「緑の家」の窓の9割以上はドレーキップ型(内開き)となる。ドレーキップ型がどうしても使えないときに引き違い等となる。下は10年前の2014年に提言として書いたブログ。
1.ドレーキップは高いが有能
高断熱高気密住宅の欠点は多数あるがそのうち窓に絡む事案として
A.夏暑くなりやすいこと
B.気密性が何より重要になること
がある。
この2つをクリアーできるのがドレーキップ型の窓となる。一方同じ窓面積で価格が高いのがドレーキップ(内開き)型である。
2.外に開くサッシ(開き戸、縦滑り出し)の不都合
まず高断熱高気密住宅は、夏暑くなりやすいことについては誰も反論はないはず。わずかな熱で温まる高断熱高気密住宅は、夏季は大変な欠点になる。その主原因が日射侵入である。
日射侵入では300w/m2~600w/m2(お昼ごろ)ほどの熱を外壁等の垂直面に与えるが、この時にどんなに優れた遮熱型のガラスでも20%は室内に入ってくる。一般的な窓の大きさから考えると1.6m2はあるので60W~120W/m2(お昼ごろ)の熱が入ってくることになる。断熱等級等級7クラスの6帖の部屋なら100W の日射があるだけで5から10度近く温度上昇があるくらいのパワーである。そのくらい日射侵入はNGなのである。
この入ってくるに日射熱を半分以下にすることができるのが外部遮蔽装置である。簡単に言えば「簾」や「外部ブラインド」、「外部スクリーン」である。外部ブラインドは電動式が一般的なので室内から操作できるが、2階窓で「簾」や「外部スクリーン」は窓を開けて操作するしかない。この時にドレーキップ以外の窓は大変苦労して取り付けたり操作したりする。その点ドレーキップ型は内側に開くので、外側にある付属物(簾やスクリーン)の影響を全く受けないのである。
3.FIX型窓の不都合。
開かいない窓として弱点は以前下でお伝えした下の通り。
それ以外に外部に簾やスクリーンを取り付けることができないこともFIX型の弱点となるので2階から上の窓としては使わない。
4.引き違いは隙間ができる不都合。
引き違いサッシは、その機能上パッキンの劣化で容易に気密が維持できなくなる。これも以前伝えているとおり、引き違い型の弱点である。高気密高断熱住宅でなければこれほど使い勝手のよい形態はないが、C値が1.0未満の住宅なら、20年後に引き違いサッシ周辺から隙間風を感じC値が倍程度に悪くなってしまう。一方片引きタイプで引き寄せ構造のサッシは気密維持はある程度よいのだが、窓の裏側の掃除ができないので2階から上に使うことはできない。
5.ドレーキップ型の欠点。
上の結果、日射遮蔽のために外部付属物を設置するにあたり、ドレーキップ窓が最も無難な選択となる。ドレーキップ型の欠点は室内側の付属物(カーテン等)に干渉することが欠点だが、室内側の付属物は屋外と違って様々な位置につけることが可能なので、この欠点は欠点というより特徴と考えている。
もう一つの欠点は上で上げているが・・・価格が高いこと。また種類(実質YKKさんとエクセルシャノンさんのみで、種類も少ない)が限定されること。特にいま「緑の家」が主としているエクセルシャノンさんでは最新型のNSシリーズにドレーキップ型はないことで困る。
「緑の家」でのドレーキップ型はさらに特殊で高い。
ただでさえ他のサッシより価格の高いドレーキップ型を「緑の家」標準仕様で特注としてオーダーしておりさらに高くなる。これはこのドレーキップ型を使う理由が2で上げている通り、外側に簾など日射遮蔽装付属物を設置したいためだが、ドレーキップの金物の仕様上、開けられほうのワイド寸法を最大寸法でオーダーしているためである。この特注で価格が2割ほど上がっている。しかし窓は30年間使用し、その間に簾は60回ほど交換することを考えるとここは譲れないのでこの価格が高いサッシが標準仕様なのである。
最後にドレーキップ型はそのフレームの構造によりガラス面積が他のサッシにより小さくなることが欠点ともいえるが、メカニカルなことが好きな私には、この複雑な構造をよくこのフレーム巾で作成できたなと逆に感心する。現物を一度見て頂ければわかるが、4周に回させれた金属性の金物ががっちり気密性を維持することがわかる。
下にエクセルシャノンさんのドレーキップ窓の開閉動画を載せる。