巻新道の家 気密施工と風呂CF施工

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今日も36度と暑かった・・・そんな中、巻新道の家の気密施工と風呂CF施工の確認に現場へ伺った。

同じ暑くなった月曜日とは違い今日の大気は澄んでいないのでフェーン現象ではないと思われる。

まず外壁のチェックだが、「緑の家」の杉の外壁はとてもリーズナブルな製品を使っている。当然「節」はあるのだが、この節ありの杉を無駄なく使う。そのため死に節で10年以内に抜け落ちるような節はシーリングを行って15年以上節が抜けないように補修をしておく。

いつも施工されて工務店さんなのだが、折角だからどの節がその死に節にあたるのかのお手本を示してきた。

上の青テープが死に節で10年以内に節が抜け落ちる。節が抜け落ちてもその下には防水シートまたは防水PBがあるので、タイベックに紫外線が当たることはないが、やはり1次防水機能及び2次防水を保護する杉の木は、長く維持された方がよい。当然節の無い木を使えばよいが、上小節になると価格は2倍にもなる。節のない木は手触りや見た目がよいが、外部で手触りを気にすることもないし、シルバーグレーになった時にはシーリングと節の境目が無くなほど似たようになる。したがって「緑の家」では価格優先で標準ではこのような節のある木でよいとしている。過去にも何度か申し上げているが、「緑の家」の基本スタンスはスタンダートな金額で高性能な家をモットーとしており、このご時世にも100~110万/坪でUa値0.2台で且つ高基礎をご提供できるようにしたいと思っているので、できる限りコストを掛けなくてよいところはこのように工夫する。

さてその節の区分けだが・・・

上の2つの写真の節はNG。死に節で周囲に皮をもち竣工後5年以内で抜け落ちる可能性がある。

上の写真の節は大丈夫。節の周囲1/3くらいが皮がなくこれなら落ちることはない。

大きいが中央節は生き節だから問題ない。

NGと判断された節は上の写真のようにシーリングを行う。シリコーンでも可だが変性シリコーン系のほうがよい。このようにすることで15年以上は抜け落ちることなく維持できる。現在自邸の杉の木は22年以上問題なく維持可能中。

さて気密施工で防湿フィルム(気密シート)の重ねを200mmから90mm前後でよいと変更してから初めての気密施工のチェックとなる。防湿フィルムの巾は2.1m程あるものを使っているので重ね寸法は必然的に300mm程になっている。しかし重ねは90mm前後でよいとしたため、施工も細かく注意する必要性がなくなり作業性は確実にアップしているとのこと。

上の写真のように合板による耐力壁と筋かいによる耐力壁の気密処理の差が見て取れる。やはり筋かいのほうが気密処理が行いやすい。

天井も下地30mmのある所で90mm前後との規定の中、材料の関係もあり200mm以上の重ねで行われていた。

さて次の話題は風呂CFだが、ブログのトップに固定されているCFのマニュアルにも記載あるとおり、最近は脱衣所壁からUB天井という設置位置が標準となっている。これは最近のUB壁には磁石を取り付けることが必須なっているようで、鉄板を挟み込んでいることが多く、これを切断するに錆処理の心配があるようだ。そのため風呂CFのお風呂側の吹き出し口は壁でなく天井に変わってきている。

UB天井にある2つのグリル。手前の大きいグリルが風呂CF用で200φ用の特大グリル。

風呂CFは大風量になるほど乾くスピードが極めて速くなる。新築時(数年間)は床が水垢などの汚れがついてないので水切れが大変よく、風呂CFがなくとも乾きやすい。しかし数年経過すると床に汚れがついて水切れが悪くなり乾くスピードがおちる。その時にも大風量の風呂CFがあれば難なく乾くため、カビ防止には最適。そのため最近は多少騒音が大きくなっても大風量換気扇を選ぶ。

UB天井にある2本のダクト。一本は非常排気用で太いもう一本は風呂CF用。

最近の風呂CFの機器はFY-20PSD3で、風量200m3/h以上がある機器を標準としている。配管は上の写真のように短いので取り回ししやすい可変ダクトでもよい。機器のダクト径は200φもあるので、一般の倍の径で面積比では4倍にもなるので圧損も少ない。ただし・・・FY-20PSD3は風圧ダンパが標準で設置されているのでこれを取り去らないと風量は極端に落ち、ダクトにダンパーが引っかかるとほとんど風量は0になるので注意したい。

赤い線で囲ったもの⑤が風圧ダンパ。これを取り去ることが必須。

最近の「緑の家」現場でも2件連続で図面に「取り去る」と記載があっても取り去ってなく、完成検査で、風量が殆ど出ていない事があり是正して頂いている。特にダンパーが可変ダクトに引っ掛かって風量がほぼ0のようなところもあった。本来ならこれを取り付ける業者さんが引っ掛かることを予測しなければならないのだが・・・。

さてこの風呂CFの効果はこの暑い時期に最大の恩恵を受ける。暑い風呂の湿めった空気を屋外に排出せず、家の中に拡散させるこのやり方は、通常の発想ではないため10年以上前は誰も採用していなかったが、現在はその科学的根拠により数多くの家で風呂CFかそれに近い乾燥方式又は名前を浴室循環扇と変えてを採用している。つまり風呂の換気(排気換気)は行わず循環で乾かすということ。是非新築時には風呂CFを採用してほしい。

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