論と証拠。12年後の太陽光発電パネル下の屋根。

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ソーラーパネル4kw程度が載っている「緑の家」2009年撮影。

12年前にAグレード(当時SSプラン)として建築され、太陽光発電パネルを設置した小屋裏に入る機会があったので紹介したい。

小屋裏に自然光が入るように壁面に窓がある。積極的メンテナンスが出来る。

建築場所は新潟県の雪が1m以下の平野地域である。とはいってもこの12年間に1mくらいの積雪が2度程度あった。今もそうだが「緑の家」の小屋裏はほとんどが目視可能・・・と言うよりこの「緑の家」は入りやすく工夫され、今回は照明がないのに明るい自然光がはいる小屋裏。

桁上にネオマ180mm断熱の敷き込まれたAグレードの小屋裏。軒先のみ垂木ピッチ225mm。

結論から申し上げると・・・全くの健全で今竣工したようなくらい綺麗。野地板は構造用合板12mmで変色もなくきれい。よく巷で自然素材住宅を建てている人からは、「野地板が合板だと10年もしないうちに痛んでくる。だから杉の無垢板がいいのだよ」との話を時々聞く。

しかし・・・

1.野地板の構造用合板は特類
2.長期優良住宅以上の小屋裏換気量
3.天井の正しい気密層
4.屋根ルーフィングはゴムアス系以上の釘シール性

が設計・施工で行われていれば野地板が傷む心配はほぼ無い。このように冬期の結露、夏の結露の理論がしっかりしていれば、何故野地板が腐って痛むかわかっている。これを威張るつもりはなく全ては実績であるし、これは紛れもない事実である。今回は太陽光パネルが敷設された片流れに近いファイバーシングル葺と、条件は有利でない野地板でこの状況である。

水染みが一切ないの野地板の裏側。
健全な合板。まるで昨夜でも施工されたように綺麗である。ファイバーシングルのため釘の貫通が見受けられるが、水シミは皆無。また結露のあともない。

昔の瓦屋根の野地板が腐りにくいのは、土葺きでルーフィングを敷かなかったことが大きいが、現実的に現在ではその施工は不可能である。よって構造用合板を使い、ルーフィングを使わなければならない時の施工として上の4点を最低限行うことが良いと現時点での結論であり12年間変わりない考えである。

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