茨城県の太平洋に接する鹿島市へ一昨日伺って配筋検査を行った。
写真のとおりいつもの「緑の家」の高基礎。これを立ち上がりとスラブを一回でコンクリートを打ち込む一体打としている。
見積もり当初複数の工務店さんから基礎一体打ち込みは難しいと言われた。しかしいざ着工するとスムーズに工程はながれる。一体打込みはやってみると難しいことはなく、ほとんどの基礎屋さんが食わず嫌いのようで、ポンプ車も一回で済むなど効率的であることも多い。また一体打込みの最大メリットである、基礎の打ち継ぎ(2回打ち)による白アリの入る隙間がなくなり、地盤への薬剤散布などを完全に必要としない。
鹿島市の家は「緑の家」最高グレードであるA仕様。このため基礎も耐久性を考え、スラブのかぶり厚は70mmと建築学会の推奨基準(Bグレードは60mmで法律最低厳守レベル)となる。よって写真のように大きく地面(捨てコン)から浮いた状態になる。
またスラブ筋もダブル配筋というコンクリート構造では当たり前の配筋となる(一般の住宅基礎は「緑の家」も含めシングル配筋のベタ基礎)。ダブル配筋のメリットはスラブ厚220mmに立ち上がりの鉄筋の定着が無理なく納まり、配筋同士の隙間間隔が適正に設けやすい。このあたりは一般の建築主さんは何を言っているのかわからないと思うが、要はRC構造の王道の配筋が出来るのがスラブのダブル配筋である。
またこちらも配筋の王道であるフック付きのせん断補強筋がAグレード。写真のとおり鉄筋先端にUの字型とすることで、構造計算上もせん断補強筋有りとして計算できる。もっとも2階建て住宅ではせん断応力より曲げ応力で配筋が決定するので耐力が増すというより、スタンダートな配筋思考で気持ちいい・・・と捉えている。
良い意味で期待を裏切ったことが地盤調査の結果地盤改良を必要としない良好な地面。太平洋側沿岸部では住宅地として良好な丘の上(山手)になり、加えて造成後から長い期間が経て安定した土地になっているようだ。