来年の空調系の学会の技術論文集に掲載される報告書の表紙(フライング・・・か)
さて「その①」ではさわりをご案内しましたが、その②では、どういった事を目的として研究しているかを、まず説明します。
ただ、これは私の主観なで私の解釈に間違いがあるかもしれませんので、こちらにその論文を置いておきますのでお確かめ下さい。
シリーズ分けはあるものの、帖数で区分けされている家庭用エアコン
現在エアコンの多くは、家電として販売されております。これは直接エンドユーザーが選んで買うのですが、この時にカタログの6帖用とか12帖用という表記を目安に機種決定していると思います。この選定方法が現在問題となっております。つまりエアコンは他の暖房機器と違い、負荷にあった機種を選定しないと折角の省エネ性が生かされないばかりか、快適性も阻害される可能性さえもありますが、困った事に負荷は部屋の大きさで決定することは希で、最近の家は断熱性能も遮熱性能も個々に大きく違います。そこでその部屋(家全体でも)にあった最適機種を選べる事を目的として、家の性能とエアコンのマッチングが簡単にできような基礎研究及びツールの提案を行う事・・・と感じました。
さて、まずはエアコンの市場現況把握ですが、上論文の説明用PDFも頂きましたのでその図を下に載せます。
現在のエアコンの価格は能力に比例して高くなっているようです。これは当たり前と言えばそうですが、家庭用エアコンは大出力用(23帖用)でも小出力用(6帖用)でも目立った外観の違い、機能の違いがない事に気づきます。実は中身もそう大きくは変わっておりません。しかし、上の図を見ると・・・能力に見事に比例しております。これは一体どういう事か・・・。通常価格の決定方法として「掛った原価+利益」となりますが、能力の大きい機種ほどもしかしたら利益率が大きく設定されているのではないか・・・と感じるような図です。
それと上の図のように比較すると、COPの山が3~4つくらい有り、どうもこの3、4つのハードを使い、ソフト的(圧縮機や送風量の回転数)大きさに違い設定しているのではないかと思うような特性の現れ方をしております。
確かに毎年機種変更される家庭用エアコンが6帖用から23帖まで9個もあり、その9種類をハード的に違わせたら、開発、製作コストが掛りすぎます。ですのである程度に種類を絞ってハードを作る事にしているのでしょう。ですが・・・だったらエアコンの可変出力の特性をいかし、9種類を3種類にして販売すれば良いのではないか・・・と思いますが・・・
そうすると利益が少なくなったり、他メーカーとの競合に負けるのでやむなく細かく区分けしているのかな・・・。
するとやはりエアコンは曲がった選定方法の「帖数」で決めるのではなく、一番負荷にあった選定が重要だと改めて思います。そこでその方法、ツールを考えようとするのですが、そのためにも現在のエアコンの特性をしっかり把握することが肝心なので、その①で案内したような大がかり調査・研究・解析となるわけです。
ではその研究をしている部屋へご案内します。
その③に続く・・・。
コメント
へぇー そうなんですか? ありがとうございます。
キャンプをやっているのですが、なんとか冬テントで高気密、高断熱にできたらと思っています。
どうしても結露でテントがベトベトになるもので。
先日テントの半分をペラペラのアルミシートでいいかげんに覆ったところ(スカスカで空気断熱は無い?)、覆ったとこだけ結露が少なかったのは私の気のせいか、それでも空気断熱の効果があったのでしょう。
住宅が知らない間に高気密、高断熱の時代になっているのにびっくりしています。
このブログ非常におもしろいです。世間は嘘だらけですね(意図的な嘘と知らない嘘)。
<インバーター部品は違うようだ
高出力を長時間稼働できるインバータほど高価なのでそうかもしれません。
が、量産すると差が少額ですので、試験やアフターを考えると違わない会社もあると思います。
あむ様
>を見て(やっと)見ました。 「就寝中停電で換気扇が止まっても死なない。」のですか???
HPに書いて有るとおりです。
逆におききします。換気扇が止まった事で寝室で亡くなられた事故をご存じですか。
>でも山岳用などのテントには・・・
なぜ急にシチュエーションが平地の住宅から高山、テント内部でコンロを使い、最小容積という特殊条件が揃ったテントと比較するのかが、何とも・・・
人は二酸化炭素濃度が10倍になっても死にませんが、酸素濃度が70%になっただけで短時間に死に至ります。さて、ここでしっかり把握しなければならないのは、酸素は大気中に21%、二酸化炭素は0.04%・・・高山はどのくらいの酸素濃度換算(気圧が下がること)ですか?これを条件に計算すれば直ぐわかります。
>私の家は築40年の土壁の和建築ですが、
リフォーム、リノベーションは現地確認が鉄則で、その他の提案・助言は机上の空論になる可能性があるので控えます。現地確認できる専門家にご相談下さい。
>高気密、高断熱でアルミシートでの遮熱がでてこないのはなぜですか?
殆ど意味がないからです。詳しくはネット検索(国が出しているマニュアルや基準)して下さい。
当方の説明でよろしければ
http://arbre-d.cocolog-nifty.com/blog/2010/09/2010-db9a.html
です。
今http://homepage2.nifty.com/arbre_d/news/news2010/2%20_08.html
を見て(やっと)見ました。 「就寝中停電で換気扇が止まっても死なない。」のですか???
でも山岳用などのテントには通気孔があって登山者は窒息しないように寒くても我慢してわざわざ通気孔を開けているし、メーカーもうたっている。
テントにはファスナーなどの隙間が必ずありザルのような状態なのに小さなテントでも直径10㎝程の大きな通気孔が必要なのはなぜ???
すみません。 ちょっと教えて欲しいのですが(もしよかったら)。
私は住宅の初心者で全く知識がなく、この分野に最近興味をもったのですが。
高気密、高断熱でアルミシートでの遮熱がでてこないのはなぜですか? 素人からは有効な断熱のように思いますが?
高気密、高断熱で震災等で長期停電になった場合、空調が効かず、酸素不足(二酸化炭素過多)、結露等の問題が発生するのでしょうか?
私の家は築40年の土壁の和建築ですが、寒いので土壁の外側にグラスウール等の断熱材を貼ろうとおもうのですが、何かいい方法はありますか?
あむ様
>「6帖用」と「10帖用」は全く同じではなく、熱交換器部品とコンプレッサーの諸部品が違うと
私も言われました。
なるほど・・・
ということで数機種を購入している上の研究チームリーダーに問い合わせたところ、
「まだ小さい機種は実験していないのでわからない。ただし、コンプレッサーのインバーター部品は違うようだ。また熱交換器も多少工夫がしてある可能性がある(7kw機種とその下位の機種)」
「実験がおわったら分解してモーター等の品番をみてみようか?」
とのことです。謎は深まりましたw。
メーカーの設計者さんが投稿などで告白してくれると直ぐわかるのですが・・・(^-^;
「6帖用」と「10帖用」は全く同じではなく、熱交換器部品とコンプレッサーの諸部品が違うと
私も言われました。
そこで
そうなら部品番号を教えてくれ と執拗にせまったところで白状したのです。
あむ様
コメントありがとうございます。
>なかなか正直に言わなかったのですが、執拗に聞いたところ、 最大出力で稼働する時間を制限していて、部品は全て同じとのこと。
このあたりがメーカーによって違うのではないかとおもいます。聞いただけなら、昨年の三菱エアコン工場見学で技術者に直接伺ったところ、「6帖用」と「10帖用」は全く同じではなく、熱交換器部品とコンプレッサーの諸部品が違うとと言っておりました。
6帖用と10帖用を分解すればわかるのでしょうね。是非、新大の研究チームに分解して重さや大きさを比べて頂きたいと勝手に思っております(趣味的な事になりますが)。
>だから10畳用を買うなら6畳用を買って他のストーブなどの暖房で補うのがよいと思います。
そうですね。主暖房はとにかくエアコンの小さめで・・・床下暖房の蓄熱使用時は大きめでも安く、高性能であればOKかな?
以前 6畳用 と 10畳用の違いを各メーカーに問い合わせたことがあります。
なかなか正直に言わなかったのですが、執拗に聞いたところ、
最大出力で稼働する時間を制限していて、部品は全て同じとのこと。
6畳用の場合、ナショナルは最大出力30分、日立は60分 とのこと。
今から10年ほど前のことです。でも今も同じでしょう。
だから10畳用を買うなら6畳用を買って他のストーブなどの暖房で補うのがよいと思います。
傘地蔵様
コメントありがとうございます。
>2.8kW 2台の方が色んな意味で良いと思うと薦めています。薦める理由は「デュアルエアコンの薦め」に書いています。
そうですね。
東芝のエアコンは(定格COP/APFの数値を考えなければ)とても良いエアコンです。デュアルのコンプレッサーだけでなく、その操作アルゴリズム(多分、エアコンの設計思想になる)が昔から変わらず、私好みです(だから自宅でも事務所でも「緑の家」でも標準仕様)。
手動設定の時は限りなく手動に近い動きをしてくれて、他のエアコンメーカーに見られる「手動モード」だけれど結局「自動モード」と変わりない挙動がすくない数少ないメーカーです。
また、特に近年は定格COPに拘らず省エネ評価を恐れずに冷媒温度下げて除湿も同時にする冷房となっておりそこが東芝のエアコンの評価の高いところです。(o^-^o)
ただ、トップ機種の声に反応は微妙ですが・・・。
エアコンの能力と価格の関係は、エコポイントの際の区分けにも現れていたと思います。
設置されるエアコンの殆どが 2.8kW 未満のモデルなので、その範囲の目標を高くしていたようです。メーカーも小容量の方が COP を上げ易いでしょうし。
kakaku.com などで市場価格を調べますと、同シリーズでの比較では 2.8kW クラス 2台と 5.6kW クラス 1台の価格が大差ないことが多いです。
そこで別のページに書かれているように、私も 5.6kW 1台より 2.8kW 2台の方が色んな意味で良いと思うと薦めています。薦める理由は「デュアルエアコンの薦め」に書いています。