建築基準法上の工事監理者

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工事監理者はとても重要な業務である。100m2以上の建物には、建て主さんが建築士の資格のある人を工事監理者として定める事、と法律で規定されている(義務事項)。「ああ現場監督さんね。」と考える人はちょっと待ってもらいたい。左の写真は法律定められた現場に必ず設置しなければならない表示看板である。ここには、建て主、設計者、工事施工者、工事現場管理者、そして工事監理者を記することになっている。ここで工事現場管理者というところに名前があるが、こちらは所謂「現場監督」であり工事監理者ではない。

この工事監理者の名前に見覚えがなければちょっと変と思ったほうがよい。建て主に内緒で勝手に工事監理者を決めて申請していることになる。また工事監理者と工事現場管理者の名前が同じであるときもおかしい。つまり造る人の現場代表と図面と現場が同じことを法律上責任を持って確かめるひとが同じことになる。確かに同じであってはいけない規定はないが、なぜわざわざ法律で工事監理者を定めなければならない既定になっているか?それは、施工する人が自分の工事が正しいかチェックしても意味がないのでわざわざ施工する人と違う人が図面どおりかチェックするシステムにしているため。特に注意したいのが「当社は最近第三者管理機関のチェックをしてますよ。」といっているが、これが法律上の工事監理者でないことがほとんど。法律上の工事監理者でないと、工事に関する注意などは法律上権限がない(建て主に報告する義務もない)。

もっと変なものは、施工者と設計者と工事管理者と工事監理者がすべて同じ場合。これではせっかくの法律で定められたチェック機構が働かない(働きにくい)。

写真の通りわかるのは、工事監理者は「法人名」ではない。何かあったとき個人の責任となることがほとんどであり、実際そういう判例が多い。

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