このアップ写真は何?
と思われるでしょう。これは洗面化粧台のミラーの額部分です。
通常我々木を扱う専門家は、木の木口が見えることを嫌い、様々な方法で隠そうと努力します。木口はカンナの歯がのりにくい(これはカンナを使った人でないと分らないかな)ので、どうしても仕上げがうまくいきません。だから木口を嫌うのです。
木口の話の前に、この鏡のあるお店をご紹介します。
新潟市の南万代にある「くらしのデザイン|マテリア 『materia』」です。
このお店はいつも当事務所がよく使う上野住宅建材さんのエンドユーザー向けに情報発信と家具・雑貨を販売するショップです。
このsheep シリーズがかわいい!
オリジナルファニチャー 「Baby △」を横から見ると羊に見える事からこのシリーズ名が決まったそうです。
確かに羊に見えます。
思わず触れたくなる羊のオブジェもあります。これは非売品です。
なるほど・・・オリジナルの文字の焼き印もすてきです。
おっと・・・木口の話でした・・・。
このテーブルが一番わかりやすいかな。
木のテーブルで矢印部分は通常「こば(木端)」か「こぐち(木口)」がでます。ですのでこの部分は強調するデザインは非常に少ないのですが、あえてこの部分を強調するデザインですね。
先ほどの洗面台もそのようなデザインです。
これは「上野住宅建材」さんがオーストリアから輸入しているアドモント3層無垢合板で造られており、この特性を利用したデザインなのですね。
更にその中でも「モカ・シリーズ」は熱で変色させる処理のため、化学薬品を使わないで濃い色に表現できる優れものです。
この写真でその積層の感じがよく分ると思います。上下にモカ・シリーズの特徴である熱変色させたウォルトナットの無垢板6mmを使い中間はLVL材を使うと先ほどの洗面台額縁のようなバームクーヘンの模様ができます。
わざと木口で模様を造る・・・逆転の発想です。