現在施工中である旧栄町の性能表示住宅は、工事も半分を終えその雰囲気が徐々にわかるようになってきた。
納屋の外壁は、最近お勧めしている無塗装の杉の外壁。軒の出のある意匠とスッキリとした羽目板のバランスがとても良い。雨板にすると突然和風になるが、羽目板はそういう雰囲気にはならない。
雨板・・・新潟県の古くからの木の外壁のこと。縦に細い木を取り付ける貼り方。木の暴れが抑えられる。今でも田舎では使われる。
最近思う。木がなぜ気持ちよく感じるのだろう?その答えのひとつが色が変わる素材だからと思う。
自然界にある素材のほとんどが、濡れた時の色と乾いているときの色に差がある。いつも当たり前に見ているが、これが色が変わらない素材であったならどうだろうか?朝起きて外を見たとき、道の「濡れ色」を見て「ああ、昨夜雨が降ったのだな。」と感じることができるが、色が変わらない道路(カラー歩道)であればぱっと見た瞬間では判断できない。その瞬間に感じる空気感という表現があるが、この濡れ色も空気感の一部であると思う。
この無塗装の杉の壁は、自然界にある木の幹と同じく雨の時の色と晴れた時の色が大きく違う。また、年月が経ったとき、緑色の藻が所々生えたりもする。人間と同じようにゆっくりと常に変化している。だからこそ心に響くものがある。そんな素材の使い方(耐久性も大事にしながら)を心がけたい。