今年の建築学会の大会で発表される論文は大凡8000です。凄い数で、建築系論文発表の大会は医学系論文の発表大会の次に大きな催しです。
この多さはやはり実社会に直接与える影響=金額も大きいからでしょう。物理、数学は基礎的な学問で最も大きな影響を与える基礎学問と思いますが、直接実社会にもたらされる事(企業利益)が少ないので、研究費が多くない=論文数が少ないか、ハイレベル過ぎて論文が書けないから少ないの両方でしょう。
さて、興味のある分野は「環境系」で、構造系は専門分野ではないので論文を読み込む事ができないので見ませんが、それでも興味ある紹介したい論文はこの通り・・・
8000もある論文は玉石混淆・・・論理不明な物から新しい時代を造るような論文まで・・・
その中で更にチョイスし何点かご紹介します。
まずはこちら・・・まだ暑い夏の対策話題
発表は上の通りです。その論文のまとめに使われている図等を下にご紹介
さて私なりの解釈では(筆者の主張は直接大会に参加され聞くか、この論文を筆者らから頂いてください)
1.外付けブラインド75度では圧倒的な日射熱遮蔽効果がある(図2)。
2.外付けロールスクリーンは1に比べイマイチ(図3と図2の比較)。
3.内付けロールスクリーン、プリーツスクリーンでは白が基本(図4、5)。
4.内付けブラインド75度あれば外付けロールスクリーン並の効果(図7)。
です。このような論文は過去論でも結構あるので独自性が薄でしょうが、タイムリーなので一番に紹介します。
まあ、圧倒的な外付けブラインド効果・・・。ただし、スラット角度75度なので、下の写真のように外部は殆ど見えません。45度程度では、簾(日射取得率η=0.2)とほぼ同じです。
事務所の窓に設置された外に付けたブラインド。専用の外付けブラインドでないため、来客さんによっては苦笑されるがピークカット効果は絶大!このような実体験こそ新仕様につながる。
昨年の8月は難解な構造と時間的に戦っておりましたので紹介は殆どしておりません。今年も厳しい時間のなかどのくらいご紹介できるか・・・期待はしないでくださいね(笑)。