補修計画を福田建設さんがおこなう予定である。
一方床下エアコンはほとんど使っていない床下は・・・
床面を裸足で歩いても冷たくなく体感では22度くらいだろう。良い感じである。