オーブルデザインは超高断熱(Ua値0.3w/m2k以上)を推進してきて早10年。
当時とは状況が変わり、いまゼッチ(ZEH)とかパッシブとかが認知され、しかも超高断熱住宅を大手メーカーの中で唯一薦めてきた「一条工務店さん」がなんと・・・
住宅ガリバーであるトップの積水ハウス(1万4千棟)にせまる勢いで、一条工務店(年間1万2千棟)が2位であるとの事です。
「緑の家」で10年前から超高断熱をお建てになったオーナーさんはきっと10年経ったこれからがスタートの年といってもよく、10年前に殆ど知られていない超高断熱住宅を良く選んで頂いたな・・・と思っております。つまり「緑の家」は最低でも10年間は先行していたのでその分、建物の寿命が延びるのでは・・・?
つまり家造りとはある程度の将来予測が大事なポイントです。
今からゼッチ(ZEH)では遅すぎですし、そもそもそのくらいの断熱性能としては足りなすぎ・・・。
最低でもUa値0.3w/m2Kで、出来れば将来の高性能窓の価格下落を見越した、簡単窓取り替え仕様がやはり必要だと私は強く思います。
さて・・・
上のことは超高断熱に関わる事だけで、住宅はそれだけではありません。
耐震性は最重要ですが、これは一般の建て主さんでは評価出来ない事で、もし心配なら長期優良住宅の耐震性の認定を「許容応力度設計」で取得する事です。この許容応力度設計ではなく、一般のN値法で耐震の評価を取得した場合は、超高断熱の外壁の重さ、天井の断熱材の重さなどが通常加味されないので、正確ではありませんし、新潟県なら耐雪量の評価も曖昧になります。長期優良住宅以外の自社評価では、多分不正確な計算になっている場合も多々あるので、やはり「許容応力度設計」による長期優良住宅取得をお勧めします。
そして・・・今回のお題目の
「カビや白アリなどの生物劣化」が考えられていない家は、その設計が良いとはいえません。
一昨年私は、
「カビが家の寿命を決める」
という仮説をたてました。無論、全ての地域でカビが生える事がありませんが、もし
「古い家って何か匂うよね。大概同じ匂い・・・」
との経験があればそれは殆どが「カビ臭」です。
また押入れ中がかび臭いと感じた地域であれば、この仮説があてはまる可能性が大きいです。
一方地震や災害で家の寿命を迎えることはありますが、こちらは致し方ない所です。
因みに・・・木造住宅は大きな地震に遭遇すれば、大概気密層は破壊されます。特にサッシやその周辺が変形することが多く、一度変形したものは以前の気密性能を出すことはほぼ不可能。無理に修繕するより、数年または10年くらいまって建替え、もしくは大規模リフォームを考えるほうが良いと思います。無論気密層が多少破壊されても居住することは出来ます。
さてカビに話は戻りますが、そのカビ臭・・・どこから匂うか考えた事がありますか。
殆どは壁の中、1階と2階の懐空間、床下、そして押入れ等の普段掃除していなところです。押し入れのように荷物を出して掃除すればある程度納まりますが、表面にでていない壁内、床下のカビを除去する事出来ません。だからカビ臭が消えないのです。
ただ・・・地域によってはカビが大変生えにくい地域もあり、実は先日ご紹介した伊達の家(福島県)が建つ地域もカビが生えにくいのです。それを表す例として、
伊達の家の敷地には、江戸時代に建立された門が移築されており、今もなんとか普通に建っております。その左手・・・にある建物も50年以上は経過していますが・・・
その建物の足元が、殆ど地面と同じくらい土台があり、まだ健全なのです。
風化はしておりますが、腐朽はしておりませんね。
解体した築50年以上の母屋もこのとおり何も腐朽は見られないばかりか、カビ臭も少なかったと聞いております。これらはこの地域特有で、数十キロ離れれば普通にカビは生え、腐朽はするそうです。
もしかしてカビ臭がなかったので50年以上も古い感じはなく、ただ寒いだけの家だったのでしょう。確かに伺った時は新潟での古い家の匂いはありませんでした。
このような地域は特別で、普通にカビ臭の経験がある地域なら、カビ防止が住宅の長寿化になります。そのカビ防止は以前からご紹介しているとおりです。こんなことをまじめに宣言、啓蒙しているのが自然素材が大好きな「緑の家」なのです。