笹越橋の家 耐力壁検査

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真壁耐力壁と梁の組み合わせが軸組工法らしいデザインである。ただ施工は大壁より大変である。

昨日、雨の合間を見ながら笹越橋の家の耐力壁の検査をした。

以前紹介した梁背600にもなるバルコニーの梁の下に耐力壁があるが、これを見るとどんな大きな家なのかと思う。しかし笹越橋の家は延べ床面積28.5坪の比較的コンパクトな家。

久しぶりに2階は全て勾配天井となる切妻屋根なので、妻部分には耐力壁を連続させる。

勾配天井+切妻屋根では妻面の耐力壁化は重要なポイント。

許容応力度設計(国監修)のマニュアル2017年版P10にある記載。

勾配天井でなければ上の矢印の所に構造用合板で造る耐力壁ではなく、小屋振れ止めを内部に設置出来るのであるが、勾配天井の場合は写真のように屋根の受ける水平力を2階の耐力壁伝えることが必要となる。無論桁方向にも同様に何らかの伝達が必要だが、昨日はまだ施工されていなかったので次回紹介したい。

さて今日は皆様に問うてみたい。下の筋かいでできた耐力壁をご覧頂きこの耐力壁で問題ある部分があるか?じっくり見てほしい。

多くの人が下の写真の矢印部分の節に問題があるのではないかと思われたはず。

矢印の所に貫通しているような節が見える。

「緑の家」では筋かいの断面を105×45とし指定しているので法律で定められている筋かい90×45より一回り大きい断面となる。法律と同じ90×45ならこの時点でNGとなる。

矢印の寸法は85mm程で90mmに満たない。

「緑の家」の筋かいは105×45なのだがそれでも上の写真の矢印部分において節以外の残った距離は85mmで90mmに満たないように見える。

しかし裏から見るとこの節は貫通しておらず半分で無くなる。

節は斜めに入っていたので材を貫通はしていない。

残った断面は105×25となり、85の部分と合わせた断面係数は90×45より大きくしかも筋かいの長さ方向の中心部ではないので所定の耐力を維持できる判断して問題無しとなる。

以上のようにオーブルデザインの工事監理では特に筋かいの素材はよく見て判断している。

合板の方は再チェックとなった。

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