住まいと家族・同居人と時間軸

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最近のニュースにおいてCOVIDー19の陽性者が自宅療養中に亡くなって数日後に発見される事例を報道で耳にする。これはCOVIDー19によって浮き彫りになった住まいと家族・同居人の現在か。

「孤独死」・・・大原麗子さんや飯島愛さん、江利チエミさんらの孤独死報道があったことは記憶に残っている人も多い。

私は7年前に多分風邪とおもわれる病気で意識混濁のなか、事務所スタッフから車でかかりつけのクリニックに送迎してもらったことを思いだした。

当時自分にしては高い熱がでて、吐き気とめまいで2日間床に伏せた。2日目にこれは尋常じゃないと思って、医者に行こうとするが頭が働かずかかりつけのクリニックの名前さえ間違えていた。当時も週中は家族と離れ三条の事務所建物で単身赴任中である。当然私自身で車の運転が出来るはずもなく、意識が混濁している中、救急車を呼ぶ意思決定もできない。そこで出来たことは、同じ建物に出社していたスタッフ所員になんか声をかけ、クリニックまで送ってもらうことだけだった。それがよかったのか点滴と薬で次の日には回復した。もし私が一人暮らしだったらどうなっていたかわからない。

冒頭の話題に戻るが、COVIDー19の現在の感染症類が2類相当のため5類のインフルエンザとは異なり、陽性者(発症者を含む)の窓口は医療施設(医者)ではなく保健所になっていると認識している。体験例でも私が怪我のために伺った整形外科医院の多くが「37度以上の熱のある人」と「「緊急事態宣言」の出された県へ出入り又は滞在した人」は診察して頂けない。よってこの2類相当が原因となり逼迫している保健所さんの対応と相まって亡くなったと今まで感じていた。しかし、もしかしたらCOVIDー19が蔓延するまえに「孤独死」として報道されていた人も同じではないか?と思うようになった。

芸能人なら「孤独死」として報道されるが、不審死の可能性があれば別だが芸能人以外は「孤独死」という状態でも報道されることはあまりないだろう。孤独死の推定人数は民間の調査機関「ニッセイ基礎研究所」(東京)によると・・・

2011年、東京23区での孤独死者数と全国の人口動態統計のデータを使って、全国の65歳以上の孤独死者数の推計値を出した。「自宅で死亡し、死後2日以上経過」を「孤立死」と定義した場合、年間で2万6821人にのぼったという。

民間の調査機関「ニッセイ基礎研究所」(東京)

年間約3万人・・・孤独死の定義はない(死因は様々)ようであるが、上の調査は死後2日以上経過とある。つまり家で家族や同居する人がいない場合、COVIDー19でなくとも多くの人が亡くなったことが2日以上経過してからわかることは多い。私ももしかしたらあのまま衰弱して亡くなった可能性がないと言い切れない。建物内同一空間に人がいたおかげで、声がけができ判断し早期手当ができたので回復したとも言える。COVIDー19を5類にすれば解決できる問題ではない、いやCOVIDー19の問題ではないのかも。

住まいは何のためにあるのか?そこに住む住人の生命の安全と財産を守ること、そして近年では健康を維持することの器であるなら、単なる温熱環境がよいから健康を維持できたとの短絡的発想ではなく、人が人と助け合う最小限の集合体の器とすると、温熱環境の向上はその一つで有り他にどのような改善点があるかを考える必要があるのかも・・・。

家族または同居人同士では長い年月において、くっついて密な時間を共有する時期と、少し離れた時間を楽しむ時期が入れ替わりあると私は感じる。実際私は子供が自我に目覚めたころから妻と子供と別々の週中(週末は一緒)を過ごしたりしていた。人によっては私のように人生は常に一定の住い方ではない・・・いつも長い時間軸で家を提案し設計する事を忘れないでいたい。

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