2024年建築学会 学術講演梗概集から 4  夏季露点の変化 

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先ほどダイキンさんのエアコンの設定温度のことを挙げたが、やはり湿度を無視した冷房室温28度(設定でも室温でもよいが)との指標では現在の露点が上昇している気候条件ではだめだろうという論文を紹介する。

2000年、2010年と2023年の露点温度の変化の日本地図。これだけ謙虚だとびっくりする。

今回の紹介は論文というより統計した情報提供と受け取れる梗概である。

発表者は現在実務者とおもえるので、仕事で感じていることを研究した(統計をまとめた)と思える内容で、他の実務者も改めて実感してほしい内容である。

私たちも肌で感じているが、体感的に夏が暑い気がするがそれが露点の上昇だったともいえるかもしれない統計データである。

確かに冒頭でご覧いただいた地図を見ると23年間で露点が上がっている。特に気象データーとしてこの2000年から2023年までアメダスで大きな測定条件が変わったとも思えないからこの通り素直に受け取ってよいのだろう。露点はヒートアイランドで起きる現象とは思えないので、ヒートアイランドで影響を直接受ける最高気温の上昇より説得力がある。

赤い網掛けは露点が25度以上。2000年では4地域しかない赤色が2023年では御覧の通り相当数になっている。特に仙台まで25度と北に広がっている。また北海道と本州の差が大きくなっている。

ただしこちらは月平均露点のため、その点は注意が必要である。湿度関連は平均だと見間違う場合がある。例えば下は昨日のotomo vie centの1分ごとの露点と外気、AH(絶対湿度)とRH(相対湿度)である。日最高の露点は28.9度を記録しているが、ここはほんの数分だけですぐに27度台にもどっている。本報告は月平均だからもっと荒っぽい感じとなるが全体を知る最初の手がかりだろう。

この表のみ梗概集とは関係ない私データ

露点については以前から夏の暑さの指標となるとお勧めしている。空気の湿気が多ければ不快と感じるが、その湿気量を表す数値としてRH(相対湿度)とAH(絶対湿度)があり、絶対湿度は空気1m3あたりの水分量として重さgで表されることがおおい。しかしこれではピンとこないので、温度を表しているのが露点だとおもってよく、上の図でもわかる通り、AH(絶対湿度)と露点は全く同じ動きとなる。

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