新潟 高断熱高気密、自然素材の「緑の家」をHPにアップしました。

ここ2年間くらい、当HP上に最近のお手伝いした家のアップをしておりませんでした。が、ようやくアップしました(暫定ですが)。
http://homepage2.nifty.com/arbre_d/otetudai/otetudai.html
なかなか個性的な家が多いのですが、いずれも耐震等級2相当(相当とは、性能表示に申請はしておりませんが、構造計算で同等の耐力があると確認されたこと)。
Q値は1.2W/m2Kから2.0W/m2Kで次世代省エネ基準の2.2倍から1.3倍くらいの高性能。無論、劣化防止や維持管理の容易の性能もトップ性能。基礎下やスラブ下に排水管や給湯給水管を埋め込まない仕様です。

最近、政策研究・提言を業とする「東京財団」という団体から、建築基準法の基準の見直し提言がされた。
http://www.tkfd.or.jp/admin/files/2008-10.pdf
この財団がどのような影響を持つのか不明であるが、現在の耐震性の底上げを要求している。大枠では賛成である。ただし木造一戸建て住宅に限ると、建物の上屋(地盤を除く基礎より上ということ)だけを強くしてもなかなか被害の軽減にはならない。中越地震や中越沖地震を肌で見てきたものととして、建物は強く作ることは無論必要であるが、それと同じように地面(地盤)の安定性が必要とかんじる。新潟県は大きな平野がある。これは、信濃川と阿賀野川とその支流によってもたらされた大地。逆にいえば関東ローム層のような火山灰がつもってできた平野と違い、何度となく押し寄せた洪水によって土が運ばれ堆積した平野である。したがって地盤調査すると、深いところでは10m以上も未成熟の腐葉土(スポンジのような土)で圧密沈下の可能性大である。また、河川周囲には、ゆるい砂質土がサンドイッチされている地域があり、これが原因で液状化をおこして傾いた家が多くある。また一方では、古くからの宅地は少なくなり、丘や山を削って分譲地を造った「長岡高町団地」や「長岡ニュータウン」があり、高町団地では地盤の変形によって大きな被害が発生している。この大きな被害のほとんどは、家がしっかりしているのに、建物が傾くという典型的な地盤被害である。このときの現地震度は6(一部6強)と発表されている。
基準法は無論、住宅性能評価でも、このような非常時の場合の地盤については取り決めがない。さらに、地盤改良を行ったとしても、地震時の不動沈下、液状化については、どんな地盤改良も現時点で保証する工法や団体はない。東京財団の提言では、耐震性能の最高ランクが等級3より良い性能になるような記述(+2)があるが、この性能と共に地盤についての保証や裏付けが安価に取れる仕組みがひつようである。
当事務所の「緑の家」では、ある方からのご要望で、「液状化が心配される所で、地震が来て家が傾くことは仕方がない。傾いた時簡単にジャッキアップできる方法にしたい」ということで、地盤改良をした上に、オーバースペックのダブル配筋べた基礎で造った。この後このような家は新潟市で2年間ずっとご提供してきたが、昨年の鉄筋の高騰で必要な時だけご提案している。このような方法対処方法も良いのではないか?


長期優良住宅の普及の促進と地球温暖化に関わる暖房について。新潟県版

上のグラフでわかるとおり、日本は結構がんばっている。中国が排出量は世界2位だが一人当たりとなると非常に少ない。しかしこの国民の一人当たり消費量が大きなるとアメリカの2倍以上となる。これを先進国は止められる理由がない。今まで使いたい放題だったから。

地球温暖化について2回目の話題として「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」と暖房の面から考える。

昨年12月に決議された長期優良住宅の普及の促進に関する法律は今年の6月頃施行される。内容は「性能の高い家でメンテナンス計画が確立していれば、税金やその他資金の面で優遇しますよ。」ということ。この性能が高い家というのは、当事務所で「緑の家は標準だよ」と申し上げている。「耐震性では性能表示の等級2以上」、「劣化対策では等級3」、「維持管理対策等級では3」以上が条件。無論次世代省エネ基準でなければならない。それらがあってメンテナンス計画がしっかりできているかどうか?で長期優良住宅だと判断される。

私はこの中で一番今後もっとも強化する項目は、次世代省エネ基準だと思う。現在の家の多くが次世代省エネ基準をクリヤーしてきている。「緑の家」は標準で次世代省エネ基準より1.35くらい性能が高い。にもかかわらず、やはり暖房費用は年間12万~10万かかる。このエネルギー価格がまだ安い時代(2010年)でもこの価格だから20年後(2030年)ではどのくらいかかかるか不安になる。

私は7年くらい前の当掲示板に、今後はハイブリッド車がいいよ!って書いている。当時は電気自動車や、燃料電池車も囁かれていたが、私はハイブリッドこそ本命と掲示板で書いている。それが去年から大ブレイク。プリウスは北米で売れに売れていて、国内でもプリウスをよく見る。そして今月ホンダがハイブリッド車インサイトを189万(プリウスは240万)で発表。一週間で1万件の受注となったそうだ。このペースでいけば予言したとおり新車販売の半分は、ハイブリットになるかも。しかしプリウスに乗っている人は、私も含め皆中年以上の男性か、女性がほとんど。若い方や30代の男性が乗っているのを見ないのは・・・。

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話がそれましたが、今後の長期優良住宅の基本は、「Q値0.99以下のコンパクトか断熱区画がある家」です。言い切ります。更に付け加えれば高基礎の愛着がある家です。愛着とは家をかわいがることのできる工夫があるということです。その愛着は緑ともに生まれます。どんな立派な豪邸でも、周囲や庭に「緑」がないと冷たい雰囲気で、とても素敵な家とは思えないでしょう。だから大手ハウスメーカーのパンフレットでも家は木(緑)と共に写ってます。次の子供の世代で間違いなく「水、食料、エネルギー」問題はおきるでしょう。水と食料を我慢することはできませんが、エネルギーは少し家を小さくしたり、断熱性能を上げれば、小さな機器(目標2kw以下)でほんのちょっとの我慢することで、寒いという恐怖から開放されます。事務所設立当初から申し上げておりますが、「寒さ」=「人間の恐怖」です。恐怖があると人は、悪のパワーが強くなります。恐怖がなければ穏やかに豊かに過ごせます。その恐怖の代表が「寒さ」と「飢え」です。昔から日本では「衣食住」といいますが暖かい国では、「食」と「住」でOKです。暖かければ水着のような小さな衣装だけあればよいからです。だから寒いという恐怖から開放する「家」があれば先ずは豊かな気持ちで生活可能です。

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築90年木造民家は、メンテナンスだってしっかりとしてきているのに、解体しようとする人が多い。それは寒いから。寒い家はカビ臭もして陰気くさい、改修してもとても暖かくなるとは想像できないから壊す。民家に住んでいる人は、必ず言う。「夏は快適なのだけれどねー。」という言葉にすべて物語られている。たった90年前でこういう家だ。だから今はそこまでしなくてもねというQ値0.99以下が必要。

さて、そのQ値0.99の家の仕様であるが、基礎の断熱にはネオマフォームクラスで100mm、土間下に〃断熱材で50mm、壁はネオマフォーム50mm+高性能GW100mm、天井はセルローズ吹き込みで450mm。これに全熱交換換気70%以上で冬の換気を30m3/人に設定。夏は0.5回/h厳守だが、冬はこれで十分。残るは窓。窓は大きい窓を除き樹脂サッシにアルゴンLOW-Eで(1.7W/m2h)、大きい窓は〃サッシに断熱補強部材を設ける。これで何とか0.99をクリヤーする。価格は標準仕様より4~5万/坪アップでご提案する。

さて、このSS仕様の「緑の家」を建てて見ませんか?私が今自分の家を建てる事ができるなら、他の部分は4万/坪削ってもこの仕様です。必ず将来よかったと思います。


新潟の住まい 自然素材と高気密高断熱 と古材利用。

古材を使った床の間。ピカピカしていないところが良い。

写真一番上は、三条市大面のK邸の床の間のアップである。この床いたは、Kさんのご両親が、ご自分の家を建てるときに使用できればと思って保管していたのであるが、いざその時に建設会社にお願いすると、「使わないほうが良い」と断られていたのである。その理由はあまり良くない素材で、今の新しい材料のほうが良いということ??

どの古材にも長年使われたきた味がある。特に「緑の家」のインテリアは、無塗装の木。だから古材が新材と一緒でもとても違和感なく納まる。だから私どもはいつでも古材を使うことに賛成する立場(多少加工費やお掃除代は掛かるが)。確かに、新建材や塗装を施した木のインテリアでは古材はあわないだろう。写真にある、玄関部分の床などは違和感なく納まり、非常に美しいと思う。上写真の床板も、腕の良い大工さんの仕上げ直し(お掃除)でケヤキ本来の良さが戻った。後日談ではあるが、ケヤキを仕上げるかんなの歯を研ぎ出せるかが心配だったらしい。ケヤキはとても硬い木で普段かんなをかける杉やヒノキとは違う「歯」研ぎをする必要がある。昔はケヤキを良く扱ったのだけれど最近はないので、その研ぎ感覚を思い出すことができるか?という心配事である。

さて、Kさんとは見学会でご縁があったと記憶している。当初から愛犬のスペースのご要望があり、2箇所計画した。そのひとつが玄関横の床下部分。床上より若干温度低くなりがちではあるが、何しろ広く空間が取れえる。もうひとつはリビングの一角でテラコッタタイル貼りの部分。テラコッタ自身は素焼きであるため、汚れが残りやすい。そこで表面に撥水加工のあるテラコッタをチョイスした。既製品では軽すぎる質感が好きではないので、棚や台、大きなテーブル、洗面台などは造りつけである。


高気密高断熱で家中暖房は不可能を可能にする。BY新潟


2009.02.09写真更新

真っ白い簡素な浴室。この状態で18年経つ。白一色の浴室は、タイル貼りではなく、「ビニコート」という塗装仕上げ。下地はフレキシブルボード。所謂左官工事を省いたローコスト仕上げ。

ある自然派推進サイトの人は、「浴室に白い色を使うのには愚の骨頂。カビが生えて見るも無残。だから最初から黒っぽい色を使う事をお勧めする。」といっていたような記憶がある。

浴室のカビが生えやすい時期は一年で2回ある。昔は梅雨時だけだったが、今は冬に結露や乾燥しにくくこれが原因でカビが多く生える。最近は冬のほうがカビが生えやすいといえる。

しかし、全室暖房(浴室乾燥機ではない)をする住まいでは、浴室でも半日で乾燥するので冬の方がカビは生えない。勿論浴槽にいつも水がある状態ではそうとは言い切れないが、普通につかえば壁や天井にはカビは付かない。

恥ずかしい話だが、毎日一生懸命掃除しているのではない。壁は床から1mくらいのところを、2ヶ月1回するかしないかのペースで軽くこする。2m以上高さの壁や天井は、竣工以来一度も掃除していない。( ̄○ ̄;)!

床はさすがにピンク色の酵母が生えるがここも一週間に一度くらいペースだと酵母もお目にかからない。こんな感じである。そういえば、よく海外の映画では寝室の一角に浴室がある。よく湿気っぽくならないなーと思っていたけれど、先進諸国の家は家中暖房があたり前だね。今までの常識が常識でなくなるのが「高気密高断熱住宅」の家中暖房である。今でも冬の浴室はじめじめとおもっている人は体験して見て!!論より証拠

床がところどころ黒っぽいところがあるのは、最近床を青いビニコートから白いビニコートにしたため。これは自分で施工したが、密閉空間トルエン中毒で倒れてしまった・・・。最後はほとんど記憶なし。(*^-^)


新潟市 小新の 住宅(高断熱高気密自然素材)見学会にお越し頂き感謝します。

17日18日にお越し頂いた皆様には、感謝したします。特に建て主様のご友人様には大勢お越しいただきまして、改めてお礼申し上げます。

上の写真のとおり、日曜日もこんな晴天で行われました。熱反射ガラスに青空がびしっと写ってます。

さて見学会で次のことを学びました。

1.晴天で室内温度26度(相対湿度30%)近くになる急激な温度変化環境では、「性(しょう)」の悪い自然素材の無垢の木が悪さをする場合がある。お越し頂けた方に説明が難しい・・・。

2.緑の家は、耐震性、耐久性、メンテナンス性、快適性、触感、臭感、ローコストのバランスの良い仕様。従って、すべてに高次元である部分に特化していないことの説明の難しさ。

3.無塗装の床はやはり良い。

です。

1.はなかなか難しい課題です。「緑の家」では、造作材(窓枠、扉枠)に杉のKD材18%以下を使っております。KD材とは乾燥材という材料で、特に釜で人工乾燥させた材料のことです。ですが、中には乾燥しきれない部分があり、それがこの急激な温湿度変化で乾き、反ったりしてしまうものがあります。通常は1件で1本くらいですが、時には2から3本くらいあり、見学会中におこると修正ができなく苦労します。なるべく性のいい木を使ってほしいのですが、こればっかりは、材料を製材する場面にいないとわかりません。

3.はお越し頂いた方に伺ったのですが、その方は8年前に家を建てやはり無垢材の床にされたそうですが、表面に「柿渋」を塗ったそうです。それはそれで気に入っていらっしゃるのですが、やはり8年くらいでところどころ剥がれてきて、まだら模様になっているらしいです。柿渋は床に色をつけているので、剥がれるこのころが一番見苦しいころです。ヒノキの「無塗装床」では、その時期が1年未満にくることが多く(多くが水しみによるもの)、艶が出てくる2から3年後から安定します。どちらがお好みかでしょうか?やはりそのままが私は好きですが、茶色系を望まれるか方は、やはり着色が選択肢の一つでしょう。金額が高くてとも良いとおっしゃるかたは、こんな色付無垢床もあります。


住宅のメンテナンスは床下がほとんど。

先日築1年経った家のメンテナンスに伺った。特に重要視するところは、「緑の家」の床下。左の写真は床下のもの。配管や排水管が露出され、誰でも見ることが可能。加えて、お分かりの通り明るい。人は暗いところには、なかなか行きたがらない。この床下は、照明器具が配置されているので、明るく乾燥している。住宅は床下に配管や電線が集中している。加えて湿気やシロアリの害を受けやすい弱点が集中するする部分。中越地震後の被害地に建つ家のメンテナンスに行ったとき排水管が少し外れていることに気が付いた。緑の家のような家中の床下が見れる構造でなければ、気がつかなかっただろう。見逃せば、後々木が腐ったり、カビ臭が出てくる。普通の家は、床下隅々まで簡単にはいけない(ご自分の床下を見たことがない人がほとんどのはず)。

ユニットバスの下の配管を見たことがありますか?下の写真は、ユニットバスの下の配管部分。人の大きさと比べると如何に余裕を持ってメンテナンスできるかがわかると思う。光ファイバーの増設でも床下で配管すれば、設置業者さんもらくらく。勿論、1階の床面積の1/2まで床下収納にも使える。くまなく床下を動けるように計画され且つ財団法人住宅保証機構の基礎計画を守った立ち上がり人通口(人が行き来できる開口部)も重要点。最近は床下を使う家も増えてきているが、基礎の構造計算や計画はとてもずさん。本当にこれで大丈夫なの?という基礎も多くある。普段目にしない床下の構造まできっちり美しいのが「緑の家」である。


光る床!

今日築8年を経た「緑の家」I邸に撮影のため訪問させて頂いた。

家の撮影なら新築の家が被写体になるのが普通。ところが「緑の家」では、築年数を経た家のほうが美しい部分が多い。その代表がヒノキの無塗装の床である。写真は光が床に反射して輝いているのがわかると思う。実はこの艶は、8年の歳月で自然と出てきたもの。通常1年目から出始め、5、6年で深みがあるくらい光る。お手入れは特別必要ない。裸足でよく歩いてもらうだけ。足が多く触れたところほど光る。この状態になれば汚れもつかない。(多少吸湿感も落ちるが、たたみもそうであるように素足になじむ)

新築時は、赤ん坊のようなピンクの床が、こんな感じで「飴色」になる。そしてさらに数十年たつとお寺さんの床のように茶色くなってくる。そんな床が「緑の家」の無塗装の床だ!!

ちなみにI邸は2年までご夫妻だけの住家であったが、この2年間はお孫さんと同居している。多少へこみも増えたが、トップクラスの美しい床をもつ「緑の家」。お忙しい中、撮影ご協力して頂きありがとうございます。

この写真は、新築時の「緑の家」のヒノキの床。このピンクも良いし、あめ色もよい。しかしシグマのSD14で撮った写真は、色や質感を忠実に再現する。


「緑の家」が目指すものは?その3

その1とその2で「エコ」を批判するような内容をUPし、眉をしかめられた方も多いと思う。しかし、調べるほどやはり大きなメーカーが力説する地球温暖化防止(エコロジー)は、本来の内容から外れる気がする。我々庶民が行うべきは地球温暖化防止ではなく、地球温暖化が進んだときの対策であり、エネルギー枯渇(高騰)の対策である。無論、温暖化がゆっくりになる行為もできる範囲で行いながら・・・。

政府(行政)主催のごみ削減会議や環境対策会議がTVで映し出される。そこでいつも違和感を感じるのは、机の上にずらっと並んだペットボトル飲料。そもそも環境対策で重要なのは、ごみを造らないことである。昔みたいに湯のみにお茶ということにならなければおかしい。いくらリサイクルの優等生のペットボトルであってもまずは、使う量を減らすことが第一。間違った男女平等思想でお茶くみ排除よりも、得意な方面を生かすことが本質。お茶は入れることが得意な人が行えばOKで、もしそれが女性ならその人が行うことが自然である。お茶くみ=雑用という発想はおかしい。お茶入れ=もてなしであり、当事務所でもとても大事にしている行為で、私自ら率先してお出ししている。よく私は訪問させて頂いた先のお茶がおいしいと感動する。味はそのもてなし度に比例し、おいしいものを差し上げたいという気持ちがなければ決しておいしいお茶にならない。せめて行政が率先してそんな昔ながらの日本人気質を思い起こす行為を行って頂きたいと願う。

「緑の家」の高い性能は、経済性重視の「備え」型住宅で、必ず建て主さんのメリットになる性能を備えていると今までどおり宣伝し、「地球温暖化防止」や「エコ」、「地球に優しい」という体裁のよい言葉は使わないようにしよう。(最近リメイクしたカタログにはエコロジーという言葉がひとつだけ載っているが・・・。)

ここから余談

最近バイオエタノールという言葉を多く聴く。今日もニュースで全農協が新潟県でバイオエタノールのプラントを始動開始!と流れた。年1,000KL生産するという。もしリッター100円がプラントの販売価格だと年1億円の売り上げ。プラント工場には十数億円投資されたと言うが、採算が取れるのだろうか?リッターあたり100円くらいだと運送費、税金、販売店利益で末端価格は200円/Lだろうか?ガソリンより高ければ売れないと思う・・・。もしかして世界的にガソリンの価格が上がっているはそのせいか・・・はて?。

左の図は日本のエネルギー自給率。「恐怖」を感じる。


7月も終わりますね。

今日で7月は終了。なかなかカラッとした夏にならなくて少々不思議な気分です。朝夕は涼しいくらい。

さて、「緑の家」で夏を始めて過ごす方も、もう何度も過ごしている方もいつも考えるのが、エアコンを可動させるタイミングだと思う。私のスタイルは・・・事務所では熱帯魚がいるため24時間空調を止める事ができない。熱帯魚というと夏の温度上昇には強いと思われる方が多いと思うが、水温が30度を超えるととたんに生命の危機になる。多分35度になればほぼ全滅。これは水温上昇とともに溶融酸素濃度が低くなり、また低温やけど状態になるらしい。そこで30度以下になるように空調を掛けっぱなしにする。

拙宅の方はといえば、これまた愛犬(18歳)がいるので空調しっぱなし。愛犬は暑さにめっぽう弱く、年のせいもあって28度以上は厳しそう。だから私の生活のほとんどが空調のなかである。

緑の家に住む方の話を伺うと、男性は空調機賛成派で、女性はどちらかというとできるだけ非空調状態持続派らしい。夏の過ごし方は基本的にどのように過ごされてもOKではあるが、普通自然素材はカビが生えやすいのでその管理だけ注意してほしい。カビが生えにくいのは人工素材がの方が圧倒的多い。しかしカビといってもそう毛嫌いする事はない。多くの公園や森林は、家の中より圧倒的に空気中にカビが多い(詳しくはここ)。にも係らず、多くの人が「気持ちよい」と感じている。つまり空気中のカビや地面等のカビは、周りの他の気持ちよい風景や静寂さより優先しないものである(健康な人には問題ないということ)。まあカビ臭はご勘弁願いたいが・・・。


中越沖地震の結果報告と木の外壁

2008年3月11日写真の入れ替えをしました。

まず中越沖地震の結果報告から

国土交通省所管の研究施設の槌本研究官の報告書によると、「築50年から60年くらいの木造家屋の倒壊が多く、築30年くらいの建築物で倒壊したものは、納屋、車庫、倉庫などの住宅以外だったことがまとめられた。新しい建築物で被害を受けたものは、ほとんど地盤によるもので、地割れ、地すべり、液状化によるもので、地震振動で被害を受けたものは稀であった。つまり震度6強では、建築基準法が定める壁量充足率70%であれば倒壊の被害が無い事がほぼ確認できた。」としている。

この結果は、当初から予測していたとおりであり、建築基準法を楽にクリアーする家であれば、震度7くらいまでは倒壊がないともいえる。但し地盤に問題がある場合は、震度6でも倒壊または全壊する可能性がある。(傾きが大で使用不可になる事での全壊という意味)。また、建築基準法の壁充足率のチェックを行って安全確認が出来ている場合が前提である。(大部分の木造2階建ての建物はしていないのではと思うが)

次は「住宅と木材」という財団法人日本住宅・木材技術センター発刊の月刊誌の記事である。

その同じ号の記事である建築設計事務所代表の書かれた記事で、「先日、築1年の木造住宅を見に行った時、素敵な建物と思ったが1点だけ?と思った。それは、外壁に使われている杉の板が塗装されておらず、黒ずんでいた・・・略。ノルウエーでは木の外壁に塗装は当たり前で・・・略」といった文章を目にした。私がお手伝いする建物も外壁に杉を使う場合、塗装はしない。私の知る限り近隣の寺や神社も木の外壁で塗装していることを見たことがない。外壁の木が黒ずむ事は、カビが生えると共に木自体の色が紫外線で退色したためである。しかし黒ずんだからといって、機能上(風雨をカットする事)の問題があるわけではない。腐朽菌に犯されると木はあっという間にその機能を果たせなくなるが、黒ずむカビは、通常腐朽菌ではない。日本にはノルウェーと違った日本の木の使い方がある。日本は亜熱帯、モンスーンのような梅雨時と、氷点下以下が幾日かある準寒冷地をあわせもった地域が多くを占める。だから何もしなくて(雨が直接あたらなくて)もカビが生えてしまう梅雨の季節が日本にはある。そこで先人達は、屋根を大きく造る事で木の外壁を腐朽菌だけから守リ、木が黒ずむ(一般カビ菌)事は良しとした。一方ノルウェーはどうかというと、下の図のチューリッヒくらいの気候に相当するが、何もしなくてもカビの生える季節は少なくい。よく言われるが日本はある意味カビの文化。味噌、しょうゆ、かつぶしなどカビとうまく付き合ってきた。害のないカビなら特に気にして排除する必要はない文化だったのかもしれない。だから、木の外壁に表れる黒っぽいカビは、全然気にしなかった。世界最古の法隆寺の茶黒い色の柱を見て「汚い」と思う人は少ないと思う。この記事を書かれた人は、文化と気候、自然の関連付けが深くなく木を愛していない人ではないかと思ってしまう。

ターシャ・テューダーという有名な絵本作家がいる。その人の家や庭は世界中から高い評価を受けている。その木の外壁の家は、塗装という人工的な色はない。庭の花、緑達が一番輝くように、そのままのうす黒っぽい色である。私も木はそのまま黒茶っぽくても美しいと思う。塗装などしたら、破棄する時や、再利用が簡単では無くなるし、大自然のカビの前ではむなしい程、無抵抗であるし、実際生きている立ち木の幹の色も同じような色とである。自然を愛するならこの色を塗装する必要があるかな?

左上の図は、日本がいかに湿気が多い夏をであるかの図。新潟より寒いと感じる仙台でも夏には湿性カビ発生範囲に入る。

下はナチュラルガーデンで世界的に有名なターシャの家。一方その下はご近所の木の倉庫。築50年くらい?同じような無塗装木の色をしているが、両者の外壁色は同じにもかかわらずちょっと印象が違う。そう、ターシャの家が雰囲気が良いのは、緑に囲まれるとこの木の色が自然な色だから周囲に溶け込む。よく見ると自然の立ち木の幹と同じ色の木の外壁。だから私は、家の木の色を人工的な色に塗るより、無塗装の木の色で周囲の緑や花を増やす事で環境に配慮した家造りを大事にしたい。(木製サッシだけは別。機会があるとき別話題で)

 


講習会から ②

02.29 青字加筆

この講習会は、「今後社会の変化にあった商品を共(建設会社と建材商社)に提供しよう」という目的があったようです。ではその今後の最大の社会変化とは・・・、

最大の変化は、もう巷で何百回も告知されているとおり、未曾有の高齢化社会になる事。新築や建替え住宅の着工棟数は今後急激に減少。しかし、別なニーズが増えるそうです。それは高齢者が快適に住むことの出来る家のリフォームや改築です。

高齢者住宅で肝心な事はよく「バリアーフリー」といわれます。このバリアフリーは床に段差をつけず、手摺が要所あるという物理的事が頭に浮かびます。しかしそれと同じくらい大事な事が、「温度のバリアーフリー=温熱環境が良い」という事です。暖房期間が半年を越える新潟県では、いかに暖房期間を快適に過ご事ができるかが重要です。私には高齢の母がおりますが、昔は寒くても全く問題なかった人でも、今ではほとんどの居住空間(居室からトイレまで)を暖房します。居住空間の全てを暖房しないと、そうしてもヒートショックが起こり体調を崩してしまいがちです。この居住空間全ての暖房するためには暖房費が多くなる傾向があります。それを防ぐため高いQ値(高気密高断熱)の家が必要です。また、コンパクトな家にする改築する、家の内部で断熱区画を造るという方法も有効です。広い家に住みつづけたい人はQ値を1.0W/m2K以下にする事がポイントです。(断熱区画やQ値の事は以前のブログか当HPをご覧ください)

数年前に灯油式のFFストーブや灯油式床暖房を設置された人は、今は少々複雑な気持ちと思います。それは、灯油がここまで値が上がると想像していなかったからですが、このような高価な灯油式であっても、Q値が高ければ燃料代は抑えられます。まずは暖房方式よりQ値の良い家を計画することです。

他の留意事項として、家の内部はメンテンスはあっても良いと思いますが、家の外部はメンテナンスしなくても、家の機能が満たされる事も重要です。このような家造りを私は応援したいと思います。

因みにHP上にある25日に申し込み締め切った一回目の補助金が、一軒(36~40坪)当たり100万を超える申請になりそうな事がわかりました。性能評価にコストがかかりますが、現在計画中の方はこの補助金の利用をお奨めします。但し環境と設備設計の若干の専門知識、そして性能評価申請を設計できる建築士が条件です。


家は何もかも昔のままが良いのではない。

戦前までの日本の家内部は、それなりに手入れが必要であった。一日一回はほうきで床(畳)を掃き、一週間に一度は廊下の水ふき、そして一年に2回は畳をめくっての大掃除。紙障子も数年に一回は新しく新調された。この習慣は、「メンテナンスフリー」そして「使い捨て」という価値観が高くなるにつれてなくなり、ついにはいつでも綺麗、お掃除不要とか抗菌とか安易なリフォーム(クロスの張り替え)でほとんど住まう人が手をかける事がなくった。

10年以上も変わる事のない樹脂でコーティングされた綺麗だけれど冷たいフローリング床。道路の舗装が進み砂埃がなくなったのでお掃除は週1回となり、畳めくりは、化学畳(藁床ではない断熱畳や防虫シートをはさんだもの)を使っている事や、和室にTV等多くの物があるので移動が面倒くさくなり、なくなった。メンテフリー、手軽さを求め家の内部のほとんどが石油製品を加工して造られた物を使っている。こうなると石油製品に偏り過ぎた反動があり、ある人々は石油製品を使わないものを強く求める。

例えばログハウスやほとんどの材料を自然素材に拘った住宅など。これ自体は賛同でき、私もそう共感する。しかし昔のものが良いとしても、住み方まで昔のようにできる人は、ほとんどいない。冬はやはり暖房するし、家電製品も多く使う。昔の生活は、電気のブレーカーが20AでOKだった。しかし今ほとんどの新築の家は60Aを下らない。電気使用量が増えるという事は、その使ったエネルギーのほとんどが最終的に熱や水蒸気となる。生活環境が変わったのに、それを無視して昔の工法や材料のまま家を建てると、内部結露やカビだらけの家となる。しかし自然派重視の家を宣伝する雑誌などには、今でも平然とこの生活環境が変わったことを無視して、昔のままの工法(防湿シートがない家)がよいといっている。これは専門家としての努力や見識が足りないと感じる。

暖房すれば室外より室内の方が水蒸気圧(所謂湿気)が高くなり、結露の可能性が高くなる。そもそも自然界に存在しない20度以上温度差が空気中に存在する「暖房」という行為において、その互いの空間の隔つ壁を、自然素材だけで作れると考える方がおかしい。冷蔵庫の外皮が自然木で作れるか?と同じ事。また土壁は断熱性能が低いので、今の基準の断熱性能得ようとすると30cmくらいは必要(断熱性能が低い家は、家中暖房が不可能なため内部、表面結露は避けられない)。

いつもTシャツ一枚で過ごしている人が「私は夏に冷房を使わない」と言っても、来客がネクタイを締めてくれば冷房しないわけにいかないし、その家を次に継ぐものが冷房を必要とする可能性は高い。そのためにも高い断熱性能は必要。つまり、家は社会資産であるため、多くの人が望む性能が必要だと言う事を理解する事が重要。

しかし今でも多くの建築士や家を造る者、自然派雑誌やその団体とかが「自然素材で造られ、昔のままの工法だから健康に良い。」等と声高らかに語たる。大変残念な事である。


おいしい空気の値段

水を一日10kg飲むことは難しいが、人は一日に空気を体内に10kg以上入れる。これほど空気は多量がゆえ影響を受けやすいが、身近過ぎて忘れがちなもの。今日のニュースで空調機メーカーのダイキンの現代人空気感調査のよると、「おいしい空気を得るために出しても良い金額が月1144円であるとのアンケート結果だった」とあった。この数値はなかなか的を得ている。今の住宅では、法律上24時間換気が義務化されている。この24時間換気は少なくとも、電気を使いモーターで室内に空気を入れたり出したりしている。(新潟県では排気に動力を使う場合が多い。)この24時間換気システムの消費電力は、「緑の家」の標準換気システム場合で400円/月である。一方熱交換換気システム(所謂ロスナイ等)を使った場合は、セパレート型で1200円/月、集中型で2500円/月程度かかる。先ほどの調査結果が1144円なので、セパレート熱交換換気システムの1200円とほぼ同じである。すごいバランス感覚である。

次に「心地よい空気が流れている場所」についての結果は、なんと「屋久島」が一位である。ついで日本アルプスとなるが、先回のブログでご紹介したとおり公園や森など湿気が多く森としての代謝が活発に行われているところは、カビの胞子が室内空気の60倍も多い。これをどう見るか?屋久島の森は、いつも靄がかかるような多湿で人間が住むには過酷な空気ではないとか思うが、心地よい空気が流れているというのは、その場所の雰囲気から決定されるのだろう。おいしいと感じるのと体に良いかどうかは同じではないと思う。


最近のハウスメーカー

2011.01.24加筆緑字

当ホームページの「住宅最新NEWS」に取り上げたが、ひょんな事からある大手プレハブメーカーのHPへ訪れた。すると「基礎断熱工法を取り入れ、床下に蓄熱暖房機を設置し・・・」等とオーブルでは見慣れた言葉の商品があった。しかしこの商品では5年後にはクレームが多くなり、消滅商品になると私は推測する。というのは、床下に暖房機をを入れるのは快適性と衛生面との諸刃の剣となるから。詳しくは上のコラムを読んで頂きたいが、簡単に説明すると、「床下は絶対と言っていいほどお掃除する事の無い空間。そこに新鮮空気や暖房空気を循環させたりする事は、不衛生極まりない。新築時は良いが、10年も経てば昆虫の死骸などは至るところにあるだろうし、塵や埃、時にはカビもあるだろう。そんな空間の空気を室内に循環させてどうするつもりなのか?一番綺麗な空気は外気で、それをいかにダイレクトに入れるかがポイント(定期メンテナンスのされたクリーンルームは例外)なのに・・・。また床下はそのほとんどがコンクリート。このコンクリートは長い間「灰汁臭」と呼ばれる独特の異臭を放つ。本気で大量販売する商品とは思えない。どうしたの大手プレハブ!!また得意の数年で方針(商品)転換か?


2009から床下暖房を推進する立場に変わりました。
なぜか?
まず最初に、床下暖房の家は床下には上のような換気扇がありません。
これは・・・
床下エアコンが夏は除湿も行ってくれるからです(冬は暖気を送り込む)。
建築当初の特に1年は、コンクリートから湿気が多く放散されており、これを排
出する目的及び床下の灰汁の匂いが室内に侵入する事を防止するため換気扇を設
置しておりました。
ところが定期メンテナンスで伺っている時に、床下を積極的にお使いになってい
る方の家の床下が匂わないことに気づきました。積極的に使っていない家はやは
り灰汁匂いがします。つまり、床下に換気扇をつけてもまんべんなく床下の換気
がされているのではなく、ある一部だけが換気されている状態なのでしょう。当
たり前ですよね。1階床と床下は気密処理されていないので好き勝手な隙間から
床下へ給気され、それが仮に床下換気扇の近くだったらショートサーキットされ
床下内でまんべんなく換気が期待できないからです。
一方積極的に使われる家は、まんべんなく床下の空気が入れ替わっているため、
灰汁の匂いがしません。確かにコンクリート打放しの家(RC住宅)でも、一年く
らいたてばあの灰汁匂いは殆どしませんから。
ようは私の間違いだったのでしょう。これで床下内空気が綺麗と言えるためには
行う事は「定期的の掃除」だけになります(防腐防蟻剤塗布は論外)。
こちらは高床なので簡単に解決でき、それで今は床下暖房を勧める事ができるよ
うになりました。
以上修正し訂正させて頂きます。

電気自動車、バイクの難しさ。

私が最初に運転した乗り物は原付の「パッソル」(ヤマハ製)。当時はホンダのロードパルがヒットし、原チャリのブームが始まった頃。しかしロードパルではあまりにも・・・と思い、発売されたばかりのパッソルを買った。(ぺスパがほしかったけれど、価格が高くて手が届かなかった。)それから25年以上経ち一時廃番となったパッソルが電動バイクとして帰ってきたニュースを見たのが2年前。ほしいなーと思いつつ20万は高いと見守り続けてきたが、この度、販売中止のニュース。原因はバッテリーの耐久性に問題があったようだ。携帯電話やノートパソコンで体感していると思うが、バッテリーは比較的寿命が短い。2年くらい使うとヘタリ、2~3年くらいで当初の半分くらいしか使えない。パッソルも同じだったようだ。バッテリーは高く2~3年で交換していたら維持費がとても現実的ではない。携帯やノートパソコンのように途中で使えなくなっても諦めがつくが、バイクという用途から、途中で止まったら押して帰るか、運搬引取りとなる。これがクレームとなったらしい。

ではバッテリーで動く自動車といえばプリウス!!これが現在も大ヒットしていて更に販売車種の拡大を狙う事ができるのは、充電をするプログラムが優れているから。乗っていても思うし、トヨタさんの情報でもプリウスのバッテリー消費や充電のの仕方は、そのほとんどが最大容量の半分前後で頻繁に行われる事による。つまり満タンや空にほとんどしない。(1週間1回くらい強制満タンモードが行われる。)このようにハイブリッド車は、車に仕込まれたソフトが何時充電するかを決めるので持ち主は関与しなくていいし、関与できない。ところがパッソルを始めとする純然たる電気自動車(バイク)は、充電を所有者の判断で行う。すると最適な充電方法から外れバッテリーの寿命を著しく縮めてしまう。満タンにしなければ走行距離が縮まるので何時でも満タン。この充電方法ではやはり限界は500回から1000回でバッテリーがおかしくなるのであろう。(携帯電話のように)つまりバッテリーの高容量が安価出来ないかぎり、電気自動車が主流になる可能性は低い。バッテリーの状況を踏まえ現実的な提案をしたハイブリッドの開発者には拍手してあげたい。

PS今年から自家用ハイブリッド普通車には国からの補助金が出なくなったことは残念。写真はハイブリット車の充電や放出を示すモニター。


無添加=安全か?

最近「無添加です。だから安全です」と大々的に広告しているものの多いこと多いこと。そもそも無添加という言葉は広辞林(20年前)には記載されていないが、添加とは次のように記載されている「添加=働きをよくするために添え加える事。また添え加えること」つまり添加物とは本来よい働きするものである。しかし現代はなぜか添加物というと悪いイメージとなる。その色眼鏡的な感覚が問題である。

添加物というと真っ先に思い浮かぶのは、「食品添加物」である。この食品添加物の定義は「加工食品をつくるときに使われる水以外の原料のうち素材となる食品の他に使われるものを食品添加物と考える事ができる」(日本食品添加物協会より引用)。ところが添加されていてもその添加物が通常食品として食べられるものは、添加物と呼ばない。例えばかまぼこの中に塩やお醤油が微量はいっていても、これらは通常食品であるため添加物ではないそうだ。ここでキーポイントは「加工食品」ということと、「素材となる食品の他に使われるもの」ということである。加工=人間の手を加えたものとすると、加工食品の逆は自然食品となる。つまり自然のまま使えば添加物という定義はあてはまらない。建築では添加とか無添加かの定義は無いが、あえて強引にあてはめると、無垢のヒノキの床板は、加工されていないと考えられるので本来添加、無添加などという言葉は当てはまらない自然材料だ。緑の家ではこの床を使うが、ヒノキの床板が汚れや水シミが気になるからオイル塗るという事は、加工品となり、オイルがヒノキ床材に対して添加物となる。でも使う場所によっては必要な加工である。更にオイルの中に、オイル以外の成分物を添加すればそれもまた添加物となる。しかしオイルのなかには食品である亜麻仁油ように酸化発熱しやすい物があり、それを抑える物質を入れなくれば直ぐに消費期限となったり最悪発火したりする可能性もある。添加物があるおかげで安全性や使いやすくしているのである。従って単純に添加物=危険、無添加=安全とはいえないと感じる。

自然素材のままだから優れていることは無い例として昔の土壁である。土壁は、本来、田んぼ土が素材である。しかし土ばかりであるとヒビが入りやすいのでわらすさを添加している立派な添加物入り加工素材である。無添加物ではない。この添加物のおかげでよい土壁ができる。

ここから下加筆2008.08

添加物に対して正しい知識をもつ事が重要のように、家も正しい知識(法律厳守が最低基本)を守るビルダーが良く、イメージや言葉に踊らされないように。


暖房器具としてのエアコン その4 「その未来」

「暖房器具としてのエアコン その4」は「その未来」とする。多少希望的推測や間違いがあるかもしれない事を前提で申し上げる。今後エアコンは暖房器具として普及するのか?については、「YES」だと思う。私達21世紀の最大のテーマである地球温暖化防止は「待ったなしの対策をしなければ、今の生物にとって過酷な状況となる」とその分野の研究者は口をそろえる。一方日本は高齢化社会がピークを迎え、老人だけの住まいが多くなる。化石燃料の枯渇がまだ訪れていなければ(←希望的推測)、暖房という快適性を捨てられず、住宅内では暖房する事になるであろう。そのとき必ずエアコンの最大の特徴であるその効率の良さと、他の燃焼器具式の暖房器具にはない火災防止の安全性で、一番普及する暖房器具となるであろう。日本建築学会で発刊された「日本の住宅におけるエネルギー消費」の中の、住宅のエネルギー消費の推移によると、2050年には1990年に消費されたエネルギーの69%までに削減するシミュレーションがあるが、現在の科学では、暖房の快適性を維持しながらエネルギーを削減できるのはエアコンしか見当たらない。そのため、シミュレーションではエアコン暖房が前提で、そのCOPが8と設定されている。これは他の暖房器具は直接「石油」や「ガス」を直接燃焼することで暖房としているので、使う分だけエネルギーが消費され、使う量を減らさないとエネルギーが削減できない。つまり暖房を我慢しなさいということであるが、エアコンはそのCOPが高くなれば、同じ暖房量を使ってもエネルギーが減るというマジックみたいな現象が得れるからである。だから国をあげて暖房器具はエアコンを使う事を推進するであろう。でも電気は効率が悪いのでは?と感じる方には、掲示板でもご案内したとおり、電気の一次エネルギーへの変換効率は0.37である。つまり石油の持っているエネルギーが100%とすると、発電所では電気に変換されるものは43%しかならず、且つ送電線で5%のロスがあるので、家庭では、37%(0.37)のエネルギーしか届かない。しかしそのエネルギーをCOP8のエアコンで使うと0.37×8=2.96となり、直接家の中で石油を燃やして暖を取るより3倍良い効率で石油を使う事ができるということ。だから電気のエアコンは非常に効率の良い暖房ができる。

Q値と呼ばれる家の断熱性能を高くしなくても、灯油を直接燃やして暖房するパネルヒーターや電気を直接熱に変える蓄暖から、COP7(実通年COPを4として)くらいのエアコンにするだけで0.37×4=1.48と1.5倍も二酸化炭素量を減らす事が可能!!すごい!!

このことから、エアコンの暖房は今一番注目されているエネルギー削減とも言えるだろう。唯一の問題は、その3でとりあげたとおり、連続暖房して頂かないと暖かく無い暖房器具ということであろう。しかし連続暖房はエネルギーが増加する事になる・・・。解決は家の断熱性能を上げることであろう。だから「緑の家」では、Q値0.99w/m2Kを設定する事にした。

下表、図は2008.5月に加筆。日本建築学会の委員会が想定した、42年後の暖房機やそのエネルギー消費。いかに暖房エネルギー(&給湯)が大きいかわかるグラフ。暖房機はエアコンでCOPが8になると推測。将来の暖房はエアコンであるといえる。一般的にエネルギー浪費と思われている冷房時のエアコンは全く問題ないといってもいいほど小さい。


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