⑤の「環境 デシカント空調」の連報である。⑤では快適性にふれていないことに注意と書いたが、⑥では快適性に影響のある全身平均熱流束の差についての報告となる。
上のとおり冷え性や多汗症などの幼少環境の違いや体質の違い、また年齢等による自律神経、血流状態の違いで、同じ室内環境下でも暑く感じたり寒く感じたりすることがある。それでできる限り解消できるような空調環境条件を明らかにしたいとの研究であり、これは過去にない研究だとおもう。このブログでは過去に経験上から下のような主張をしているが、それをアカデミックにする論文となるのではないだろうか。
このようにアカデミックなことが体験より遅くなることはよくあることで、「なぜ低湿度が評判よいのだろう?」的な発想から調査、研究がはじまる。
さてこの論文のまとめであるが、
にあるように31度RH(相対湿度)40%のほうが28度70%のときより、発汗量が多いときの体の表面温度を下げることができた・・・とある。体感が学術的に実証された内容となっている。
実測結果は下のとおりである。
論文のまとめでは26度50%時は寒く感じるのではないかと表現があるが、私が上のリンク先ブログで募った意見では、この26度50%はとても評判がよかった。それは上のグラフみればわかるが、この26度50%時では発汗が少ないときには平均皮膚温が32.5度となるが、なにか活動(掃除)をすると平均皮膚温は28.5~29.5度まで大きく下がる。近年発汗を嫌う人が増えていると思うがそれに合致するように発汗0.3から0.7とわずかな差で急激な放熱作用がこの26度50%にあると読み取れる(風速が0.5m/sあるとき)。一方室内は無風時がほとんどだから、汗量が多くなったときのこの爆発的な皮膚温の低下(図2(1)の一番右)も・・・これが気持ちよいのである。
このように夏期の超低湿環境の良さが立証されつつある事は喜ばしい事である。