未来につなぐために 建築士として

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新年にあたり少し私の家に対する思いをお伝えします。

私たち現世に生きているものは、過去の人が残してくれたものの上に成りたっています。仮に悲しい過去があっても過去を否定する事は現在の自分を否定する事になり、大変さびしい行為です。また一方で私たちには未来につなぐ責任を持っています。過去の人が築いて来たものを消去することなく、その上に積み上げていくか、分解し再構築していく必要があります。
その受け渡し方法はただ一つ「生命」そのものしかありません。人間には科学、技術、文化、言語など様々な受け継がれる学ぶべき分野、形態がありますが、それを生かすも殺すも「人」しかありません。その人から人への受け渡しはどのようなことなのでしょう。私はその核が「親子」であるといつも考えてます(これは血がつながっていない親子も含みます)。

「一人で裸でうまれ、また一人で去ってゆく」人は最初と最後はすごくシンプルです。しかしもうすこし詳細にみると、生まれる時は一人ですが、生まれる前でもすでに母の胎内にいます。卵子はそれが「ある」時点から母に守られ暖かい愛情に包まれてその時を待っているのですね。もうすでに最初の親子が始まってます。
「三つ子の魂百まで」ということわざがあります。これは先人が残してくれた大切な知恵です。ある解説には「満2歳までに身に付けたものはその子の性格となる」とありますが、私は「性格」ではなくその子の生きていく上での思考、感情の核であると思ってます(性格はすでにDNAで引き継がれると考えてます)。

哺乳類を除く生命のほとんどが、親から生まれた途端に自立し生きてゆけます。ところが哺乳類は生まれてから自立できるまである程度の期間を要します。人はその期間が2年間最低必要だということなのでしょう。ですので最低この2年間は親の愛情(命に変えても子を守るそんな感情であり、躾ではない)の中に包まれている必要があると思います。この2年間が仮に愛情のない期間となってしまったなら、それを哺乳類でない他の生物に例えると、卵が途中で割られてしまう事を意味し、本来現世では存在できない事になるからです。ですのでこの2年間は人として特別な期間と解釈し、だから「三つ子の魂百まで」という諺になると考えています(三つ子は満で2歳の事)。
さらに社会に自立できるまでまだ相当期間がいるのですが、本格的な集団行動ができる6歳までが核が分裂し増産される数の次期になると考え、更にその後9年間がその配列を決める時期なります。つまり15年間は人としての思考、感情の未来への引き継ぎの期間と考えてます。

さてお話が住まいと違う話題のような気がしますが、しっかりつながっています。
この15年間は親子として住まいとその周囲の環境を中心に活動します。特に母と子の関係は重要で、母の家・庭・人に対する思いはダイレクトに子に引き継がれると思ってます。住まいや周りの環境の善し悪しで引き継ぐものが全く違うとは思いませんが、影響はすくなからずあるといつも考えてます。ですので私たち建築士はその事をいつも感じ、真剣に未来に引き継ぐ重要な「人間形成の巣」を造っていると心にとめております。

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