無難な付加断熱材とクロス通気

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

昨日三条市大崎で建設中の三国街道の家に防水検査に伺ってきた。

青く塗った時間が降雨量を観測した時間。降雨量を観測できない少量も含めるとほぼ全時間ぐずついている。

新潟県民は言わずもがなでこのところ雨が4日間続けて降っている。こんな時に住宅を建築するときは、付加断熱材※が発泡系の樹脂断熱材だと大変ありがたい。
※付加断熱材とは断熱等級6以上の住宅を作る場合、壁内、柱間の充填断熱ではクリアーできず柱外に外張りされる断熱材のことを付加断熱と呼ぶ。

この雨天候で外張りされ終わった断熱材ネオマフォーム。

板状の断熱材は少しくらいの水濡れなら問題ないので、外壁を貼るまでの少しの間(2週間くらい)雨が降り続いてもまだ施工ができる。しかしグラスウールやロックウール系の付加断熱の時には、屋根からしっかりとすっぽり覆う養生を行わないと、雨で断熱材が濡れ乾くまで相当時間がかかり、外壁を張り上げたり、内部壁を閉じることができない。無理矢理貼っても通気層があるので一ヶ月もあれば乾燥するかもしれないが、その間にカビなども生えるだろうからできれば避けたい。

雨が足場で飛び散って外壁にびっしりつくのは日本では当たり前の光景。

当然足場に雨が透過しないような屋根から基礎まできっちりした養生をすれば問題ないが、そんな養生すると、風の抵抗が強くなり強風で足場ごと倒れる可能性が出てくる。このため足場自体の強度をあげた特別な補強をしたりしてコストがあがるので、一般的ではない。

一方発泡系の樹脂板製の断熱材なら、少量の雨がかかっても問題ないので下の写真のように内部を作る前に先に貼ることができる。

外貼りの付加断熱がおわれば内部に雨が入り込む心配は無い。

付加断熱さえ貼ればその後内部は濡れる心配は無くなり、水に弱い繊維系の断熱材を下の写真のように詰めることができる。

30年以上指定している厚さ120mmのSUN断熱材(ピンク色)がきっちり施工される。

今回は筋交いが主の耐力壁のため、このカットに時間がかかるが合板の価格と手間賃を考えて選択することになる。

外壁側ではすでにクロス通気層も完成している。クロス通気※のよいところは下の写真のように、アンテナやエアコン室外機設置のための下地を入れても、壁内通気層が全く阻害されないこと。
※クロス通気とは壁内通気層を構成する胴縁を十字のように重ねる通気層のことで「緑の家」オリジナル発想。

縦板が2枚設置されている付近にアンテナなどの設置や、間崩れの下地が入る。

クロス通気がないとこのような下地部分で空気の停滞が起こり、内部結露のリスクが高くなる。住宅の設計とは現場で現実に起こりえる事を想像して、ある程度予想外の事が起こっても問題ないような施工ができるようにあらかじめ考えて置くことが重要。付加断熱の素材も、壁内通気層の作り方も、様々な職人さんであってもその性能が担保できるようにしたいと考えている。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする