
「緑の家」らしい年月を感じる色、雰囲気の玄関ポーチ。好みはあれど、時代と共に経過する色・・・そんな味わいの玄関。
まずはこの「緑の家」の9年前の記事をご覧あれ。
上のリンクは7月でも床下暖房を行った時の記事で既に9年以上前のこと。
さて本題に戻り・・・
新築時には銅らしい叩き出しのプレートが・・・

うーん・・・この感じは金で買えない色付き。

雨がかりのある外壁はシルバーグレーに染まり白いサッシが際立つ。

これだから白いサッシを標準色としているのである。
先日の26年ほぼ変わらない感じ(23年目に再塗装)の家で色の変化でいえばほとんどなく真反対になる。

どちらも「緑の家」である。

上の写真の左手にある門灯は今はない笠松電機の定番灯。真鍮でできているため独特の色合いになっている。ガラスのセードはふく等メンテナンスすればトーメイに戻るのだがこれはこれでもよい。


さて、10年目点検のだが、ポイントは建物が不同沈下していないかの確認と屋根の雨漏りが今後10年大丈夫かとの目視点検が主となる。加えて此方はダクト式換気扇を使っているので、個々の風量の再設定である。
まずは建物が水平かどうかをレベルという機械を使って調べる。すると1階2階共に1/1000以内におさまっている。昨年大きな地震がありこの近隣で液状化がおこり傾ている家もあったので心配していたが、全く正常。
次に換気装置であるが、この当時はまだ床下に設置できる機器が販売されていなかったため、天井内設置となっている。SAは5か所ありRAは1か所。SAとは新鮮空気が噴き出されるところで、RAは汚れた空気を吸い込むところ。
SA 中が新品のように綺麗。
SA内部ダクトは10年経ってもまだ新品のように綺麗さを保っている。一方RAダクトはダクト内部に汚れが溜まり掃除もしくは交換がここ数年で必要。RAダクトの空気は基本的には全て屋外排出なので、汚れ自体は居住者に問題とはならないが、汚れでダクト径が小さくなると圧損で風量が変わる可能性があるのでそこは注意。RA、EAダクトは汚れていても、OA、SAダクトさえ綺麗ならば大きな問題はないと考える。
RA RA内部は汚れがひどい。
RAダクトは、換気扇本体の設計寿命が15年なので本体と交換時にこのダクトをとりかえるか、お掃除することをお伝えした。RA口から本体までダクト長さは1mしかなく容易に取り換えができそうである。やはりメンテナンス性は大事である。特にこれを見るとRAダクトは15年に一度交換又は掃除が必要だと考えられるので、現在の「緑の家」のRAダクトはほとんどが床下内で完結しており、ダクト取り替えはとても楽になっている。尚一部ご要望で2階まであるRA口があるが、それは風量も分散されるのでここまでの汚れはないと推察できる。

屋根に上り目視で点検すると・・・屋根は全く問題ないが、外壁の南西側で2か所の木の割れを確認。これは後日取り換えを行う。日射の多い南西側に木の変形が多くみられているが、それらは増しビスをいれて対処することになった。


思った以上に良かったのがこのグレージング。鋳鉄製のためゆっくりした酸化(錆)で色合いがマンホールのように綺麗。

「緑の家」では必ず使う鋳鉄製のグレージング。この風合いになるから指定する。
先回も申し上げたが建築は20年後が重要である。その時を想像して様々な仕様を考えたいと思っている。



この真ちゅうとモルタルの風合いが泣かせる組み合わせ。
この親分的な雰囲気の床が人研ぎ仕上げである。下は出雲崎役場の入り口床で人研ぎ仕上げされている(築60年くらいか)。

流石に人研ぎ仕上げは美しさがちがうし、人の出入りが多いところだけにこのくらい固くないとすぐにすり減るだろう。
屋根は「緑の家」にしては少し複雑な形状。これは2方向から道路斜線ががかかるからである。

