土地条件が90%影響するのが住宅 その2

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
このページの図又は文の引用元は全てこの論文から

梅雨空が多くなり豪雨注意報を頻繁に耳にする季節になった。数年前には各地で浸水の大被害がおこり、以前このブログで紹介したとおり新たな対策としてあるメーカーさんでは防水住宅等が開発されている。そんな中、建研が中心となり昨年技術論文が発表された。

以前ご紹介したときは雑誌掲載だったので著作権の関係上詳しく案内できなかった。今回は論文の執筆者は建研さんであり公共性は非常に高いので掲載してある図、文をそのまま引用する。

まず水害の程度により対策は変わると思うが、ここでは一昨年実際に長野県であった家が丸ごと流されるくらいの1階浸水まで考えている。下図はその対策方法の例である。

対策として従来多かったのが左の地面のかさ上げだろう。今回はそれとは別に加えD案の高床、C案の完全防水とB案の水浸しになった部材取り替え簡単な対策を行った家の3つ場合で評価を行っている。

浸水レベルを1から3にわけて、その条件での有効性と被害場所から復旧金額を算出したのが上の表である。例えば450mmの水没時には、対策を行っていない家の復旧金額が約50万、取り替え容易のB案は約25万、防水のC案は0万、高床のD案は0万となる。1500mmの浸水時には対策を行っていない家が約610万、B案が約520万、C案が約50万、D案が約20万となる。

確かにC、D案のヒガイ修復額が少なく良さそうに見えるが、実際は建築費が対策分だけ多くかかっており、それを回収できるかどうかは下の表を見てほしい。

一般的な住宅の建て替え寿命は50年以下なので、上の右表では左からオレンジ色までの所に該当する。ある一定の条件下でB案などは90%以上で回収可能となるが、C案では50%以下、D案では75%以下で回収可能との評価である。

この論文の結語では・・・

論文のまとめ部分からの転載

・・・とある。

実務者の私としては、

もし建て替えとなればその土地の条件でB~Dを選んだ方が良いとも感じるが、土地の購入ならまず最初に水深1mを超える水害地域と土砂災害区域は避けるべきだろう。これは既にハザードマップで確認できることで、耐震等級2以上を選んで建てることと同意味であると考えている。特に1.5m以上の浸水地域なら耐震等級1未満の建物と同意味であると普通は解釈できる。1.5m以上になれば健常者でも溺死する可能性があるし、家は流される可能性もあるため。

しかしそのように発言すると、例えば新潟市のハザードマップでは多くの地域がそこに該当し、浅間は理想論者だと言われるだろう。ただし地震とは違い、何時どこで来るかが数時間前には予測可能なのが水害と土砂災害である。だからその時に逃げる心構えさえあればその土地を選ぶことはある。その場合、人命の責任だけは自身で持つことが大事。決して行政や他の人のせいにできないと思う。

題名にあるとおり住宅は土地選択がその家の90%を決定する。次に耐震性と耐久性で最後に断熱気密性の順番となる。

「緑の家」は1階床が地面から1500mmあるタイプが多いが、単純に上のDの高床とはならない。これは床下内部半分を収納庫として使っているからである。もし収納庫内に高価な物があり水没すればその被害額は大きくなるし、全く収納物をおけなければ上のDの高床に限りなく近くなる。

この論文は会員なら無料で建築学会からダウンロードできる。会員以外で入手不可の方はメイルを頂ければお送りすることもできるのでご一報を。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする