何回かお伝えしているが、小新西の家は外構が別途工事でDIYになる予定。従ってこの状態でお引き渡しをする。このような事は少なからずもあり、現在実施設計を行っている神奈川愛川町の家でも内装仕上げはDIYで行い、PBのままで完成となる予定。近年は様々な方法で自宅を自己流に造るようになった。これも情報が簡単に手に入るようになり、ユーチューブなどの動画でもわかりやすく公開しているサイトもある。
最初に水害対策のことである。
先日長潟の家に用があって伺ってきた。そろそろ8年経過するので、一度建物の水平が狂っていないか(不同沈下)レベルの確認をした。当然水平は完成時のままであった。
長潟の家は玄関位置が高い。ほぼ1500mmある。これは新潟市では有名な鳥屋野潟の直ぐ近い所にあり、その地名のとおり昔は潟であったので標高は低く、ほとんど海抜面±0である。そのため水害の備えとして玄関は高く、更に基礎周囲は簡易防水を施し、700mmほど水没しても容易に建物内に水は浸入しないつくりになっている。
この長潟の家と同様に小新西の家で特徴的なことはこの玄関の高さである。階段の段数が8段で1500mm上がる。階段は5段がコンクリート、3段が木製であり、この階段全部コンクリートでつくれば、ここだけをみればコストダウンしたかもしれないが、コンクリートだけでつくると、基礎との白アリ予防がとても煩雑になり好ましくない。よってトータルの判断でこのハイブリッドの玄関階段としている。このように水害対策と同時に「緑の家」では、白アリ対策が優先順の上位になるほど徹底している。
次ぎに視線カットのこと・・・
小新西の家で外観特徴の一つに窓の横の袖壁がある。これは単なるデザインではなくある理由でつくられている。この大きな窓がこの家の主の明かり窓と同時に外界との接触部分となりとても大切な窓。できれば日中でもカーテンはせずに暮らしたいと考えたが、周囲には近隣さんがいらっしゃり、お互いに視線はカットしたいと思う。そこで視界をカットできる簾の出番となる。簾の優れた特性として室内から外は見えるのに、外から中がほとんど見えない。しかしただ単に設置しても視界カットは十分ではない。簾の欠点は窓から少し離して設置する関係上(窓から少し離すだけで雰囲気がよい)、その窓から少し離した左右の隙間から見られてしまうこと。これを防ぐために袖壁はある。
2階の窓の一番はしに立ってみるとこの壁があるおかげで隙間がなくなると想像できるが、検証は必要なので来週簾を設置したところを写真で案内する。
この袖壁がないとわずかな隙間ができてしまうが少しでも見られると思うと人はレースのカーテンをしたくなる。視界は完璧に遮ってしまわないと人は落ち着かないのである。
当然キッチンに立っても袖壁で視界はカットされる。このわずかな事が大事だったりする。折角2階に家族の間を持ってきたのだから、視界はきっちり遮る。この袖壁もコストがかかっているが、コストダウンのため扉はなくしても袖壁はその対象から外している。扉はいつでも追加設置出来るが、袖壁は入居後に設置すること難しいことがその理由である。