「 家の論評、業界裏話 」一覧

スノコ張りの木の外壁に思うこと

赤矢印の112と240で外壁と外壁開口部、取り付け部の漏水が半分以上を占め屋根より多い漏水。出展元は国交省HP。

今日の話題は屋外の外壁すのこ張りについてである。ちょうどこの記事を書いている途中にタイムリーなコメントまで頂いている。

建て主さんは知らないかもしれないが、業界人は屋根からの雨漏りより外壁全般からの雨漏れが多いことを知っている。上図左は瑕疵担保保険が使われた漏水部位の割合だが、屋根より外壁およびそれに付随する箇所から雨漏りが半数以上あり、屋根より相当多いことがわかる。データは短期間であるが肌感覚でもこんな感じを否定する業界の人はすくないはず。

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可変透湿気密シートとホウ酸塩塗布

矢印部分の白く粉を拭いたようになるホウ酸塩処理(全部分塗布)。

以前から可変透湿気密シートには疑義がある。当然すでにそれなりの年数を経ているのでそろそろ検証をしっかりと行う時期に来ているし、できるはずなのでぜひ行って頂きたい。当然一義的にはメーカーが行うべきだが、本年度から法律で実質高気密高断熱を推進して義務化していることから公共研究機関でも行って頂きたい。

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情報の受け取り方・・・米騒動の続き

ヤフーニュースのプリントスクリーン。政府が最初に国民に謝罪しないのかが不思議。しかもコメの需要が拡大して足りなくなったとの事?どこで需要が急上昇したのか明らかにしてほしい。

昨日ようやく農林水産省が「米が足らなかった」ことを認めた。あまりにも遅すぎる謝罪である。しかも本来なら政府が国民に一番最初に謝らなければいけない立場なのに、なぜか政府でもない党の部会で先に謝罪するこの不思議さ。まるで政府は農林水産省に騙されたといわんばかりのパフォーマンスともとれる。

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2025年建築学会大会梗概集から その5 バイパス回路有の熱交換換気扇

私はとても運が良い。先回このブログでパッシブクーリングについての意見を書いたが(バイパス回路を持つ換気扇の優位性はLCC又は経済性。)、それに関する報告がある。報告者は国の基準をつくる方のグループなので上のブログと何らかの関連はあるだろうと思っている。

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続・大変な疑問・・・が収束。基礎断熱の熱損失はAグレードが凄く良い。

大変な疑問・・・基礎断熱の熱損失
また事務所内では騒然となっている。 明日から改定される外皮熱貫流率UA値の計算方法。ところがその計算方法...
大変な疑問・・・基礎断熱の熱損失 その2
4月01日に一部修正 結局以前の熱貫流率で基礎断熱を計算できるらしい。このドタバタ騒ぎは一体何だろう。 「...
続・大変な疑問・・・一年ごとに変わる基礎断熱の熱損失
ちょうど一年前にある疑問で下のブログを載せた。今読み返しても「良文だな」と手前味噌である。 しかし一...

4年前から過去3回にわたって続いてきたこのシリーズもようやく収束の気配。上のリンクは過去3つのブログであり、この話題を知らない人は是非読み返してほしい。そして先月の終わりにこの基礎断熱の件で建研のHPに改定版が上がっていた。それによると・・・

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HEAT20の夏期等熱負荷の削減の提案と外付ブラインド評価の疑義 その1

HEAT20の報道資料より抜粋

(一社)HEAT20のHPに行くと上のPDF文章のリンク先へ行ける。そこには「夏期・中間期を対象とした高みの目標は存在しない」とある。確かに現在の夏期の冷房負荷を検討するための外皮計算では、最も影響を与える窓の日射遮蔽(侵入)が甘くこの新潟以南の本州地域がηAC=3.0~2.7以下となっているだけである。しかし問題はそこではない。

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160万の補助金と一次エネルギー

GX志向型の住宅の基準。新潟県では太陽光発電は必須ではなく、断熱等級6以上で一次エネルギー算定基準で35%以上の削減が条件。

今年の住宅の補助金は高額で160万というGX志向型住宅がある。しかしこのGX基準が・・・というより一次エネルギー算定に納得がいかない。

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新たな古民家リノベーションは来年からもうできないのか・・・1

130年前につくられた小屋組み

2025年4月から住宅など木造建築物の審査が厳しくなることはすでに周知されてきている。以前も申し上げたが、新築よりもリフォーム、リノベーションが相当厳しくなるのであろう。たぶんほぼ古民家のリノベーションは・・・今後難しくなる。

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木とカビそして木の外壁

2024年10月14日のhttps://biz-journal.jp/company/からのPS

私は隈研吾氏を擁護するわけではないが※、最近の同氏設計に対するに何か勘違いをされて批評することは、「緑の家」がいつも申し上げている、「日本の気候(本州以南)で屋外に木にカビが生えるのが当たりまえ」の日本の気候を全く理解していない。
※私ごときが擁護しても何のプラスにもならないが。

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床下への最初の給気(換気)はやはり嫌い。

新築当初の基礎断熱内の床下は綺麗だが・・・

高断熱高気密の住まいを少し勉強した人からは必ず質問される。「床下に給気する換気方式はどうか?」と・・・

そこで何度もお伝えしているこの件の再掲となる。もう何年もまえから申し上げているが、換気やエアコンなどの設備はメンテナンス(掃除等)が重要だから・・・と口を酸っぱくして申し上げている。が、それでも何回もお伝えしたい。

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完成時の気密測定が基本。完成気密C値0.2と予想どおり。

2024.09.27 緑字加筆修正追加 

建て主さん立ち合いで完成時の気密測定が行われた。内側に開くドレーキップ窓。

JISA2201:2017の建物条件2で規定された方法で中間気密測定をして先回はαAが18㎝2だったのが今回の完成気密測定(建物条件2)では45㎝2と27㎝2増えている。これは全く予想どおりで本所リバーサイドの家の完成気密はC値0.2㎝2/m2となった。

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暖房だけが人のため。あとは全て建物のため。

3年前に下のブログを投稿した。科学的なことではないが何故か賛同するご意見も他の記事より多く頂いている。

建物の寿命はカビと想いで決まる(仮説)。
門としてはとても珍しく2階に御仏像が安置される御影堂門。 科学的なことや物理的な事でなくて申し訳ないが、建物の寿...
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2024年建築学会 学術講演梗概集から 7 第一種換気の無難性

こちらは昨年に「その1」をご案内したがその続報。その1では給気量の測定がいまいちだったとあるが、今回は特にその記述がないので安心できる。これら実際の給気量測定は20~30年以上前にも学会で確か発表されているが、時代は変わりもう一度おさらいするのもよいので取り上げる。

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2024年建築学会 学術講演梗概集から 5 軒裏換気口ありの無難性

こちらは実務的な内容ですぐにでも参考になる報告である。建て主さん(エンドユーザーさん)には軒裏換気口や通気層、屋根通気層の話は難しいかもしれないが、耐久性にかかわるこの部位は関係者ならとても興味がわく話題である。

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2024年建築学会 学術講演梗概集から 4  夏季露点の変化 

先ほどダイキンさんのエアコンの設定温度のことを挙げたが、やはり湿度を無視した冷房室温28度(設定でも室温でもよいが)との指標では現在の露点が上昇している気候条件ではだめだろうという論文を紹介する。

2000年、2010年と2023年の露点温度の変化の日本地図。これだけ謙虚だとびっくりする。

今回の紹介は論文というより統計した情報提供と受け取れる梗概である。

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2024年建築学会 学術講演梗概集から 3 番外2023年の選抜梗概から 夏型結露 

昨日、一昨日とここの研究室での内容にハマったといったが、その最もハマった論文がこちらである。よって2023年と昨年の梗概集からであるがご紹介したいと思う。きっとカビ、リノベーションに興味がある人はハマると思う。

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国総研のユーチューブチャンネル

国総研って知ってますか。数年前にもブログで案内している国の研究機関。

国総研とは「国土交通省国土技術政策総合研究所」の略である。そこがユーチューブで様々な動画を公開している。最初に申し上げたいのだが、本来ならユーチューブという外国の会社が運営するプラットフォームではなくて、国産のプラットフォームがあってそこに上げてほしいな・・・と思っている。なぜ日本には動画のプラットフォームが育たないのだろうか※。ニコニコ動画等がもっと広く伝わればよいのかなとも考える(一応株主を辿ると三菱UFJ銀行となる)。
※パソコン、スマートフォンの基本OSとは違い、情報をダイレクトに伝えるプラットフォームだから海外既定での検閲に近いことがあってはならない。

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10年以上超高断熱高気密住宅に住んだオーナー談。その2 太陽光発電パネル設置のリスク

これは雪止め金物の設置跡。当然素材は太陽光発電パネルの設置金物と同じどぶ付け亜鉛メッキ。

先日ご紹介した新潟で標準的につかわれる雪止め金物を10年設置してそれを外した後に残った錆の跡。実は太陽光発電パネルを設置するときに使われる金物と同じ素材のどぶ付け亜鉛メッキである。今までこの現象を知らなかったのは、雪止め金物を外すことは30年以上経た葺き替え以外なかったため。

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