「緑の家」の白の色味への拘り

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2023.10.12 加筆修正

「緑の家」の壁と天井の白は25年以上変わらない19-M92Bという色。33年前に施工した事務所の壁も同色である。写真は2021年竣工の清五郎の家。

「緑の家」では1998年の事務所設立以来からの白いAEPの壁天井が標準仕様で、これは今も変わる事がない。安価で質感もよく30年ほどは退色しないAEPはメンテナンスも優れているのでこれからも「緑の家」の標準仕様である。まず何故・・・

まず何故今回「白の色味」という話題になったのかを説明する。

近年住宅では引き戸や引き違い戸が主流となっている。この時に「緑の家」で大切にしているのは引き戸の命であるその軽さ。軽ければ枠にあたる音も上品になるし、何しろその動きがよい。そこで最も軽く製作できるのは「紙障子や紙襖の引き戸」であるが、紙障子も襖も用途も含め似合わない時が多いのでこれらの次ぎに軽いフラッシュ戸を使う。又その時に無垢材を大事にする「緑の家」であるが、無垢材では重く感じる内装仕様もあるため、人工素材のポリエステル樹脂を使う選択をする。しかしポリエステル樹脂のフラッシュ戸は安価なイメージになりやすい。そこで「緑の家」ではAEPの白壁に同化させることで、安価に見えない工夫を行っている。

この中にポリエステル樹脂で作られた扉(戸)があるのだが直ぐにわかるだろうか。

上の写真で壁はAEPの白であるが、実はポリエステル樹脂のフラッシュ戸もこの写真にはある。よく見ないとわからないはず・・・。戸は下の写真のところである。

取っ手があるとわかるので加工してなくしていたが、3枚の引き込み戸がある。

よく見れば取っ手が見えるので直ぐにわかるのであろうが、取っ手がないとわからない。この戸はポリエステル樹脂で作られているのだが、その質感が無垢の木やAEPと比べると少し劣るので、視覚的に壁に溶け込ませてわからなくしている。これが「緑の家」の拘り。勿論下の「緑の家」のように白い家具が多いときにはあえて少し白っぽい色の戸を使う時もある。

壁よりわずかに白っぽい色味の時もある。こちらは2007年竣工の長岡ニュータウンの家。

さてこの壁と共に使われるポリエステル樹脂の戸の色が、この度廃盤になるとアイカ工業さんからアナウンスされた。正確にはメラミン樹脂のコア材という素材が廃盤になり、それと同色のポリエステル樹脂が選ぶことが出来なくなったのである。

2年前から続く「緑の家」の様々な定番部品の廃盤ラッシュ。まさかこのアイカ工業さんにも及ぶとは・・・。そこで急遽メラミン樹脂の色変更に伴うポリエステル樹脂の色を25年ぶりに選び直すことになった。

自然光の水平においた時と鉛直においた時がまた違うからやっかい。

一般的に白といわれるAEPの色は20色以上ある。その中で「緑の家」が使うのは19-M92Bであるが、同じ19-M92Bを指定しても塗料メーカーによる色違いもあるので塗料メーカーも標準メーカーさんともう1社さんでサンプルを製作し、そこにアイカ工業さんの廃盤色とそれに変わる色を選ぶために、似たような色から厳選してサンプルを取り寄せる。

様々な白を吟味して壁との調和を探る。

人工光源の時の見え方も比較して標準色を決める。そして今後再び20年くらいは使い続けることが出来るであろう白の色味を決定する。住宅とは20年くらい同じ部材や素材を使いたい。一年ごとに仕様やデザインが変わるのは60年住宅を目指しているのに大変おかしい事だと私は考えており、できる限り不変のデザインを採用したい。アイカ工業さんも33年間はこの色を守り続けてきたと言える。

このように慎重に選べばまた下の写真のように違和感なく溶け込み、素材同士のハーモニーを奏でられると期待する。

2018年竣工の伊達の家。3枚引き戸が2セットもある住宅である。

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コメント

  1. porco より:

    お世話になっております。ようやく夏の暑さから解放されエアコンOFFになりましたが、もう暖房を考えなくてはいけないような季節の変わり目ですね。気候もよくなり窓の開放もできそうなので壁の一部の塗り替えを考えているところに塗料の色情報が掲載されたので興味深く読ませていただきました。APEの色の種類は19-92ということですが19-92bと同じものなのでしょうか最後の小文字のbの意味が分からなかったので教えていただくと助かります。
    追伸 今年の猛暑は我が家では室内温度28.5度湿度55パーセントで乗り切りました。

    • Asama より:

      porco様
       お問い合わせありがとうございます。
      当時色のご希望がなければ通常19-M92B(つや消しのためMが最近の指定からはいるようです)で間違いありません。正式にはBがはいります。
      但し当時の塗料メーカーがはっきりしないのですが、多分「SK化研」の「エコフレッシュ」だと思います。塗料メーカーが違うと色味がわずかに違いますが、既に17年経過しているので何らかの色変化があれば、メーカーがどこであっても極わずかに違いがあるかもしれません。