美麗句では間違った判断となる。

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左に車の前部品、右に前部破損の車。横転でもしたような壊れ方。

今日現場に行く途中で高速道上で渋滞となり「おーもう連休渋滞?」と思っていたら・・・事故でした。単独事故のようで居眠りでしょうか?運転手さんは大丈夫そうです。皆さんもお気をつけ下さいませ。必ず休憩を・・・。

いつ見てもシンプルな外観で基礎が高いと直ぐに「緑の家」だとわかる。これは自慢

さて、小新ゼロエネの現場は至って順調・・・。既に建築業界は消費税の影響で着工ラッシュだそうで・・・。

この小新ゼロエネは、長期優良住宅も合わせて取得しており、その国認定Q値は0.99w/m2Kと大変優れた断熱性です。ですが・・・

周囲環境がよく、窓の外は多分家が建たないであろう土地。だから緑が充分取り込める。

上の写真のピンクで囲まれた部分が巾5m、高さ2mの面積10m2畳6枚分の大窓(中柱はあるけれど)がついてそれでもQ値0.99w/m2K取得しております。通常窓が大きいとQ値は1.2位にしかなりませんが、1未満にするために、一部をトリプルガラスのシャノンにしたり、2階のサッシを見直して、不要なものを削除し、必要な窓だけに選別して目標のこの数値にしました。なぜか1.0未満に拘る私と建て主さんです(笑)。

ここから本題です(長文です)。数日前のブログに

「電気代が今の1/10だったら・・・いや1/5で継続するなら超高断熱住宅は必要ない・・・と言えます。」

と書きました。そのことで

「オーブルデザインさんは、環境の事、温暖化とか考えないのですか?」

とのご意見を頂く事があります。

そうですね・・・私は・・・

「環境の事とかと言って美麗句でごまかすと事実は伝わりません。事実でないことは人に間違った判断、方向に導いてしまします。」

あなたは築30年の家に住んでます。仮に
「電気、灯油代が今の1/10になりました。今までは冬の暖房費が寒さを我慢しても2万/月掛かっていたのがこんどから2千円です。ストーブ価格も下がって1台2万でFFストーブが設置できます」
と言われました。とすると皆さんどうしますか?寒くても我慢して今まで通り暮らすか、ストーブ数台増設して、お風呂から寝室まで暖めて快適に暮らすか?暖房費を5倍払っても1万ですから、そのまま30年間払っても100万くらいの暖房費です。一方超高気密高断熱するには施工に150万余計に掛かるとします。その家の電気代は1/10のさらに1/5となりますし、快適さのレベルは少し上がりますが、きっと超高気密断熱にする人は限りなく少ないでしょう・・・。

過去にこんな事実があります。

私が子どもの頃は、飲料(ジュース、サイダー、ビール)は殆ど「ビン」で販売されておりました。使い終わったビンは回収され再び利用されました。ここまでは今と同じですが、子どもがこの瓶を集めてお店に持っていくと、お金になるので道路にはビンなど放置されていません。子どもの良い小遣いにもなっていました。コーラの1Lビンは当時で確か20~30円/本ももらえていました。今に直すときっと60円~100円ですよ。しばらくしたら、ビンは重くて配達に人件費が掛かる、缶は軽くて運送費が安いとのことで、ビール、サイダーなどは缶に置き換わり、更にアルミの価格も下がりアルミ缶になって更に軽くなっております。確かにアルミは再び溶かして利用できるかもしれませんが、加工するのにエネルギーを使い、ビンの再利用よりエネルギー使用量は増大します。また現在は普通の人が缶を集めてもお金になりません。だからゴミ箱周辺には缶が散乱していることも多い光景です。新聞紙の紙類も同じですね。昔は普通の人でもちり紙交換で「お金(ちり紙)」がもらえました。いまはもらえまえん。

なぜお金がもらえなくなったのでしょう。全ては経済的な事情です。つまり、集めて再び加工しても、新たに海外から資源を買ってつくるより安いから、当時は集めてリサイクルするとお金がもらえ「業」としても成り立っていたのです。いまは資源、エネルギーが安く買えるので、使い終わったものを集めてリサイクルしても(行政という天からお金がもらえる団体は除く)「業」とはできません。何らかしらの「補助金」があれば別でしょうが・・・。つまり経済によって資源の使われた方が決まっていました。これは今も変わりません。決してビンより缶が環境によいと言う理由で置き換わったのではありません。ペットボトルも同じです。

今や車販売台数2年以上もトップを維持しているプリウスは、16年前から発売されております。その時には既に地球温暖化防止(京都議定書)を言われておりましたが、ガソリンが安い頃(90円/L以下)だったので、殆ど売れませんでした。ところがガソリンが160円/Lまで上がるとプリウスが日本で一番売れる車になりました。買った人は「ガソリンが高いからこれを選んだ」という事で「温暖化防止になるから選んだ」との理由は一番ではありませんでした。

「それは低俗な考えで、君だけだよ。そう思っているのは・・・。」と言われるかもしれませんが、私はリサイクルや温暖化防止を支持、先導しようとしている人(学者)が、年1回以上遊びの海外旅行で地球の裏側まで行っている人を知っております。地球の裏側まで飛行機で行くと言う事は、普通の人が一年間に排出するCO2を軽く超える大量のCO2(エネルギー消費)を排出します。変ですよね。その人は飛行機がCO2を大量に排出する事は知っているはずです。誰も乗らなくても飛べばCO2を出すのだからいいんだよ・・・なんて事を言うかもしれませんし、その代わりカーボンオフセットしている(金でCO2を買うと言う事)と言います。自分は特別で他の人は特別でないという目線でしょうか?素直に、「地球温暖化防止はとてもできない。でも一度言ってしまった事だから・・・止めるわけにはいかない。高尚な人だけが努力してほしい・・・」。と言ってしまった方がわかりやすいです。

原発では・・・事故前はあれだけ「地球温暖化防止になる発電方法だ」と言われたのに、今はそんなこと誰もいいません。口にするのは「原発を止めると電気代があがり、日本の経済がおかしくなる・・。」と経済的なことで、これは事故前だって同じ事でしょう。ですが事故前は、そのことより、美麗句となる「温暖化防止とエネルギーの不安解消の為」のだけで、電気代が上がると言う事を大きな声で言ってはいません。エネルギーの不安解消なら、今力を入れている地熱、風力、メタンハイドレード、太陽光をもっと早くからすれば良かったのではないかと感じます。

このように「事実」はエコが良いと思って行動している人は大変少なく、経済的に優れているからその行動とるという事が大多数です。またもしそうでなければ現代の二次産業は成り立ちません。

さて、否定的な事ばかり言ってきましたが、私が目指す所はエネルギーの自立です。この事が人を殆どの恐怖から解き放つ事になります。当然一家族だけでエネルギーの自立はあり得ませんから、自立できる最小単位を目指す事になります。それが町、村、郡単位ではないかと思います。その大きさなら、エクセルギー(貴重なエネルギー)をつかった後のエントロピー(ゴミ)を見て見ぬふりしないで責任を持てるようになるからです。エネルギーを使う事は、必ずゴミを出すことで、このゴミを如何に循環、拡散させるかを考える事が自立と言う意味に含まれております。建築業界でも自立循環型住宅が研究されています。が、太陽光発電をすればゴミが出ないと思っている人も多いと思います。しかしパネルを造る課程で大量のゴミがでますし、寿命がきたパネルもゴミです。エネルギーとゴミは表と裏、光と影の関係です。
もしあなたが「明日からゴミは各人で自分の敷地で処理しなさい」と言われればゴミを如何に少なくし、且つ分解して小さくし土に戻すかを考えるでしょう。その最初の「少なくし」と言うところが「超高気密超高断熱」という技術になるのです。少ないエネルギーで快適・経済活動することが、エネルギーの自立に近づきます。

ですので私の暖房費を低くしたいと言う目的は、エネルギー使用量を下げて、自立できる事に近づけたいととの願いなのです。温暖化防止のためではありません。エネルギーの自立を目指す事が超高断熱住宅とする大義です。

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