先週の日曜日はスタッフと共に木造の研修に行って来ました。
生漆仕上げの鴨居に鷹のような釘隠し金物
この渡邊邸満喫体験で良かった内容をお伝えする前に悲しかった事をお話しします。上の写真は鴨居の釘かくし用のオリジナル金物ですが・・・
金物の跡だけ残る悲しい写真
ガイドさんの説明では・・・
このように所々金物の無い場所があるのは、誰かに外され持ち去られた為との事です。このような箇所がわかっただけで十数カ所・・・。中には床の間の違い棚飾り棚束まで千切って持って帰る人がいるらしいです。これはとても悲しいことです。
唯一の救いは・・・
この渡邊邸の管理者である「渡邊邸 保存会」の方の明るさです。私達よりとても悲しいのに明るく仕方無いと言っておりました。
また所々使われる鉄鋼による建物補強については、村は反対したそうですが大規模補助金を付けているも文科省の役人さんが「大勢の人にみてもらう建物が耐震性が低かったら問題」とのことで譲らなかったそうです。そこは悔しがっておりました。
浅間 「この渡邊邸はあの新潟地震を初めとする200年間に起こった地震で倒れていないで残っている。一方当時の最先端でたてた県営アパートは軒並みたおれた。どっちの技術が優れているかは歴史が証明している。このような建物は入り口に
「この建物は現在の技術評価で耐震が足りないので大地震時に危険性があるかもしれない。それでも歴史文化をそのまま残したいが故に補強無しで観覧とした。それをご理解頂き入館を願います。」
でよいのではないか?
・・・
さて次は良かった内容ですが・・・
普段は見ることの出来ない秘密の通路や職員しか入られない空間まで案内して頂ける事です。
その前に渡邊邸の平面図は・・・
です。パソコンモードご覧になって図をクリックすると大きな画像になります。
今回のメインは黄色い部分でした。この黄色い部分は隠し通路で主人の寝室から当時の男衆部屋にまで続いており、大きな屋敷には必ずこのような通路があります。さて・・・何に使ったを考えると妄想が広がります。
隠し通路。大変狭く左手には現在の料理場が見える窓が有る。なぜここ窓があるかも謎。一般では気づかない場所。
扉の奥にある階段には職員専用とある。ここから女子部屋に上がる。
そして職員専用の階段を上がると、
女子部屋があり小さい空間ながら置き床もあります。
そして更にこちらの階段を上がると
職員専用の華奢な階段を上る。
当時床が貼られていたと思われる吹き抜け。そのため梁の上端が真っ平ら。
80帖の広い空間の男所があってその先に大きな釜場の上の吹き抜けになっております。ここはダイナミックな空間で一般公開が望まれます。
さてこの続きは次回に。