屋根の出があると外壁は少しの雪や雨では濡れません。ケヤキの幹は濡れ色ですが、外壁は乾き色です(花台のみ濡れ色)。
今日の寺泊は未明の4時ごろから突風が吹き荒れました。アメダスによると最大風速は27m/sとサッシ規定値位の風が吹きました。事務所へ通勤道中、寺泊から燕へ入ると風は弱まり、三条に入ったころはほとんど風が強いとは感じませんでした。新潟の冬は地域差があります。そんな厳しい環境にある拙宅は家にいれば冬も家中全く快適です。洗濯物は一晩で乾くし、寝起きも苦ではありません。
ここから本題ですが、拙宅の家族には今年満20歳を迎えるトイプードル犬(ビアンコ)♂もいます。去年から人間で言う認知症が始まり、朝と夜の区別がわからなくなっているようです。今日は深夜2時半から2時間くらいおきて徘徊をしてました。・・・徘徊する・・・そう、お分かりのとおりビアンコはロープでつないでもいないし、サークルも基本的にはありません。これはできる限り自分の足で動けるようにと思っているからです。既に走る事はできず、歩行もよろよろで時々転びます。転ぶと自分で起き上がる事ができないときがあり、この時間が長いと怪我や関節が痛むせいか数日間立ち上がる事ができません。ですので常時24時間付き添いがひつようです。
「そこまでするなら、サークルに入れたほうがよいのでは?」
とおっしゃる方もいらっしゃいますが、徘徊の歩く事はとても重要な事だと思ってます。適度に歩く事で足の筋肉が落ちないようなリハビリになり、バランス感覚も維持できます。この自分の足で動けるということは、介護するほうも非常に楽ですし、何と言っても介護する側される側どちらも楽しく感じます。この「楽しく」が家族には一番重要で、家族が檻に入っているような環境は楽しくありません。
高福祉で有名な北欧の介護の基本はいかに寝たきりの時間を短く(無いように)するかと言われてます。寝たきりは介護するがわに肉体的にも金銭的にも大きな負担を強いるからです。
今日は深夜2時30分から2時間位おきてました。 汚れてしまった床の清掃や座布団の洗濯をその時間にしました。
何がいいたいかと言うと、こんな深夜に起こされても家中寒くないので、そのストレスがないという事が大変ありがたいのです。薄い一枚のパジャマでお風呂場からトイレ、キッチンまで難なく裸足で移動できること(床が冷たくない)。これは実際夜の介護した人にしかわかりません。
故父も、認知症で徘徊がありました。実家は高気密高断熱ではなかったので、家中暖房は無理でした。トイレは10度くらいしかなく、お風呂場は外気とあまり変わりない温度です。そんなところを夜おきて仕事や洗濯をしたり、父に洋服を着せるのは大変ストレスがたまります。寒いと言う感覚がない父が寒い場所に移動したときは、直ぐに上着を着せなければならないし、最初から沢山着ていると今度はトイレのとき脱がす事が大変です。
介護施設はいつ行っても温度一定です。トイレでもお風呂でも暖かいですね。これは介護する側にも大変なメリットです。半そで一枚で介護できる事は、汚れたら直ぐに着替えられ、気温差によるストレスもまるっきりありません。もしかしたら介護を楽にするために、施設内を快適温度にしているのではないかと思わせるくらいです。
家中暖房は、高齢になったときその真価を最大限発揮できる人工環境です。自分ばかりか、介護する人にとても優しい空間なのです。
最近、数十年後はエネルギーが高騰するので・・・と言う理由で超高断熱住宅ををお勧めしてます。「するとそこまで考えてなくともいいよ。」とおっしゃる方がいらっしゃいますが、ますます自宅で介護される施策が進められるなか、介護者に優しい家は介護される側にも楽しさをもたらします。
「寒い」と顔をしかめる事が介護する人になく、心に余裕を持って接しられます。その余裕が介護者にも伝わりお互いハッピーです。更に家中暖房できる家は、床が冷たくないのでスリッパがありません。これは私がお手伝いした家の99%そうでした。メンテナンスに伺ってもスリッパが玄関にありません。スリッパがないということは、引っかかって転ぶ心配も少なくなりなす。介護施設も入居者のスリッパは原則禁止ですよね。ほとんどがスニーカーですが、たまに裸足の認知症の方もいらっしゃいますが、足が冷たくなければ裸足ほど安全な歩行条件はありません。
自然素材重視の住宅メーカーさんのなかで、超高断熱の家を見ると
「そこまで断熱性能が必要ないよ。性能マニアの家だよ」
といわれる方がいらっしゃいますが、老後は何かと収入源が固定化されると思います。ですので新築後20年くらいたった時、断熱リフォームをされる意欲はないと思います。最初から断熱性は20年後のエネルギー高騰を予測し高い性能で新築すれば、介護する人にもやさしい家中暖房が少しの暖房費で可能です。もちろん、それまでの間でも家中暖房の良さを体の芯から感じることができます。高齢になったときは、家で体を鍛える必要はなく、体やお財布に負担を掛けずに悠々自適に快適な環境で過ごす事ができる住宅・・・超断熱住宅をお勧めする理由です。