13年目に入った「緑の家」の床です。
キャスター付の椅子をがんがん使うこの家の床は「ナラ」です。
ご覧ください。ほれぼれするような艶と色・・・。
お手入れは掃除機だけ・・・でよい感じになっております(スリッパ不使用)。
13年目に入った「緑の家」の床です。
キャスター付の椅子をがんがん使うこの家の床は「ナラ」です。
ご覧ください。ほれぼれするような艶と色・・・。
お手入れは掃除機だけ・・・でよい感じになっております(スリッパ不使用)。
広角レンズではあるが屋根が大きい。延べ床は60坪程度であるが積雪1.2mに耐える屋根の出は1mになる。
低炭素住宅の国認定数値として旧Q値0.81w/m2K(新Q値で0.98w/m2Kの超高断熱)の屋根工事が終盤です。
屋根の上に上がるとその広さにびっくりします。
低い位置から始まる屋根はやっぱり「かわいい」という感じで品よい。
低炭素建築物として県央地域で2番目に認定を受けた旧Q値0.81w/m2K(Ua値0.21w/m2K)の「緑の家」が一昨日中に無事にタル木まで取付け完了し、構造の全容が見えて来ました。
玄関に設けられた腰掛け。新潟では長靴が3ヶ月も使われる、この脱ぎ履きには腰掛けがあると大変便利。
最高の性能を持 「西裏館の家」
Q値 0.83W/m2K 国認定
C値 0.2cm2/m2 完成気密測定
耐震性 等級3 国認定
耐雪 2M 国認定
の完成写真パート2をどうぞ・・・
明るいリビングの巾2.6m高さ4mのサッシ。高性能樹脂サッシトリプルガラスLow-E。この写真は天井を見上げたショットで吹き抜けの梁構造は耐震等級3を取るためにデザインされた。
最高の性能を持 「西裏館の家」
Q値 0.83W/m2K 国認定
C値 0.2cm2/m2 完成気密測定
耐震性 等級3 国認定
耐雪 2M 国認定
の完成写真をどうぞ・・・
※・・・国で認定されたQ値。各企業が独自で算定した未公認のQ値は除く(2012.1月時点)。
もしこのQ値を超える数値で国に認定された家(新潟県内限定)をご存じの方はご一報ください。お礼として当事務所で扱っているキャリバーⅢ(温湿度計)をさしあげます。
基礎が高いのに高く見えないSSプランの「西裏館の家」
Q値 0.83w/m2k 超高断熱
C値 0.1cm2/m2 中間時測定 超高気密
μ値 0.026 日射遮蔽係数 認定
耐震等級 3等級+α 最高値認定 αは制震テープ仕様
積雪 2m 三条市の正規の設計積雪量
その他 長期優良住宅認定、床下暖房 木の外壁
名実ともに最高の性能をもつ「西裏館の家」の完成見学会の日時が決定しました。
3月20日(火)春分の日 9時30分~18時
3月21日(水)平日 10時~15時
駐車場の都合により完全予約制とさせて頂きます。
久しぶりに折り込みチラシを配布する予定です。
地中熱を最大限使う地下水融雪の力は絶大。簡単に道路、駐車スペースを確保できる。雪国で大地からの大きな贈り物。
昨日の片貝の家です。
超高断熱Q値1.2で耐雪2mで耐震等級2をいずれも国に認定された性能表示された家です。
自社だけの判断で等級2とかQ値が1.0と宣伝する家とは確からしさが全く違います。特にQ値は少しの間違いで大きな誤差を生みます。是非第三者機関で精査された国認定の証明が大事です。
さて大雪のため見学会の駐車場の心配しましたが、建て主さんの融雪ポンプの仮設配慮と建設会社さんの「人力」によって見事に4台以上は駐車可能です。これで安心して見学者さんを
お招きできます。皆様に感謝いたします。
オーブルでは定番のレッドシダー全面貼り。しかも無塗装・・・。何も足さない、何も塗らない・・・天然素材らしい使い方。手すりがまだなの・・・ね。
ようやく「片貝の家」の足場がとれました。
東南方向の窓はこの通り大変多い家です。これで耐雪2m、軒の出80cmで耐震等級2という全てが高いバランスで統合されております。またこの数値で国の認定を受け、独自の自己勝手な評価ではありません。無論超高断熱Q値1.2W/m2K認定、しかも初の2階床下暖気送風構造です。
今日、19日20日に完成見学会(本日HP更新)が行われる「五月町の家」に行ってきました。
大きめの窓上庇と屋根が大きいそんなレッドシダーの無塗装外壁の家です。
オーブルの家と言えば基礎が高い・・・それが最大の外観特徴!
表題でお気づきの方はいらっしゃらないと思いますが、先日ご紹介した
「国認定で県内最高の断熱性 Q値0.87W/m2k その②」と言う家が
「国認定で県内最高の断熱性 Q値0.83W/m2k その③」と変わりました。
着工寸前でその時でも驚異のQ値0.87W/m2Kという断熱性能からもっと断熱性をあげたいとご希望がありまして、そこで天井上断熱材と基礎壁面断熱をアップしました。
今日見学会の会場の「南四日町」の家です。見学会にお越し頂いた皆様、 ありがとうございました。
今までは工事中のあんまり綺麗ではない外観の写真が多かったのですが、ようやく工事中の車や仮設トイレが無くなりすっきりと撮れました。がしかし・・・
あんまり大きすぎて横幅からアトリエ棟がはみ出てます(涙)。広角レンズでも取り切れないこの横幅・・・
現在三条の「南四日町の家」では、外構工事が行われています。
オーブルデザインのお得意の「自然丸石の土留め」です。
この南四日の家はQ値が1.04と超高断熱性能をもち、先日行った気密測定ではC値で0.35と素晴らしい数値結果でした。また分離型2世帯住宅で、2階にもキッチン等があります。
こちらの完成見学会は7月18日(祭日)を予定しております。近々HPやブログ上でご案内させて頂きます(完全予約制)。
毎年恒例の無塗装の外壁の変化です。軒の出は木の外壁としては最小限度の50cm。材質は日本の杉(赤白)。厚14mm程度です。丸2年経ちました。
良いでしょう。無彩色なシルバーグレーに春の花。本当に花の鮮やかさを引き立てる外壁です。
今週末の構造見学会の会場となる豊栄の家は、報道のされているとおり断熱材不足がちょっと心配ですがまずまず順調です。
なんか外壁を貼る前ですが、この下地ままでも綺麗な外観ですね。
軒の出が約800mmある(本当は900mm以上にしたかったのですが北側斜線で・・・)均衡の取れた外観は下地から綺麗です。
木は太い方が腐らず丈夫だと考えているあなた。
それは間違いです。雨や水が掛かりやすい部分は薄い木が腐らないのです。 築16~18年くらいのウッドデッキです(2~4年くらいで造っているので)。
「ウッドデッキの木はアイアンウッドのようなハードウッド等でないと早く腐りますよ。」と口を酸っぱくして申し上げております。その実例を紹介します。
いまから9年ほど前に竣工した家ですが、事務所で打ち合わせしていると毎回話題に上がる家M2ハウス(仕様はSプラン+α)です。ほとんどの方に評判が良いですね。たぶん敷地条件が良く、後ろの山や手前の草木がこの家の雰囲気を盛り上げているのでしょう。また屋根勾配をきつくしている事もその理由です(屋根急勾配は雪下ろしとの関連があるので、降雪地域では十分検討が必要)。
外壁は中霧島壁を当事務所では初めて使いました。理由は、軒の出(屋根の出)のない建物がご希望でかつ、左官壁が好きというご希望で探したところ、この材料なら長期メンテナンス不要で大丈夫だと判断しました。今でも問題ないところを見ると私の判断に間違いはなかったということです。主素材は天然素材の火山灰とセメントです。セメントは元々コンクリートの接着成分としての材料。だから水やお日様、環境の変化にとても強いのです。
またこの材料の最大の印象である「色」が天候によって変わります。これは主成分である火山灰がその吸水性による特徴で大きく変わるのです。写真は前日に雨がふった次の日です。まだ日の当らない西側の壁の一部が濡れてオレンジ色が鮮やかに主張してます。この外壁はこの色が一番鮮やかにこの現象がでます。普通雨の日の家の写真はパッとしないのですが、下の雨の日の写真は何とも言えないオーラが出ています。
室内インテリアもデザイナーの夫婦らしく大胆で美しいです。 この構造の梁は対になるようにデザインした自慢の構造です。スパンは6.37m。
同じ色素材を使っても軒の出を大きく取った下の家ではまた印象が違います。上のM2ハウスでは洋民家風ですが、下のK邸はオーソドックスでこれももまた良い感じです。
三条市の旧大通り近くにある建物です。窓の中をよく見るとわかりますがこの建物は土蔵造りです。土蔵の外壁である漆喰壁はその漆喰内部の土壁が湿気で脆くなるので数十年に一回塗り直しが必要です。そこで最近の土蔵はメンテナンスを減らす意味で漆喰壁を覆うように木の外壁を貼ります。昔ながらの白い漆喰の土蔵は見なくなりつつあります。
この木の外壁は杉の無塗装です。約30年から40年経過してしていると思いますが、まだまだ十分美しく、もう20年くらいはいけるのではないでしょうか?このように上に屋根があるだけで木の外壁はよく持ちます。この外壁を留めている釘は鉄ですが、この釘が先にだめになるでしょう。
そして驚くべきは、窓の上の庇が木だけで出来ています。デザインも美しく、見事にこの倉にマッチしてます。さすが昔の大工さんは、木をどこにどのように使ったら良いかよく心得てますし、美的センスも持ち合わせています。
この木だけで造った庇は上屋根に守られ、こちらも機能上全く問題ありません。木は屋根があれば、無塗装であっても非常に腐りにくい素材です(但し新潟県平野部は西側は季節風があるので寿命は25年から35年)。
しかし屋根がなければあっという間に腐り土に帰ろうとします。この庇だけを見ると杉をウッドデッキの床に使っても腐りにくいのではないかと考えてしまいますが、これは間違いです。水がかかりにくく、仮に掛かっても屋根のように斜めで直ぐに水が切れる事が重要なのです。
ずいぶん前から何回か(1 、2 、3 )申し上げておりますが、
最近の設計者は屋根の出がない家(軒の出の無い家)をよく設計します。流行の軒の出のない家に木の外壁は避けなければなりません。例え防腐オイルなどが塗ってあっても、あまり意味はありません。屋根の下の木に比べ寿命は1/2以下でしょう。特にエコや自然を大事にと御旗を掲げたのに、自然素材の代表である木を雨ざらしで使っては全く逆効果で自然素材の浪費となります。
外観デザインで重視するのは、どの面がファサード(正面)になるかです。通常玄関アプローチ側ですが、今回は玄関ではなく西側になります。この面は、畑を挟んで遊歩道があり、この遊歩道側の往来が正面の道路より多いことと、このように全体が見れる距離があるのでとても目立ちます。実際見学会を行っていたときも、必ず遊歩道を通る皆さんの目線が来ました。ですので模型製作時点からこちらの外観を重要視しております。見学会にお越しいただいた皆様は、意外とこの外観は見ていなかったのではないでしょうか?
夜景のシルエットもきれいです。
外壁は軒の出(屋根の出)がないため屋根材のガルバニュームしか選択肢はありません。加えて防火関連の法律を厳守したとき、外壁に105mmも外張り断熱を施すと、このIGサイディングしか現時点では選択できません。よって一番シンプルな形状をを選びました。
今回の内部インテリアは、何と言ってもDIY施工の壁の「漆喰」でしょう。この漆喰は昔ながらの「コテ」で塗る漆喰で、一切化学のりや水引材を含まない数少ないメーカー物をチョイスされました。写真をクリックすると拡大写真が見れます。この部分のコテむらがこの場所に合ってました。決して大きすぎないコテむらは経年で埃も溜まりも最小限度でしょう。
この部屋の大きな壁にこの仕上がりは最高でした。とてもよい雰囲気です。そしてこの素朴さと無垢のヒノキの床の無塗装とそして超高断熱性能の暖かさが融合し、決して派手ではなく穏やかで豊かな空間を提供します。
今年は太陽光発電に光が当たりました。太陽光発電パネルで発電された電力の買い取り価格が今までの2倍(24円/Kwh→48円/Kwhになりました)。
これでようやく太陽光発電を設置する動機が明確になりました。従来の24円では、設置費70万/kwhを償却するまで30年という現実離れの年数が15年となり、16年目から実質発電貯蓄と同じようになります。
上の写真は3kwの太陽光パネルを設置した時の真冬の最大発電量です。仕様通りの最高で3kw発電されてます。
さてこの家は新潟市小新のS邸です。県内の戸建て住宅で、一番最初に耐震等級2を取得した建物です(大手メーカーを除く)。
何度かご紹介してますが、デッドスペースの階段上に手洗いを設置。排水管周りがそのままインテリアです。
玄関横には小さなウォークイン収納です。最近は玄関床はありがちなタイルを使用せず、モルタルで仕上げる事が多くなりました。昔は「モルタル=質素」という感覚でしたが、私は「モルタル=手仕事の味」という感じです。特に年月が経ったときのモルタルの雰囲気は、昔の土間のたたきのような味ががでます。
南側の一番良いところは吹き抜けです。冬でも太陽の光をあます事なく室内に取り入れます。
洗面台は造りつけとして計画します。大きな鏡と大きな洗面ボール、そしてシンプルな棚のみの構成です。
外観はガルバニューム鋼板で軒の出なしのコスト重視のデザインです。但し、夏の日射対策として大きい窓には全て庇があり、すだれなどを掛けられるように計画しました(太陽光パネルから雪が落ちる個所は庇なし)。
次は三条のK邸です。とにかくバランスがとれたオーソドックスなデザインで、Q値は1.58W/m2Kの高断熱です。サッシはアンダーセンという木製サッシでU値1.6W/m2K程度の高性能窓です。加えて木製サッシですが、外部のみ樹脂コーティングされ、木製サッシにありがちなメンテナンスが必要ありません。
主暖房は床下暖房ですが、薪ストーブもあり、当然薪小屋も計画しました。この薪小屋は一冬分の薪を保存でき、先入れ先だしを考えた小屋です。
外構は、オーブルお得意の下田産の自然石(丸石)を積んで柔らかい雰囲気と本物の質感を生かした玄関アプローチとして計画。これから充実する木々が楽しみです。
内部にもこだわりが見えますね。まず素地の色が多い緑の家ですが、今回は染色による色づけをしております。着色ではないところがみそです。
リビングの外の濡れ縁は夏の日射を防ぐと同時に天井いっぱいまで窓と、濡れ縁のトップライトと相混じって室内に明るさをもたらします。
天井にもデザインを施し、建築化照明で、照明器具までデザインに取り込んでいます。
緑の家は超高気密高断熱住宅で耐震性、デザイン、耐久性、自然素材、コストがバランスが良く考えられた住宅です。
パッシブとは・・・
直訳で「受動的・・・」
反対語にアクティブがあります。
写真の太陽光発電は、太陽の恵みをアクティブに利用し再生可能なエネルギーとして使う装置の代表ですね。
一方太陽が窓から入る光や熱は、そのまま受動的に使う代表です。
ほぼ冬至同じ太陽高度の25日の11時30分(ほぼ南中時刻)写真が↓これ。
冬至は太陽が一番低くなる季節。冬至を過ぎると太陽の角度は夏至に向かいまた高くまり力強くなります。さて、光と影の分かれ目をよくご覧ください。
ほぼ窓の上とピッタシです。つまりこれからこの窓から入る光と熱は少しずつ遮られ、夏至のころには完全に遮断されます。一番気温が暑くなる7月下旬から8月中旬のころは、夏至より少し太陽高度が低くなるので、そのころの太陽を防ぐように庇や屋根の大きさを設計すると屋根の出は1.1mにもなり、このくらい南側の屋根が出ていないと、暑くなる7月下旬から8月中旬の日差しは屋根で防げません。超高断熱の家は、夏は日射が大敵です。家の中に入ってきて大変な事になりますので、キッチリ防ぎます。この配慮が新潟の家では必要ですが、最近こんな大きな軒の出がある家はなかなかありません。秋に完成した超高断熱の↓家も屋根のでも屋根の出は1mありました。
屋根の下の「たるき」と呼ばれる綺麗に並んだ部材。神社などでは当たり前のように見えているこの部材。屋根の出が1.1mもあるためこのように細かいピッチで並びます。これを隠すのはもったいないので露出させました。木の家の証明です。
この家の見学会は1月23日24日25日に行います。そのパッシブですべてにおいて完璧な性能をお確かめください。
いくら再生可能なエネルギー(太陽光発電等)を使っていても、現在のエネルギー浪費の暮らしでは、環境を考えているとは言えないということで、超高断熱(Q値0.7W/m2K)の家、所謂パッシブハウスを建てた人がいらっしゃいます。すばらしい考えです。私もそう思います。幸運にもその家の資料を拝見する機会がありました。やはりすばらしいお考えで造られた家です。ただ設計者が木に対し経験が少し不足していて次の点が残念でした。
屋根がないところに貼り、数年で腐る木。記事とは関係ない家です。撮影は1999年ごろです。
1.焼き杉と呼ばれる杉の板を外壁に使っている事自体問題ないが、建築地が関東でも雨の量は梅雨時相当なもの。軒の出のない所謂四角い家では、雨がいつも外壁を濡らす事になる。これでは木の外壁は20年持たない。運が悪ければ10年で朽ちる。この使い方では環境になるべく負荷を掛けない家とは言えない。木は長持ちさせるから再生可能な材料。せめて木が育つ30年は腐らない使い方をするのが設計者。つまり軒の出を設けなければならない。
2.高性能木製サッシを使っているのに、そのサッシ上部に庇がない。所詮木製サッシは木でできている。雨ざらしでは木端部から腐朽が始まりやはり20年もつかどうか。下手をすると10年で機能上の不具合が出てくる可能がある。樹脂やアルミサッシには必須ではないが、木製サッシには基本的に庇がセットされてなければ素材や高価なパーツの浪費と言える。ローコストにするためと言う理由であれば、本末転倒。見た目のためなら設計者失格(この建て主さんに対し)。せめて屋根が大きくあれば庇がなくとも許せるが・・・。
築10年になる緑の家K邸。木製サッシは必ず屋根の下にある。基本中の基本の使い方。
当ブログでは何年も前から自然素材である木は使い方が重要であり、耐久性の明暗を分けるとお伝えしております。しかし最近は木をまるで使い捨てのように雨ざらしで使う風潮があります。
最近流行のラーメン屋さんにも木が雨ざらしで多く使われていますが、このような店舗のような建物に使う感覚で住宅に自然素材の木を使うことは、素材の浪費となります。
どんな設計でも常に「バランス」が重要です。超高断熱性能だけは所謂「パッシブハウス」だけれども、外壁やサッシ、屋根の素材の使い方が間違っていると、その家のメンテナンス経費は跳んでもないくらいに高価になり、下手をすると使い捨て(30年で破棄)されてしまう事になります。特に今回のように、わざわざ腐りやすく考えたような木製サッシでは、早期交換は必須です。
日本の気候は欧州とは違い、モンスーン気候に近いです。雨は多く絶対湿度も多い雨季があります。この点をしっかり抑えないと単なる一時的な「省エネ」ハウスで終わってしまいます。
日本の昔からの民家は必ず庇があります。これは、窓が金属や樹脂ではなく木製であったため、庇がないとすぐに朽ちる事をよく知っていたからです。日本(北海道を除く)の気候では木製窓と庇はセットです。勿論アルミ被覆(樹脂一体被覆はOK)された木製サッシでもアルミ同士の接合部から水は浸入します(経験上)。
今月末構造見学会を予定している超断熱の緑の家は、小屋裏断熱材が施工をほぼ終わりました。ネオマフォームという最高性能の断熱材が180mm敷きこまれてます。これをグラスウール(セルローズファイバー)で換算すると450mmにもなります。設計者もびっくりです。450mmといったら足のひざ下が全て埋まります。もし輻射熱をもっと遮熱したい場合は、この断熱材の上にアルミホイルのような金属テカリがあるシートを貼れば完璧です。
そんな断熱材が敷きこまれても、小屋裏は美しいままです。整然と並ぶ垂木(屋根を支える細い木)は、23cm間隔と一般の2倍の量で施工されます。これは軒の出といわれる、外壁から突き出た屋根の長さが110cmもあり、これを支えるためですね。神社なども軒の出は大きく、垂木が細かく入っている事を思い出しますよね。この長さで夏の暑い日差しが家内部に進入することを防いでます。超断熱では大切な要素です。
さて今日はいよいよ窓の取り付けが始まります。
一部木製の3層ガラスサッシで、内側からメンテが可能なサッシと、オール樹脂サッシのLOW-Eアルゴンペアガラスのドレーキップ窓(内倒し内開き)、引き違い窓の3種類だけを使ってます。ドレーキップ窓を最初に使ったのは既に20年前。夏の夜、開けてあった窓を閉めるとき、普通の開き戸では、一度網戸を開けてから閉めなければなりませんが、ドレーキップ窓はそのまま閉められます。つまり引き違い窓を閉めるように、網戸に付いた虫が入ってきません。そして家の中から窓周りのメンテができます。デメリットは、内側に開くことでスペースが取られることと、雨上がりに窓を開くと、水が床に落ちる場合があることです。
さて窓の性能が大切な超断熱ですが、エクセルシャノンからエクセルウインドスーパーという製品が販売されております。図は全てエクセルシャノンさんのホームページからです。下の画像は、サーモグラフの画像で、色で温度をあらわしてます。
ガラスは真空ガラスという凄いガラスでガラス面温度が壁並みに近づいています(脅威的です)。しかし枠部分は少し温度が上がったものの、以前依然低いままでその面積も大きいことがわかります。何とか枠の断熱改善ができれば夢の窓Q値0.9以下が実現できそうですね。シャノンさん!がんばって安価で発売してください。
2010.01.03に頂いたコメントにより青字加筆修正
今日は少々専門的な事なので興味のない方は読み飛ばしてください。
今年のこのブログへの検索ワードで「べた基礎、配筋」というものが多くなってます。これは所謂、瑕疵担保保険がスタートし、原則全ての住宅がこの保険に入る必要があり、そのときの条件においてべた基礎の場合「構造計算」または「標準配筋表」または「設計者の工学的判断」のいづれかでなければいけないからですね。
新潟県は全域で多雪区域にはいるので、短辺3m以上あるスパン基礎区画はダブル配筋という配筋になります。このコスト増になるダブル配筋を嫌って「構造計算」をして少しでも安価に安全性を確保しようとして設計者が検索しているのではないかと想像できます。
さて木造住宅における構造計算書のバイブル本(建築主事が必ず了解する本)として上写真の「許容応力度設計」があります。当方もこの本に添って構造計算します。最近この本の最新版がありまだ入手してませんが、ほぼ同じ内容なので機会があれば入手する予定です。
さて、本題はここから。
あるウェブサイトを見ていたら、「木造2階建て、ロフトあり、重い屋根、積雪1mそして短辺4m区画のべた基礎」でシングル配筋D13@200 厚150で通常問題ないか?と質問に対して、大丈夫と返答している構造系サイトがありました。当方のブログやオーブルのHP上のコラムで不可としています。さて本当に問題ないのでしょうか?
まず許容応力度設計の本に記載されているべた基礎スラブの計算方法は、赤丸の4つの境界条件があり、外壁部はピン支持です。
住宅くらいの大きさではスラブ配筋は一様に同じ間隔で施工したほうが効率が上がります。簡単な配筋設計は、この表の「あ」と「い」が一番大きな力がかかることがわかり、ここを満足すればどの部位においても満足することが直ぐわかります。つまり4ピン中央部と2隣辺ピン側端部のチェックだけです。
冒頭の瑕疵担保保険で推奨されるチェックは4ピンと4辺固定の両境界の最大応力でチェックしなさいとなってます。
さて図のとおり2隣辺ピンのほうが4辺固定より応力が大きくなるのに、なぜ4辺固定でよいのでしょうか?多分シングル配筋を想定しているからだと推測できます。つまりべた基礎スラブ厚150mmでD13でシングル配筋で中央に配筋すると、下から60(かぶり厚)+13+13+64=150となり、上下モーメントに対し同じ効果が期待できるからと想像します。
この時60のかぶり厚で、通常の計算ではここは70mmとすることが良識です。60mmというのは法律で定められた最低寸法で、施工時人が踏んだりするスラブ配筋は10mmの余裕を持っていないと60mmのかぶり確保は難しいからで、計算では70mmの安全側に見ます。です。これは鉄筋の中心距離で計算するためで大事な事はかぶり厚は最低でも60mmで上下モーメントのチェックすることです。決して中央だから上引っ張りモーメントで上配筋のかぶりの4050mmとしてはいけません。4050mmとするからにはダブル配筋か中央部だけ配筋位置を変える施工となります。
そして端部だから4辺固定の境界条件で、中央部だから4ピンの境界条件でもだめです。先ほどのバイブル本「許容応力度設計」では2隣辺ピン=外周部と明確に条件付けされてますので、もしスラブ厚150mmで、4ピンと4辺固定だけでチェックする場合、端部、中央部でかぶり厚を変えてはだめです。あくまでも両方の最大応力で端部、中央共にクリヤーです。
さて実際4mスパンのべた基礎の計算しましょう。
木造2階建て、ロフトなし、重い屋根、積雪1m、軒の出有りでスラブ算定擁分布荷重ω1が通常10KN/m2程度(性能表示マニュアル)です。無論外壁部ありです。
Lx=4 Ly=4 配筋D13 境界条件 4辺ピン(2隣辺ピン)>4辺固定
t=15、かぶり厚7060 dt=7 中略
σex=(Ly^4*ω1)/(Lx^4+Ly^4)=5KN/m2
Mx2=ωx*Lx^2/8=10KNm at=7.33cm2/m
l=127/atMax=17.34cm→15cm D13@150以内
仮にかぶり厚60のdt=6でも
l=127/atMax=19.50cm→15cm D13@150以内
ですね。
(その他Lx/30等、ヒビの配慮も必要)
この計算はあくまでもロフトなしの10KN/m2以下のものです。塗り壁が多い場合や、軒の出が大きい場合は簡単に10KNを超えると思います。お気をつけください。
あっ、
当事務所「緑の家」の基礎の立ち上がりは一般の基礎の1.5倍以上の重さがありますからω1=12KN/m2位になり、@120以下になることがよくあります。@100以下の場合はダブル配筋ですね。
上条件で良識ある構造計算では「シングル配筋D13@200 厚150」は不可です。だから積雪地の配筋表ではダブル配筋等が標準と明記されるのですね。無理をしてはいけません。
住宅の基礎外周部のスラブ境界条件で実際固定度Cが0.1があると考える方もいらっしゃると思いますが、バイブル本にないことは、しっかり裏づけが必要です。
もし何方かご覧になられて見解の違いがあればご指摘ください。
この下覧にコメントがありますが、構造技量が高い設計者による緻密な構造解析があれば可能というご指摘を頂きました。私にはその計算が高度な構造知識が必要なため検証できませんし、そのような高度な解析方法があるとは知らずに上の記事を書きました。ご迷惑をおかけした関係者様にはお詫びいたします。
杉、ヒノキの木の外壁は必ず屋根の下。
まずこのブログどうぞ!
http://arbre-d.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/post_6c57.html
http://homepage2.nifty.com/arbre_d/news/b_number/54.html
ここでもふれたとおり、屋外の自然素材「木」の使い方には原則があります。屋外で木を使う場合には絶対に雨ざらしにしない事です。ウッドデッキやウッドバルコニーはもってのほかです。これは500年も培われてきた大工さんの木使い大原則です。もしどうしても雨ざらしで木を使いたい場合は、アイアンウッド等超耐久性の木を使うか、プラスチック樹脂に練りこまれた木を使う事でしょう(バルコニー、窓の手すりや外壁など重要部分)。
最近はデザイン重視で軒の出の無い建物の外壁に木が平気で使われたり、バルコニーの手すりに木を平気で使っているのを見かけますが、とっても怖いですね。
このような原則から外れた木の使い方したときは、建て主さんにしっかりとご説明する必要があります。アイアンウッド以外の普通の木でしたら、たぶん10年で腐ります。それも木と木の接合部(仕口)から駄目になります。ここは防腐剤が塗る事が出来ないし、木口が直接出ているので、雨水が木の中心部まで直接入ります。特に木を横に使った時は腐るスピードは速いです。当事務所でもアイアンウッド以外の木を塀に使うときがありますが、この場合は、必ず小さくても屋根(板金で木口を覆います)を付けます。無論使う木は、ヒノキ、ヒバか、加圧防腐注入材です。
木の専門家(住宅建築屋)の人が、10年で腐るような木の使い方を薦めてはいけないと強く思います。20年経たないと育たない木を10年で腐らせないようにすることがプロの仕事です。
もし木が簡単に腐るような使い方をしていたなら「謙虚」に反省し、宣言するといいでしょう。今までは間違った使い方をしていたが、今度からやめると・・・「認める」事です。
最近四角いビルのような家がとても多くなりましたね。窓が上下揃っている建物は、耐震計画に無理が無く、見た目もきれいで良いですね。しかし・・・
四角く見える家は、軒の出が無い建物です。軒の出がないと、少量の雨でも、壁に雨水がかかり屋根と同じくとても過酷な状態になります。つまり屋根と同じ素材でないと、著しく耐久性が悪いことになります。よって軒の出の無いときに使える外壁材は屋根材と同じでなければなりません。すると、
コンクリート、鋼板(ガルバニューム)、アルミ、チタン、アスファルトシングル、が一般的です。木の屋根も昔はあったので木も素材によってはOKです。だめなものはサイディング(窯業系)、木(松や杉の辺材)です。焼き物タイルは良いのですが、目地が心配なのでだめなものに入ります。
このように素材が制限されるのでご注意ください。でも軒の出が無いのに、サイディングを使っている建物を見かけますが、10年後は表面が劣化しとても見れたものではありません。家は10年経過したときからが本番です。10年経ってより一層美しく愛される家と、10年で愛着の薄くなった家の差は歴然としてきます。
上は1994年で築2年の拙宅(今の拙宅はこちら)。外壁が当初サイディングでした。10年を過ぎた頃から頻繁に家に塗装屋さんが来て、「そろそろ塗装しないと外壁がだめになるよ」と営業にこられました(同業者とはしらずに)。ところが木の外壁に替えてから、塗装屋さんは一度も来ません。木の色もグレーになり、普通の人が見たら前のサイディングより古めかしい感じなのに、チラシひとつ入ってません。素材によって見分けているなーと感じました。
日時 6月20日(土)21日(日)いずれも10時から17時
場所 三条市鬼木
外壁も真っ白。内壁も真っ白のシンプルな家。左官職人による、手塗りの壁の雰囲気を残すため、わざとこてムラを残す・・・。
店舗外装などはもっとこてムラを残している仕上げもあるが、これはだめ。数年建つとこてムラの上部出っ張りに、埃が付きとても見苦しい。この微妙な加減が住宅ではベスト!!写真でわかりますか?この感じ。真っ白に拘ったため、今回の外壁は中霧島壁や漆喰ではないけれど、充分吟味したもの。
下地も以前お伝えしたとおり、木で造るざら板の上に、モルタルを塗った本物志向(上写真)。
この真っ白な壁を活かすため、この玄関アプローチはわざと窓なしの4mの大きい壁のみ。洋風建築は「壁」の存在感が命。その「壁」が職人の手による真っ白い左官壁、言うことなしですね。綺麗です。
外観はこのような感じです。勾配のきつい屋根はシングル葺きで仕上げ、真っ白い塗り壁に上げ下げ窓(木の雨戸もこれから付きます)。この真っ白い壁を守るために屋根はある程度軒の出を確保。木の外壁の納屋を隣に計画。お隣さんの松の木が見えなければ、日本ではないような雰囲気の家。内部もこだわりぷんぷん。照明器具から扉の取っ手まで、建て主さんが捜し歩いて決めたもの。このご紹介とこの施工を行って頂いている高い技術力の常務さん率いる腕のよい職人集団「吉田建設=よしけん」さんのご紹介は次回のブログで。
軒の出が1mもある正統派のフォルム。アプローチの屋根の重なりが美しい家です。 軒の出を1m近く出すには、大きな部材が入ります。その部材は「たる木」と呼ばれ、通常屋根の中に隠してしまいますが、「緑の家」では堂々と露出です。
主要な窓は、木製サッシ「アンダーセン」の高性能400シリーズです。K値1.6~1.7です。家のQ値は、1.7w/km2ですので、SS仕様にはもうちょっとですが、内外インテリア等は拘りのもので、中霧島壁や、床下暖房+薪ストーブです。
家の和室に入るところには大柱があり、これは建て主さんと木材屋さんでチョイスしました。この大柱は35cm角のケヤキ製です。もう少し工事が進んだときご案内します。
この屋根もオークリッジプロというアスファルトシングル葺きの屋根で、洋風な雰囲気を出してますね。
赤字は2009.07加筆
オーブルデザインは、雪が1m以上降ると容易に予想される地域に家を建設するとき、必ず、雪の対応にはどのようにするかお聞きしている。これは今後予想される地球温暖化による異常気象で、小雪だけでなく、ドカ雪による多雪もありえるからである。1昨年前には、妙高市の積雪が過去最高であったということは記憶の新しく、今年は逆に小雪。このように、両極端な気候が今後も予想される。新潟県にとって積雪も立派な災害になる。多雪が過去あった地域にとっての雪対策は、耐震性と並ぶ大きな備えであり、これを怠れば、専門家としては不誠実となる。
建築基準法によると、建物は地方自治体で設定されている積雪量に対して安全でなければならないと規定されている。それは三条市で1.8m2.0m(に変わりました) 、新潟市で1.0m、新津市で1.2m、長岡市で2.5m、新発田市で1.3m、柏崎市で1.3m、燕市で1.2m、吉田、弥彦でも1.2mとなる。この数値が適正値である。今の住宅のほとんどが緩和措置である雪下ろしを条件とする1.0mまでの減雪数値である。だから正しく考えると、耐雪住宅=適雪住宅であり、一般の住宅は減雪緩和住宅となる。
最後にこちらは、今建築中の三条市下田地区Y邸。 積雪2m。(この建物だけが地方自治体で設定している積雪量1.8mより多く計画している。)概略屋根の形状は、ほとんど平らに近い単純な屋根。木の外壁であれば軒の出を設け、ガルバニューム外壁の場合は、軒の出を設けない。
現在施工中である旧栄町の性能表示住宅は、工事も半分を終えその雰囲気が徐々にわかるようになってきた。
納屋の外壁は、最近お勧めしている無塗装の杉の外壁。軒の出のある意匠とスッキリとした羽目板のバランスがとても良い。雨板にすると突然和風になるが、羽目板はそういう雰囲気にはならない。
雨板・・・新潟県の古くからの木の外壁のこと。縦に細い木を取り付ける貼り方。木の暴れが抑えられる。今でも田舎では使われる。
最近思う。木がなぜ気持ちよく感じるのだろう?その答えのひとつが色が変わる素材だからと思う。
自然界にある素材のほとんどが、濡れた時の色と乾いているときの色に差がある。いつも当たり前に見ているが、これが色が変わらない素材であったならどうだろうか?朝起きて外を見たとき、道の「濡れ色」を見て「ああ、昨夜雨が降ったのだな。」と感じることができるが、色が変わらない道路(カラー歩道)であればぱっと見た瞬間では判断できない。その瞬間に感じる空気感という表現があるが、この濡れ色も空気感の一部であると思う。
この無塗装の杉の壁は、自然界にある木の幹と同じく雨の時の色と晴れた時の色が大きく違う。また、年月が経ったとき、緑色の藻が所々生えたりもする。人間と同じようにゆっくりと常に変化している。だからこそ心に響くものがある。そんな素材の使い方(耐久性も大事にしながら)を心がけたい。