ここ2年間くらい、当HP上に最近のお手伝いした家のアップをしておりませんでした。が、ようやくアップしました(暫定ですが)。
http://homepage2.nifty.com/arbre_d/otetudai/otetudai.html
なかなか個性的な家が多いのですが、いずれも耐震等級2相当(相当とは、性能表示に申請はしておりませんが、構造計算で同等の耐力があると確認されたこと)。
Q値は1.2W/m2Kから2.0W/m2Kで次世代省エネ基準の2.2倍から1.3倍くらいの高性能。無論、劣化防止や維持管理の容易の性能もトップ性能。基礎下やスラブ下に排水管や給湯給水管を埋め込まない仕様です。
最近、政策研究・提言を業とする「東京財団」という団体から、建築基準法の基準の見直し提言がされた。
http://www.tkfd.or.jp/admin/files/2008-10.pdf
この財団がどのような影響を持つのか不明であるが、現在の耐震性の底上げを要求している。大枠では賛成である。ただし木造一戸建て住宅に限ると、建物の上屋(地盤を除く基礎より上ということ)だけを強くしてもなかなか被害の軽減にはならない。中越地震や中越沖地震を肌で見てきたものととして、建物は強く作ることは無論必要であるが、それと同じように地面(地盤)の安定性が必要とかんじる。新潟県は大きな平野がある。これは、信濃川と阿賀野川とその支流によってもたらされた大地。逆にいえば関東ローム層のような火山灰がつもってできた平野と違い、何度となく押し寄せた洪水によって土が運ばれ堆積した平野である。したがって地盤調査すると、深いところでは10m以上も未成熟の腐葉土(スポンジのような土)で圧密沈下の可能性大である。また、河川周囲には、ゆるい砂質土がサンドイッチされている地域があり、これが原因で液状化をおこして傾いた家が多くある。また一方では、古くからの宅地は少なくなり、丘や山を削って分譲地を造った「長岡高町団地」や「長岡ニュータウン」があり、高町団地では地盤の変形によって大きな被害が発生している。この大きな被害のほとんどは、家がしっかりしているのに、建物が傾くという典型的な地盤被害である。このときの現地震度は6(一部6強)と発表されている。
基準法は無論、住宅性能評価でも、このような非常時の場合の地盤については取り決めがない。さらに、地盤改良を行ったとしても、地震時の不動沈下、液状化については、どんな地盤改良も現時点で保証する工法や団体はない。東京財団の提言では、耐震性能の最高ランクが等級3より良い性能になるような記述(+2)があるが、この性能と共に地盤についての保証や裏付けが安価に取れる仕組みがひつようである。
当事務所の「緑の家」では、ある方からのご要望で、「液状化が心配される所で、地震が来て家が傾くことは仕方がない。傾いた時簡単にジャッキアップできる方法にしたい」ということで、地盤改良をした上に、オーバースペックのダブル配筋べた基礎で造った。この後このような家は新潟市で2年間ずっとご提供してきたが、昨年の鉄筋の高騰で必要な時だけご提案している。このような方法対処方法も良いのではないか?