その6は、「ある条件のセルロースファイバーを使用した壁体における防露性能評価に関する研究」である。
簡単に申し上げると、セルロースファイバーの壁体は防湿シートを省略して内部結露を生じないか?
の評価である。
最初に・・・
時折コメント欄にハンドルネームだけで根拠を示す事もせず持論を展開する考えが投稿されるが、ハンドルネームだけであっても根拠を示すことがあれば返信するが、根拠を示さず且つハンドルネーム(匿名)の場合は返信はしないと決めている。ここは責任ある内容を申し上げる場として考えているからであり、その旨ご理解願いたい。
この表題の研究は過去多くの類似研究がされており、
その結論は現在住宅金融支援機構の仕様書にまとめられているので最後にその説明する。
最初に論文の壁構成をと条件と下に示す。
そしてその結果を受けてまとめは・・・
上の5.まとめの⑷にあり、セルロースファイバーを使用した上の条件の壁では通気層と木質繊維板を用いれば全ての地域で防露性能を確保出来る(防湿シートを省略できる)。になるかとおもう。
そのとおりだと思う。が、実務者が気をつけてもらいたいのはこれは上の壁条件と温湿度条件(結構厳しい条件でこれは実用的)の時に問題なさそうとのことであるから、この条件を外れた場合はやはり住宅金融支援機構の仕様書に添った内容のほうがよいと思われる。
この論文筆者は大学機関なので論文全文を↓におく。興味があればご覧頂きたい。
コメント
>この表題の研究は過去多くの類似研究がされており、
建築知識2018年1月号に、「調湿系断熱材は防湿層が不要なのか?」という記事があり、
壁体構成
石こうボード 9.5mm
CF 100mm
合板 12mm
通気層 18mm
での一次元の計算結果がありました。室内側防湿層がなくてもよい条件に、「外気条件としては東京より温暖かつ乾燥している地域で適用すること」とありました。。。
P119の図4(合板と断熱材の境界付近の相対湿度(東京•2016/11/1~2017/4/30))を見ると、相対湿度90%台後半の期間もあり、低温となりやすい隅角部で結露リスクありとみてもよいように思えました。。。
論文の図5の通気層があるCFは東京で結露リスクが無いように見えましたが、壁体構成(透湿抵抗)の違いでしょうか。。。
一般的な合板と木質繊維板(ダイライト?)では大きく透湿抵抗が違い、前提条件が大きくかわります。
浅間様
早速の御回答ありがとうございます。
室内の相対湿度はどちらも70%(一定)という条件で、冬に70%は厳しい条件だと思いました。湿気が絶対湿度が高いところから低いところへ移動することを考えると、防湿層の無いお宅の湿度管理をどうするのかは気になるところです。