まず上図の一番右上の発信元をご覧頂きたい。
「国土交通省」が示した資料で初めて?断熱等級7(現在の最高は等級4)が示された。
「案」とはいえ、複雑な想いである。
「緑の家」では12年前からこの断熱等級7と同等のAグレード(当時SSプラン)を提案し作り続けてきた。多分その数は30設計を超えると思うし、等級6以上なら50設計を超えるのではないだろうか。
しかし国は凄い意気込みである。現在の断熱性能最高基準が等級4(ZEHではそれ以上)だが、新潟県の属する地域5では等級4のUA値0.87から等級7はUA値0.26だから3.3倍の断熱性能アップを提案している。これは衝撃だろう。衝撃を受けるのは建設会社で特に一条工務店を除く大手メーカー・・・。そして最も衝撃を受けるのはここ数年で建築した建て主さんだろうと私は思う。
その衝撃を受ける建て主さんは2グループであり、良い家を検討してZEHでつくった太陽光発電で大きくカバーしギリギリUA値0.6をクリアーするZEH性能の家。それは現在のZEH基準であっても新しい等級7の半分もない43%程度のUA値の断熱性能である。だったらもっと断熱性能を上げておくべきだった・・・との衝撃と、もう一方は・・・
「やはり自分の選択は正しかった。当初からUA値を0.29以下にして正解であった」という喜びの衝撃だと思う。
そして・・・そして、更に5ページ目のパワポが更にトリッキー
その超高断熱の等級7を具体的断熱構成例が・・・
付加断熱がフォノールフォームとある。そう、「緑の家」超高断熱仕様とほぼ同じ(「緑の家」では更に厚いフェノール120mm厚の断熱材である)。
というのは、新潟県で現在行なわれている超高断熱住宅の壁構成が、このような板状断熱材のフェノールフォームを使った付加断熱仕様より、繊維系断熱材の例えばGW(グラスウール)を120mm以上貼った付加断熱仕様のほうが巾を効かせているからである。ここ数年で言われなくなったが、繊維系断熱材GWを常に主体として施工をされる方からは、「フェノールフォームの付加断熱は将来腐る、性能が大きく落ちる恐れがある」と謂われない批判をされてきた。特に昨年県外で設計した「緑の家」の見積もりをお願いしたときに、ある団体に所属している複数の工務店さんから、直接この言葉を聞いている。その時に困ったのは建て主さんがそれに一時惑わされてしまったこと。専門家(建築設計者)が根拠のないことで、建て主さんを惑わすことは犯罪に近い事だと私は思う。建築を業としているならなおさらである。
ということで、国が超高断熱仕様の必要を認めたことが衝撃だったし、その具体的壁構成が「緑の家」の仕様と同じ板状断熱材による付加断熱だったことは、胸を張れる事である。なぜなら2009年からこの構成で全棟の「緑の家」をつくってきた。2009年からブレは一度もないこのことは、寿命が最適低30年と言われる住宅建築では、建て主さんにとって最も価値があると思う。