「 2009年05月 」一覧

新潟 住まい 寺泊は久しぶりに雨模様

今日は朝から雨です。風がなくこのくらいの雨だと屋根の軒(庇)のある所の外壁は濡れません。だから木が腐りにくく長持ちするのですね。写真のように欅の幹は、葉っぱが雨を集めそれが枝に伝わり、そして幹から地面に・・・。幹はすぐに濡れ色になり、はっきりとしたいい色になります。
以前自然素材は、雨が降ると吸水するから色が濡れ色になる。だから人工素材と区別がつくと言いました。本当にそのとおりです。雨の日は、目に見える景色の色がかわり、違った描写をします。ところが、車や普通の家の屋根、橋・・・etc.は人工素材なので色が変わりません。
外壁は色の変わる素材を使うと、自然に溶け込み、心落ち着きますね。この外壁ももう少し風が吹くと色が付きます。

拙宅の小さな屋上菜園はいい感じです。こんなにうまくいくとは思いませんでした。いいですね。私は今までないような新しいことを始めるとき、自分の家や持ち物で実験し、確かめます。屋上菜園も3年目に入り、大きな問題がないことを確認したので今後はお勧めです。特に逆転プランで2階リビングキッチンの家にとってもお勧めです。そういえば、内野のM様の家もちょうど車庫の上が12帖ほどあるバルコニーだったような・・・。それも結構土が入れられるようになっていた気がします。調理中に目に見えるところに薬味(ネギやショウガ、ミツバ)があり、ちょっとつまんでそのまま食卓へ・・・お勧めです。おやりになってみませんか?(^-^;


新潟のい住まい べた基礎 餅は餅屋。設計は設計事務所。

昨日べた基礎の計画を見るとその会社の技術レベルがわかるよ!のような話をした。宣言したは良いものの、自分で不安になり少し調べてみた。すると・・・、やはり間違いではなかった。

最近は、建設会社でもブログが盛んに行われてではでいるようで、色々な基礎写真やコメントがある。ある会社では、基礎にかかる荷重をしっかりと把握していないようで、建物荷重が低すぎる事がわかる。

私どもの「緑の家」で詳細に重量計算すると、約9から12KN/m2くらいで基礎のスラブ算定する。スラブ荷重を入れると12から16KN/m2にもなり、この荷重で地盤の支持許容応力度より少ないこと確認する。また、国の基準である性能評価の計算書のマニュアルでも積雪1mで計算する場合、2階建てで11KN/m2と指定される。だからこそ基礎梁のせい(スラブ厚+立ち上がり)が600mm以下では鉄筋が最低2-D16必要なときがある。 そして設計荷重であるが、多雪地域である時は設計荷重は7.8KN/m2となり、壁又は屋根が重いときは10.8KN/m2。しかし7.8はおろか10.8KN/m2なんて考えていないのだろう。餅は餅屋といわれるように設計は設計屋(設計主体の事務所)さんに語らせることである。生半可な知識で設計(構造計算)のことを語ると・・・。

↑表は国が定める性能表示の基礎計算時の建物荷重。新潟県は原則全て多雪地域である。

次にやはりべた基礎の場合の構造区画。べた基礎とはもともと地盤が悪いところで基礎接地圧を減らすためにできた基礎方法。であるから、その考えに妥協は許されない。べた基礎で考えるときは、その周囲の基礎梁が連続していることが条件。つまり原則、人通口や島型の基礎立ち上がりがあってはいけない。基礎区画内に島型あるのは、荷重によっては床束と同じと考えるので問題はない。ところがべた基礎なのに、どう見ても区画がない。これで基礎の作り方や、コンクリート強度を語るのは詐欺のようなもの。知らないでは済まされない。重要な構造部分であるから。

また、あれほど話題になっているのに、住宅用階段で両側に手すりもしくは壁がなければ、原則建築基準法違反となるのに、いまだデザイン系住宅のチラシにはそんな手すりのない階段の写真がある。法律には詳しくはないのであれば、また施工途中であれば、仕方のないことであるが、せめてそんな写真を堂々と載せることはやめてほしい。ほかの人が「何だ。これができるならまねしよう」という人が増える。こんな写真を堂々とチラシに載せる会社は、他の部分でも法律違反(悪気がなくても)している可能性が高い。気をつけたい。


新潟の住まい 良い住宅会社の選び方!過去の基礎仕様をチェックしよう。

今は情報時代。専門的な情報もインターネットでほとんど検索できる。最近では、国立図書館もネットに書籍データーをアップして誰でも閲覧可能になってきている。拙者のエアコンに関する論文(時代先取りと自負している)も「オーブルデザイン」とグーグルで検索するとたどり着く

そこで今、家に興味がある方は是非「べた基礎」で調べて見よう。べた基礎に関する法律や構造的考え方は2002年から変わっていないのに、なぜか今年から各社(新潟県のような多雪地域)いっせいに今年から変わる気配。←に詳しくあるのでどうぞ。

たまたま新潟県の低金額建設費で有名な会社のHPを見ていたら、やはりありました。標準仕様のべた基礎の写真。その基礎はべた基礎なのに、人通口が910(780)くらいある。もう5年も前から人通口はべた基礎の弱点なので人通口の幅を500(600)かつスラブに補強が必要なはず。法律では明確にこの幅は決まっていないけれど、べた基礎には裏づけなことは事実。その裏づけで簡易な方法が財団法人「住宅保証機構」が発行している「設計施工基準」にある。そこには人通口500(600)以下でスラブ補強が義務事項となっている。簡易な裏付け以外では、構造計算による確認があればOK。しかし構造計算で梁が一部欠損している補強はなかなか大変。さあ、過去のべた基礎の方法を探そう。するとその会社が将来に渡って正しく施工(計画)できるかの判断になる。基礎は一番の要。

拙者は、「家は社会の財産」と考えている。安くてもその時だけよければ・・・とは思えない。やはりせめて数十年先でもその家の価値(性能的)が下がらないように、前もって予想し準備をしておく必要がある。耐震性、断熱性は特にそうである。耐震性は等級2~3という避難病院並みの基準にしてもそう多くのコストは掛からない。設計者の心意気である。

断熱性は初期投資。必ず将来メリットとして帰ってくる。家はコンパクトになっても断熱性はSSプランが良いと今感じる。それは拙者が掲示板などで「将来はハイブリッド車が主流」と宣言した6年前と同じような確かな感覚を感じる。

の写真は人通口の下部分だけでも、普通の家の基礎高さくらいある「緑の家」のべた基礎。

10年乗っている愛車プリウス。いまだに燃費は16~19km/L。この秋プラグインのプリウスが発売されると聞いたが・・・資金がない・・・。

・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。


新潟 「緑の家」の外壁 こだわりの手仕事の塗り壁④ 性能評価住宅

屋根の煙突も設置され、内装工事を急ピッチに進める三条栄地域のS邸。完成見学会は、ブログ左のリンク先をクリック。

性能表示住宅でNEDO補助金の該当住宅で内外に建て主さんのこだわりがぎゅっと詰まってます。(耐震等級2、劣化、維持管理、省エネは最高等級)

S邸を施工して頂いたのは、帯織に構える「吉田建設(株)=住宅のヨシケン」さん。技術力のある職人集団の会社で、この地域ではナンバーワンでオンリーワン。なんと江戸時代末期からとの事。写真ではブログアップ許可を得ていないので後ろ姿でご紹介。メジャーで指示しているのがヨシケンさんの常務。まだ若いのにとてもしっかりと技術、経営共に手腕を発揮され、現場管理も高次元。安心していられる数少ない方です。

ヨシケンさんのホームページはこちらです。


新潟の住まい シロアリの群飛

青字修正2009.05。27

この時期になると新聞チラシには、「シロアリ駆除なら・・・」、「恐ろしいシロアリ・・・」と賑わう。シロアリは普段見ることがない。それはお日様が大嫌いで、風も嫌い。すなわち、暗闇の木材(土)の中で生活している昆虫。食べ物は通常は倒木か弱った木。天敵は自分より体の小さい昆虫を含む肉食(雑食)昆虫や鳥。このくらい大きさの昆虫の中で一番弱い。

この写真は、5月18日携帯カメラで撮影した。私が今仕事をしている近くの道路に置いてある倒木(松)から飛び立つところのヤマトシロアリ(羽蟻)。この行為は年に一度行われ、5月の連休中から6月の梅雨前に限定される。だから広告がこの時期に集中する。この飛び立つ行為を群飛と呼んであるが、これが数千匹もいるものだから、近くにいた人たちはパニック。飛び立っている羽蟻が体についたりして「気持ち悪い。」ということになる。でもこのシロアリはうまく飛べない。したがって服に止まってもすぐに逃げれないので服から離れない。だから奇声があがる。

それはそうだ!ごく最近まで「白い」普通のシロアリとして羽なんか生えていなかった。いつもは必要ない種族。うまく飛べる羽があるはずがない。色だってにわか仕込みの黒い色。どんなにがんばってもお日様には数時間しかあたっていられない。というかほかの昆虫の格好のえさになる。飛べないし、逃げるのが遅い、攻撃できないとなれば、自然界ではあたりまえ。

こんなシロアリだが、彼らは森の番人ともいえる。木が倒れたとき一番最初に分解してくれるのが彼ら。彼らが食した後は、まるで土の小塊のようなものになる。これをさらにバクテリアが分解して土に返る。シロアリがいなかったら森の活性化はないといってもよいほど大事な昆虫。ただこの昆虫が、人間のエリアに間違って入ってこないように願うことは普通な気持ち。こんなに多くの数を見たら、普通は男性でもパニックになる。シロアリの群飛は、シロアリがそこからいなくなる合図とも言われている。つまり食べ物がなくなったので、違うとところへ子孫を残すため行為ということ。落ち着いて対応し、長い目で見て、ケミカルに頼らずシロアリが入ってこないように予防計画を心がけたい。


新潟 「緑の家」は全棟長期優良住宅対応で補助金100万がもらえる予定

先回は長期優良住宅先進的モデル事業の補助金申請をしたが、採択されなかったとご報告した。最大で一物件200万になる事業で、昨年度は総額140億円の予算がつき、一計画で数億円にもなり住宅業界への天く ・・・略・・・ かどうか不明だが、採択されたのがほとんど大手メーカー(審査は非公開)。

これに「問題あり」という声があがる前に、今年度の補正で数十億円の予算をつけ、中小工務店限定で100万/件の補助金が出ることになった。この中小工務店限定にしても大手ハウスメーカーから何も文句がないのは、すでに長期優良住宅先進的モデル事業で巨額の補助金を手にしているからに他ならない私はこの記事を見たときはっきりと確信した。政治力がある大手ハウスメーカーが「中小」に限定して補助金を出すことに何も言わないという事が信じられない。そう考えないと説明つかないから。

ということで、私は採択漏れをしたので堂々?とこの補助金を使いたい。といってもともと「緑の家」は標準仕様で長期優良住宅に合致する技術基準なので何もすることがない。あるとすれば、履歴の完備くらい。しかし、普通の工務店、施工会社さんは相当大変なはず。性能表示を過去申請した事があるならまだしも、昨年もブログでお伝えしたとおり、県内ではほとんど性能表示申請はない。仮に申請してあるとしても、耐震等級2以上は結構厳しい。これは木造部分ではなく、基礎が今までとちがうから。新潟県のほとんどの住宅の基礎立ち上がりは600mm。これでは等級2は取れない。最低750mm以上で、もし基礎がべた基礎の場合は、ほとんど構造計算によってスラブ配筋、たて上がり部分の主筋、そして区画を造る為の地中梁がいる。今まで「地震に強い家」といって宣伝してきた施工店や建設会社が、急に基礎の仕様を変えたら要注意!!今まで言っていた「地震に強い家」は嘘で、「地震に強いと思い込んでいた家」に変えなければならない。そうでなければここ数年でその会社から「地震に強い家として」建てて頂いた施主さんは納得しないだろう。

このように「口ではいくらでも言える」のが住宅業界の今の現状。是非建て主さんは、「性能表示住宅やで等級2の家、また長期優良住宅を造った事があるかどうか?」を聞くことが重要な選定基準といえる。長期優良住宅の条件が、性能表示の耐震等級2以上であるから・・・。あたりまえの仕様である。

ただ懸念される事もある。この長期優良住宅や性能表示住宅は、申請コストだけで40万ほどかかる(書類作成費用20万強、申請料20万弱)。これらはすべて建設費に跳ね返る(建て主さん負担)。

性能表示や長期優良住宅の申請書作成に限っては、当事務所でもお受けいたしますので、建て主さんに限らず建設会社さん、工務店さんはお問い合わせください。

写真はD13 ピッチ120mm以内のシングル配筋で、人通口補強を2-D16で行った性能保証耐震等級2の家の基礎。そんな基礎、2階建ての家で巷で見たことがありますか?これで初めて「地震に強い家」といえる。


エコキュートの環境、経済性の評価は・・・ 新潟の住まい 「緑の家」

赤字加筆 2010.05.23

給湯機器と言えば今はエコキュート。名前からして環境によさそうなこの給湯器の実際はどうか?

9年前から普及し始めたエコキュートの評価は最近ようやく論文として出始めている。私が最初に検討した9年前は、その機器の信頼性が不透明(ヒートポンプの寿命)だったので、見送り、その4年後始めて設置した気がする。

さて、最近のエコキュートのカタログでのCOPは5にもなり、年間平均でも3.5(地域Ⅳ)くらい。・・・と思っていた・・・。ところがこれは、給湯器自体のCOPではないという。エコキュートに設置されているヒートポンプだけのCOP(HPCOP)ということ。むずかしいようだが、エコキュートは夜に沸かし、昼間はそのお湯を使う。だから放熱ロスが相当あり、実質のCOP(SCOP)にすると2以下の機種もある。エコキュートがすばらしいのは、発電ロス+送電ロスを引いた0.4くらいのエネルギーをCOPが3のヒートポンプで0.4×3=1.2まで高められることにある。SCOPが2くらいでは0.4×2=0.8で、ガス給湯器より効率が悪い(環境にも負担が大きい)。やはりSCOPは3くらい無ければならない。どうも9年前からここ数年前までは、SCOPは2くらいの機種が多かったのではないだろうか?積極的にお勧めしなくて正解だった。

ではなぜ、使用していた人は問題点としてあげないのだろうか?それは深夜電力で沸かすので、元々の電気代が1/3のところに、SCOPが2のエコキュートでも、従来の電気温水器の半分で済むからだ。つまりSCOPが2のエコキュートでも他の給湯器より随分安くお湯が沸かせる。このようにランニングコストは優秀であるが、環境へのインパクトは特に優秀ではなかったといえる。最新機種はSCOPも3程度の機種も出てきているので、環境、経済性も高い評価となる。後は耐久性が10年か20年かがわかれば今後の給湯器はすべてエコキュートになるか、高効率ガス給湯機になるかはっきりする。・・・かな?

ちなみに拙宅は、都市ガスが無い地域かつ、海のまん前なので屋内設置の石油給湯器(普通効率)である。一応17年くらい使い続けこの度取替えた。高効率タイプは商品がまだ相当高い(10万以上)。しかも10年で中和剤の添加をしなければならないので選択しなかった。

画像は、「実使用を考慮した貯湯式給湯器の性能に関する研究」濱田靖弘、村川三郎ら  空気調和・衛生工学会論文集143号から

冬の場合のSCOPとHPCOPと損失熱量を示す。夏の場合はSCOPが概ね3割くらいアップする。


TVの情報 換気の必要性 ~世界一受けたい授業 5月2日~

上の画像は5月2日に放映された「世界一受けたい授業」 のものです。このテレビ番組は変わった大学の先生が出演する事で大変人気があります。時には数学の先生や、物理、普段考えたことも無い脳内科学等等。

今回は恩師である新潟大学のA教授(画像はしっかり映っているが一応匿名で)が出演されるとうことで期待して見ていました。期待とは・・・A教授は歯に衣を着せぬ発言をされる事で有名ですので、時にはえらい騒ぎになるときもありますが、念のためその期待ではありません(変わった教授ということは否定しませんが・・・誤解のないように申し上げておきますが、A教授は、住宅の換気と通風では、国内で第一人者です)。

まずテレビ映りが良いのでびっくりしました。またテンポの良い内容は、とてもわかりやすかったです。映像は15分くらいですが、実際の授業は、本当に45分だそうでそれを編集して縮めているとの事です。生徒のタレントさんは、よく聞き質問積極的にするそうで、大学の講義よりも楽しいと聞きました。

見ていて「おやっ」と思ったことは、いつもは仰らない「珪藻土は化学物質に対し有効」ということを番組中では仰っていらっしゃった事。聞くとスポンサーへの気配りではないかとの事。なるほど!!納得。(^-^;

綺麗な空気を得るために「月々400円かかることが充分意義のあること。」水はたった一本0.5kgで120円することを考えれば、一日で呼吸する空気の量は12kg。400円÷30=13円 13円/1日で綺麗な空気を吸えることということはわかりやすい表現でした。


新潟 「緑の家」の外壁 こだわりの手仕事の塗り壁③ 性能評価住宅

このビニールに包まれた塊は何でしょうか?

そうですね。古いレンガ(リサイクルレンガ)です。一度溶鉱炉などに使われたレンガで、溶鉱炉の寿命で解体されたものを購入して新たに使います。普通のレンガと違い「耐熱レンガ」ですので、使えないことはありませんが屋外には不向きです。特にこれを使ってバーべキュー炉は造れません。なぜなら耐熱レンガを耐熱レンガとして使う場合は、「モルタル」と呼ばれる建築のモルタルとは全く別物の素材のモルタルで積み上げるのですが、これは水分に弱く、屋外では使えません。だからといって、普通のモルタルで造ると、あっという間にモルタルが割れ崩壊します。ですので、これを再び耐熱レンガとして使いたい場合は、雨がかからないように屋根の下か屋内で炉を作ることになります(その場合、新品の方が良いですね)。

さて、話がそれましたが栄地区の今回の家では、これを薪ストーブの周囲と玄関の床として使う予定です(普通のモルタルで積みます)。この欠けた所や、色むら、製品番号がなんともいえない味を出します。見学会でご覧いただければ、本物の耐熱レンガの良さがわかると思います。多少砂っぽいところが欠点ですが、普通のレンガでは表現できない雰囲気が良いですね。

下写真は、4年前位に使った時の積み上げ施工中のものです。


新潟 「緑の家」の外壁 こだわりの手仕事の塗り壁② 性能評価住宅

いよいよ完成間近になり足場が取り外されました。いかがですか?シェーカー調を思わせるようなシンプルで装飾のない外観。ちなみに屋根のブルーは、まだできていない薪ストーブの煙突です。

この家の完成見学会のご案内はこちら

Sdim5308 足場が外れた今日、もう一度壁の状態を撮影して見ました。程よい鏝跡ですね。

Sdim5323 アクセントは木の雨戸。屋根とのカラーコーディネイトが良い感じです。

Sdim5320 おまけにお風呂場の仕上げの様子もご紹介。真っ白なタイルに天井だけヒノキを貼ります。浴槽も洋バス(輸入品)を使います。


新潟の住まい 「緑の家」の 耐久性はバランスが重要

一昨日はとても感謝する事がありました。コンビニから私が出るときに、ちょうど外から小学校5年生くらいの男の子が入ってきたところでした。その男の子は私が思いもせぬ行動で、私が出るまで戸と抑えてくれてたので、思わず振り返って笑顔で「ありがとう!!」というと、男の子の顔は、ぱっと花が開いたように笑顔で返してくれました。多くの人がこのように出るまで戸を押さえていてくれる場面は少ない世の中です。それだけでも感謝しますが、それ以上にありがたかった事は、「ありがとうという言葉は笑顔とセット」ということを思い出させてくれたことです。戸を持ってた人が大人だったら私はこのように笑顔でありがとうと言ってません。だから感謝する気持ちが上辺だけになるのですね。ありがとうと笑顔(心)はセットで・・・。感謝です。ありがとう!!(*^-^)

さて本題。

15日のブログでは、耐久性の順位が重要と書いた。たとえばこの写真中央の屋根はまだまだ当分寿命はこないだろう。谷もなく健全な計画でかつ安田瓦という耐久性の高い物を使っている。あと50年はいけるのではないか?しかし、樋や外壁はこれから20年もたないだろう。さらにたぶん温熱性能は低いと想像できるので寒い家ではないか?すると家主の代変わり時には家の建替えとなり、まだまだ使える瓦はごみとして処分される。家はおのおののバランスが重要である。

4年くらい前にお手伝いさせて頂いた建替えの家は、その3年前に瓦だけ数百万かけ瓦を葺き替えたとおっしゃっていた。しかしその後すぐに建替えたかというと、とても寒くてじめじめした家だからだ。このように家の持つバランスがくずれていると、家主は躊躇なく建替えてしまう。バランスを考えた家にする事は、その家の持つ耐久性を無駄なく発揮できる条件である。 誤解のないように・・・私は瓦屋根は大好き。それ自体土で、役目を終わったらまた土に返るだけの貴重な素材。


より一層精進します。

長期優良住宅先進的モデル事業に応援、又期待して頂いた皆様、誠に申し訳ありません落選でした。原因は当方の力不足です。心からお詫び申し上げます。

独立法人建築研究所(建研)より昨日発表がありました。いつも気にして(楽しみにして)この建研のホームページを最近は毎日のように見ており、当事務所に連絡メイルが来る前にわかりました。とても残念です。今までこのような補助金は、手ごたえがあると必ず当選するのですが手ごたえとその裏づけがあったにもかかわらず、採択されませんでした。裏づけは、4月の下旬頃、建研からメイルで追加資料の要請が2度ほどあったのです。だから「これはいける!!」と思ったのですが、よく考えて見ると最後「手違いだった」と謝罪メイルが来たのです。これが今考えて見ると少し違和感があります。(会社名を間違えているが、内容は提出内容の質問に合致・・・。〇△〇は伏せてあります。)ちなみに採択された事業はほとんどが大手メーカーか共同事業体でした。とても悔しい気持ちです。期待と応援してくださった皆様に心からお詫び申し上げます。

下は2度目の資料依頼メイル。一度目は資料送付済み。

****************

株式会社  〇△〇ニシア
浅間 秀樹 様
先日は、御社のご提案『環境配慮型・長期優良住宅先導的モデル事業』 について、
追加資料のご提出にご対応いただきありがとうございました。
ご提出いただいた資料についてですが、以下の指摘事項について、今一度以下の資料を追加してご提出いただきたく、宜しくお願い申し上げます。
・中古住宅の流通に役立つ新築時の情報は、どのように管理されるでしょうか。
短期間での作業ならびに重ねてのお願いとなり誠に恐縮ですが、ご回答はメールまたはFAXにて、 5月1日(金)正午までにお願い申し上げます。
***********************************************
 (独)建築研究所 長期優良住宅先導的モデル事業評価室
*********************************************** 

最後にきたメイル
*******************
有限会社オーブルデザイン 
浅間秀樹 様

先ほどはご連絡いただきありがとうございました。
4月28日の回答締め切りで追加資料を依頼した件につきましても、
当方のミスにより関係のない問い合わせ内容を浅間様宛に送付してしいたことが
わかりました。

期日内に資料をご提出いただきましたにも関わらず、
このような事態を招いてしまい、ご迷惑をおかけし大変申し訳ございませんでした。

今後はこのようなことが起こらないよう、気をつけてまいりたいと存じますので
何卒よろしくお願い申し上げます。


以上
********************************
(独)建築研究所
長期優良住宅先導的モデル事業評価室
********************************




----- Original Message ----- From: "オーブルデザイン浅間" <arbre@cocoa.ocn.ne.jp>
To: "評価室"
Sent: Monday, April 27, 2009 11:37 AM 
Subject: 再送 Re: 長期住宅質問【回答締め切り:4月28日】

評価室様

26日にお送りした添付ファイルの3ページ目が欠落しておりましたので
改めてお送りいたします。申しわけありませんでした。

----------------------------

この度はお問い合わせ頂きありがとうございます。
応募事業提案名「緑の家」長期同調型
の代表提案者の浅間秀樹です。

頂いたご質問の返答を「添付WORDファイル」でお送りいたします。
ご査収のほどよろしくお願いいたします。

新潟県三条市荒町2-2-21浅弘ビル3階
有限会社オーブルデザイン 0256-31-2250 
代表取締役 浅間秀樹 



評価室 さんは書きました:

株式会社〇△〇ニシア

浅間 秀樹 様

 この度は、平成21年度第1回長期優良住宅先導的モデル事業にご提案をいただ
きました。
 現在、応募提案の評価中でありますが、御社のご提案『環境配慮型・長期優良
住宅先導的モデル事業』
 について、以下の資料を追加してご提出いただきたく、宜しくお願い申し上げ
ます。

 
 ○ ①不同沈下した際の具体的なジャッキアップの方法をお示しください。
   ②基礎を頑丈にして住宅全体が重くなることによる、軟弱地盤上での沈下
の可能性についてどのように評価しているのか、
   具体的にお示しください。

 短期間での作業となり誠に恐縮ですが、ご回答はメールまたはFAXにて、4月28
日(火)昼12時までにお願い申し上げます。

***********************************************
 (独)建築研究所 長期優良住宅先導的モデル事業評価室
***********************************************





  

新潟の住まい 「緑の家」の 耐久性の順番は基礎→構造(断熱含)→屋根

緑字2010年修正。

最近HP中やブログでもお伝えしたように、長期優良住宅やCASBEE評価のおかげで、耐久性のある住宅について提案しよく考える。そこではっきりしたのが、久性を上げる部位の順番である。

「緑の家」の屋根は標準でガルバニュームかアスファルトシングル葺きである。大手ハウスメーカーでは瓦が一番多い。たぶん営業しやすいから・・・。「屋根の耐久性は瓦が一番!!少し高くても瓦がいいですよ!」というだろう。しかしオーブルデザインでは違う。オーブルデザインの「緑の家」では基礎に最初にお金をかける。次に構造(断熱含)そしてまだ資金があるなら屋根にかける。なぜか・・・?昔(2000年前)からつい最近(100年くらい前)までそうだったから。とても営業しにくいが、でも歴史がその理由を証明してくれる。

木の住宅は2000年以上前からある。今までどのような経緯で部材ごとの耐久性を考えられてきたか、歴史を振りかえる。

まず屋根

最近は金属性の屋根(ガルバニューム)、和瓦を代表とする焼き瓦、コンクリート系のスレート、アスファルトシングルのような石油加工品が多いが、ほんのちょっと前(100年)は、植物系屋根が主流で、一般の民家はほとんど木やカヤの類の屋根であった。木の屋根の耐久性も実はそんなに悪くない。30年くらいは大丈夫という調査もある。つまりほとんどの家が30年の耐久性の屋根を使っていた。そして一部の邸宅や社寺仏閣は瓦と銅板で屋根を作っていた。その中でも銅板は最高の耐久性を誇り、200年の寿命があるとまで言われる。(瓦は100年以下)。近年銅板は酸性雨の影響で著しく短寿命となったらしい。60年~80年が一般的な銅板屋根の寿命と思われる。さてお分かりだろうと思うが、屋根材は長持ちすればそれに越したことがないのであるが、瓦や銅は高いので30年くらい持つ木の屋根で問題なかった。木は日本の至るところにあるのでそれが普通と考えていた。ではなぜ木の屋根がなくなったかというと、頻繁に類炎する火災のせいである。現在法律上屋根は「燃えにくい」素材で作る事が義務付けられている(関東大震災で大きく変わった)。だから木、カヤから瓦に急に置き換わった。しかしコストの理由で耐久性のないセメント瓦やアタンと呼ばれた亜鉛鉄板が多く使われ、それがあまりにも短寿命(10~20年)だったため、「焼き瓦でなければだめ!!」というイメージが定着した。

次は外壁

現在の外壁は説明するまでもないと思う。屋根と同様に少し前(70年)の外壁の主流は木と土である。木の耐久制は40~50年くらい、土は50年くらいといわれている。現在木の外壁は屋根と同様火災に弱いとの理由でなくなった。また土壁は工期がかかる=コスト高の理由でなくなった。比較的簡単にメンテナンスできる部位でもあるため昔から外壁は30~50年くらいが妥当と考えれれていた。

次は構造

昔は木の構造しかないので木の構造で考える。普通の木の構造は土台周りのメンテナンスができれば100年くらいは大丈夫。今まで取り壊される理由が「木の構造が先に寿命を迎えたから」という家は少ない。だからその期間に訪れる地震に強い性能や、快適性が重要である。

次は基礎

昔の基礎は丸石(自然石)を並べただけのもの。だから現在の基礎と直接比較はできない。というのは昔はこの丸石単体で基礎と考えるより、その地面と丸石一緒で基礎として考えていた。家を造るにあたって先ずは地面の安定しているところを探した。そして地面を安定強固にするため、「よいとまけ」をおこなう。よいとまけを見たのは私がまだ幼稚園のころであり、それを最後に見なくなった。このように劣化が考えにくい地面と一体で考えられた丸石を含む基礎の耐久性は、大地震が起こるまでの「無期限」ともいえる。

次は設備

昔の設備といえば「かまど」「雪隠」「井戸」「囲炉裏」であろうか?この耐久性はすべて日常でメンテナンスを必要としているので他のものと比べることはなかなかできないので省略。

最後は窓

昔(100年以上前)は柱と柱の間に入る木の板が窓となる。耐久性は、その部材がなくてもOK(お金がない家は、木の変わりにわらや植物で遮っていただけ)という時代だったので耐久性という概念はなかった。

さて、これでお気づきになったと思う。耐久性は家は作る順序と同じように考えていた。家を最初に造るときは地面(基礎)工事から始まって、木の構造→屋根となる。だから屋根の耐久性はこの三つのなかでは一番低くても仕方ないと考えた。屋根の葺き替えは他の部位に関係のなく単独でできる工事であるから、木の構造や基礎よりも低い耐久性でOKだったのである。それに比べ基礎は、直す事ができない部位だったので一番高い耐久性を求めたのである。今でも清水寺、善光寺など有名な神社では檜皮(ひわだ)で葺いている。これはヒノキの皮で耐久性は50年程度なので、そのつど葺き替える。意匠的な理由であるが、致命的な欠点ではないので現在も受け継がれている。

次に木の構造はどうだろうか?この木の構造を長持ちさせるために昔の家の基礎(床下を含む)は、人が常に入れる高さがあった。木の構造の中でシロアリ、腐朽などの弱点となるのは基礎周囲。その部位のメンテナンスさえ行えば木の構造の耐久性はぐっと上がる事を歴史は証明している。緑の家もこれに習っている。まず最初に基礎や基礎高を重要視ししており、さらに木の構造(断熱気密も含む)、さらに資金があれば最後に屋根となる。屋根の耐久性の目安は30年以上、逆にそのくらい経てば、雨どいやサッシなどに寿命がきて、いっせいに外皮のリフォームできる。

さて、蛇足であるが60~100年耐久性のある焼き瓦でも谷や見切りは金属でできている。この金属は普通はステンレスであるが、悪い工事の時はガルバニュームとなる。そのガルバニュームの寿命で屋根の寿命も左右されてしまう場合がある。取替えは瓦全部ではないのでコストはそう大きくないが、それでも足場がいるのでそれ相応にコストがかかる。無論ステンレスでも耐久性は焼き瓦より低いとされる。


新潟の住まい 自然素材の白い家 性能評価住宅 耐震等級2の完成見学会②

が長くなりました・・・。

新潟県の夕日ですね。規則正しく並ぶ影。田植えが終わって水がはられた水面に、黄金の道が太陽まで続きます。

昨日お伝えした三条市に建築中の「緑の家」のキッチンは、流し台も含むすべてを腕のよい「オグラ大工さん」が担当し作ってます。若い大工さんですが、きっちりした対応と判断の的確さが伝わります。

大手メーカーが造るどんな高級システムキッチンでも、仕切り板はフラッシュといわれる中が空洞な板です。叩くとぺこぺこと音がするのがフラッシュ板です。それに比べこのような大工さんが作るオリジナルキッチンは、すべて無垢(ソリッド)でできているので、叩くとコツコツと質感が違います。手仕事の良さが伝わるキッチンです。

また、このような造りつけキッチンの良さは、写真のようにコンセントやスイッチがキッチンセットに埋め込むことができるので、デザイン的にも使い勝手も一番よいところに設置できます。こだわりのスイッチ位置は、このように天板下に規則正しく並びます。


新潟の住まい 自然素材の白い家 性能評価住宅 耐震等級2の完成見学会

白壁に拘った家・・・。見学会行います。

日時 6月20日(土)21日(日)いずれも10時から17時

場所 三条市鬼木

外壁も真っ白。内壁も真っ白のシンプルな家。左官職人による、手塗りの壁の雰囲気を残すため、わざとこてムラを残す・・・。

店舗外装などはもっとこてムラを残している仕上げもあるが、これはだめ。数年建つとこてムラの上部出っ張りに、埃が付きとても見苦しい。この微妙な加減が住宅ではベスト!!写真でわかりますか?この感じ。真っ白に拘ったため、今回の外壁は中霧島壁や漆喰ではないけれど、充分吟味したもの。

下地も以前お伝えしたとおり、木で造るざら板の上に、モルタルを塗った本物志向(上写真)。

この真っ白な壁を活かすため、この玄関アプローチはわざと窓なしの4mの大きい壁のみ。洋風建築は「壁」の存在感が命。その「壁」が職人の手による真っ白い左官壁、言うことなしですね。綺麗です。

外観はこのような感じです。勾配のきつい屋根はシングル葺きで仕上げ、真っ白い塗り壁に上げ下げ窓(木の雨戸もこれから付きます)。この真っ白い壁を守るために屋根はある程度軒の出を確保。木の外壁の納屋を隣に計画。お隣さんの松の木が見えなければ、日本ではないような雰囲気の家。内部もこだわりぷんぷん。照明器具から扉の取っ手まで、建て主さんが捜し歩いて決めたもの。このご紹介とこの施工を行って頂いている高い技術力の常務さん率いる腕のよい職人集団「吉田建設=よしけん」さんのご紹介は次回のブログで。


新潟の住まい 自然素材と耐雪2m、高気密高断熱の家 完成見学会

赤字訂正 2008.05.16

無塗装の外壁の家。これからの主流の自然素材の外壁・・・。完成見学会を行います。

日時は6月13日(土)、14日(日)の10時から17時まで。

場所は三条市荻掘です。

この外壁を見に来るだけでも価値ありますよ!!。コストも標準のガルバニューム外壁より15万~25万/一軒UPでOK。手で触ってみてください。やっぱり自然素材は無塗装でこそ価値があります。

性能は耐雪2mでQ値1.91.7w/m2kと、共にハウスメーカーが採用している積雪基準、次世代断熱基準の2倍、1.3倍も高い性能。無論耐震性は、性能表示の等級2相当の質実剛健の家です。

PS

予約は不要ですが、「ひやかし」等はプライバシー保護の点からお断りしております。


新潟の住まい 建築士に必要なもの・・・

ビオトープ・・・。ドイツで生まれた概念。水場を中心とした最小の循環環境が明確にある場所、仕組みをさす言葉と解釈している。

我々建築士は家の事ばかりではなく地域環境にも気を配る。 仕事としては幅広い守備範囲がある職種だと思う。だからこそ、耳を傾け心を澄ます事を常に意識しなければならない。この写真は妻が世話している自然農園(スパイラルガーデンと呼んでいる)で見つけた「オニヤンマ」の羽化風景。小さな小川が流れるスパイラルガーデンの傍らに水場があるが、娘がその付近で羽音がするので目を凝らすと、大きなトンボがちょうど羽化中。ちょうど羽を乾かしているところ。オニヤンマの抜け殻=ヤゴは3体(写真は2対のみ)あるが、羽化中は1匹。たぶん兄弟は既に飛び立ったのだろう。このトンボがその輝く翼で羽ばたくものもうすぐ。

そして3時間後その姿はもうない・・・。


新潟の住まい 自然素材と高気密高断熱の家の美しい下地

現在三条市で施工中の「緑の家」SS仕様。外観はデザイン性と間取りの融合を重視した切妻。まだ施工途中であるけれど、美しい家は下地施工中でも美しい。

写真は中霧島壁を塗る前の下地組み。通気層を幅広の貫材をとり、下地の板をわざと斜めに張る。斜めに張ると三角形ができ建物の剛性があがる。その造詣がつくる美しい模様は杉織綾(ヘンリボーン)。確かにこの板は杉材である。杉綾織りはニシンの骨模様からだと思うが、もしかしたら・・・と思わせる。木でできたヘンリボーン まさしく「手仕事」の良さが光る。またこの斜め板が通気層の補助部材として、縦横の通気を可能にしている。

美しい軸組み・・・です。

主要なサッシは木製断熱窓アンダーセン400シリーズ。チタンコーティングのアルゴンガス封入のペアガラスのアンダーセンは、内側が無塗装のパイン。外側が樹脂コーティングされた木で、木製窓でよくありがちな数年おきのメンテナンスが不必要。K値は1.6W/m2k(最近のデータでは1.7に括られてている)ととても優れもの。


新潟の住まい 床下暖房の問題点とよい点

最初にこの論文から・・・。

これは、昨年の精査された建築学会の論文文集から松鵜、石松、龍氏らの論文からの抜粋である。この論文は「省エネルギーを目的とした地中熱利用ピットや自然換気装置が採用されている建物の微生物による空気汚染を調査したものである。結果は、戸外と比べ室内環境が高濃度になりやすく、維持管理基準をクリヤーできなかったとされている。地中熱利用ピットとは、少し半地下のような住宅の床下のようなところで、その空間に屋外空気を流して室内に取り入れ、地中熱を利用しようというシステム。結果の図のとおり、確かに室内のほうが微生物の出現数が数倍高い。確か当ブログでは、微生物濃度は、森のほうが大きいときがあったと報告した論文をご紹介した。そこから考えるとこの程度あればそう問題ないが、この建物はまだ築3年程度であり、塵や汚れがピットに多くあると考えにくく、15~20年後はどうなっているか今後の調査が待たれる。

話題を題名に戻すと、事務所設立当時から、一戸建て住宅で床下から暖を取る「床下暖房」については2つの問題があると指摘してきた。この4~5年間で当事務所も2棟ほど採用し、巷でも最近多くの住宅で採用されているがもう一度問題点を整理して見ると・・・、

①ある特殊工法(屋根で空気を暖めそれを強制的に床下に入れる)では、外壁の中や土台付近には、シロアリ防蟻予防材や、防腐材が塗布、注入されている。その中を循環してくる空気は綺麗とはいえない。

②床下を暖める床下暖房は、床裏から直接伝熱してくる熱だけでは不足なので、床下の温まった空気を1階居室に入れ、空気対流で暖める。この時、床下の空気が清潔とはいえない。

である。①は、新潟県では採用事例が少ない。仮に採用例があったときでも現在は防腐剤を使わなくてもよい通気工法を採用している会社が多い。そのため防腐防蟻剤の点では問題はなくなりつつある。但し、壁内は薬による害はなくても、10年くらいたつとごみや虫の屍骸がたまり衛生的とはいえない点は未解決。

②は、解決できる問題もある。②の最大の問題は、壁の中と同じように床下がゴミや虫の屍骸で衛生的とはいえないことである。新築時は確かに綺麗である。しかし掃除ができない床下はいつかはゴミ、虫の屍骸、もしかしたらねずみやゴキブリの屍骸があるかも知れない。そんなところの空気を居室に取り入れ暖房に使っていて平気か?私は抵抗がある。

「でも御社でも採用しているのはどうしてですか?」という問い合わせを頂く事もある。その時は、「当社の「緑の家」は床下内に人が簡単に入ることができ、自由自在に活動できる最低の高さを確保してある(基礎高1m)。勿論床下を掃除することも可能。だから建て主さんがそれを了解して床下暖房望めば、床下暖房にしている。」という返答になる。また基礎から発せられるコンクリート臭は、積極的に空気が入れ替わる床下暖房ではそう問題ではないことがわかった。確かに集合住宅ではコンクリート住宅が多い。コンクリート特有の「灰汁臭」が強烈だったらすめないであろう。積極的な床下利用で空気が換気されれば、灰汁臭は問題にならない可能性が高い。

よい点は床暖房のような快適性が最低レベルのランニングコストで可能ということ。これに尽きます。またイニシャルコストもエアコンと基礎高アップだけなので経済的。

そこでこれからオーブルデザインの勧める家は「床下暖房+床高1.4m」が多くなるであろう。勿論その熱源は以前と変わらず「エアコン」である。最近のエアコンはフィルター掃除が10年間いらないため、益々便利に使える。エアコンによる床下暖房万歳!!になるはず。 下写真は1.4mの床下内に設置されたエアコン。床は綺麗に塗装されている。


新潟 住まい 連休中の寺泊は・・・

寺泊は、5月の連休と夏に人口が急に増えます。県外からの観光人で車のナンバーは「群馬」「千葉」「湘南」「練馬」「長野」「山形」「宮城」「福岡」?・・・ともうナンバーパレード状態。

朝8時を過ぎれば歩道も歩く人が多くなりにぎやかです。人が多いところが苦手な拙者でも、この寺泊の人の賑わいは気持ちの良いものです。寺泊は観光地なので、ほとんどの人の顔がリラックスしており、こちらも自然と笑顔になります。それが良いのでしょう。

この土地にご縁があって18年前から住まわして頂いていることに感謝。今日の夕方は氏神様である町内の金山神社の旗下げ(昨日今日とお祭りだった)に行きます。      合掌


新潟 海 自然 家 連休中の海

拙宅の夕日のあたる外壁。築18年になろうとしている拙宅であるが、外壁を3年前に杉の無塗装の羽目板に貼った。西の壁と東の壁の痛みや色の変化は全く違う。西は猛烈な季節風が吹きつけるので、あっという間に外壁が研磨されるような状態になる。無塗装でなかったら、まだら模様になっていたはず。ソリッドの無塗装の木であるため、一様な雰囲気のある外壁の顔を見せる。海という自然が強すぎるところほど、無塗装である自然素材がよい。但し木は雨に弱いので屋根のないところは、ガルバニューム鋼板(海まん前でも大丈夫)。

こちらは2年前に増築した車庫の上の屋上菜園。今ある緑は殆どこぼれ種(らしい)。ねぎ、パセリ、ブロッコリー、シソ・・・。みょうがの芽も出てきてそろそろにぎやかになりそうな気配。

管理者の意向により完全無肥料、無農薬。自然マルチミミズ入り

18年で周りに家ができてきたけれど、それでもまだ夕日はしっかりと見れる。今日一日感謝です。

(写真はすべて連休初日撮影)


新潟 「緑の家」の外壁 こだわりの手仕事の塗り壁 

現在三条市栄地区で建築中の「緑の家」の外壁工事が始まった。この外壁は、職人の手塗りによるモルタル塗りの外壁。昔はどの家でも左官工事は必ずあり、写真左端に写っているような電動ミキサーが工事現場においてあった。最近は「現場作業が無い、早い、ノン職人」がもてはやされ、職人中の職人芸の左官工事は殆どなくなった。

モルタル塗りの外壁の歴史は古く、戦後(60年以上前の第二次世界大戦のこと)の復興住宅から関東でたくさん造られた外壁。シンプルな外壁で所謂モルタルを厚さ20mmで塗って仕上げるもの。現在も根強く残っている数少ない外壁工法。

最近は厚さ14mmの工場で作られた外壁版を釘で貼って仕上げるようだが、やはりこだわりの建て主さん。本物の左官壁(モルタル)が好みということで、コストはかかるが、モルタルの外壁をチョイスされた。

現代のモルタル外壁は通気工法で作る。昔は通気工法がなく、壁が黒くかびる事があった。通気工法は通気胴ぶち(貫材)を455ピッチで縦に入れる。このとき外断熱工法では、ビス数が通常の倍になる。更にオーブルでは通常の倍以上の幅105の通気板を使う。その上にザラ板を釘3本で打ち、タイベック(通気工法でない場合は必ずアスファルトフェルト)をタッカーでしっかりと止める。

その上からラスを入れる。ラスとは針金をネット状にし(針金ではないのだがそう見える)、メッキ施してある。ラスも安い物だと厚さはまるっきりないが、オーブルでは山高10mmの物を使う。これを使わないと20mmの厚さまで塗ることは難しく、剥離しやすい。決められた重ねや、開口部補強を施し、モルタルを11mm前後木ごてで塗る(下塗り)。

何気なくすばやく塗っても職人さんが塗ると平らになる。すごいね!!

この後中塗りを施し、仕上げに今回は珪藻土入りの樹脂モルタルで真っ白に仕上げる。この時こてムラはわざと残すが、汚れが上にたまるようなことはしない。あくまでもムラ程度で仕上げる。写真は下塗り後のもの。中塗り仕上げは又後日ご紹介する。今が面白いところ。この施工をご覧になりたい方はご案内します。

バルコニー部分の下塗りが終わったところ。

さてこの家の内部は・・・

2階は 木組みが露出する緑の家。


新潟 「緑の家」のお引き渡し 

昨日、「緑の家」の増築のお引き渡しを行った。

4年くらい前にお引渡しした母屋の「緑の家」と同じくらいの規模の増築。所謂「スープの冷めない距離」に親子で住まうための増築。お父様の大事にされていた「金木犀」は新しい部分の玄関納まるように計画。この金木犀ので、玄関アプローチの雰囲気がとてもよい。切られることなく移されることなくうよかったね。ありがとう、これからもよい香りを運んでね。と願う。

ベージュの家が4年前の「緑の家」。白いほうが今回増築した「緑の家」。全く違う色なのに、なぜかつながりが感じられると思ってます。やはり設計者が同じだからでしょうね。

今回、増築ということと、工期の関係で完成見学会は行いませんでした。残念です。しかし次回は三条下田地区で行います。外観からもう既に「緑の家」で、今後一押しの無塗装の木で囲う緑の家。耐雪住宅なので限りなくシンプルですが、内部のいつもの木の家。なんとシアタールームがある家です。ご期待ください。

今回の内部は、建て主さんのご希望でなんと12年ぶりに「新建材」の床でした(最初から床が光っています)。私にとって新しいのに懐かしい感じです。床や扉は新建材なのに壁、天井にはビニールクロスは一切使ってないので、新築臭はほとんどありません。新築臭の犯人はやっぱり「ビニールクロス」ですね。

新築の際は、壁、天井のビニールクロスだけはよくお考え(新築臭を体験して)になって使ってくださいね。新築臭が好きな人もいると思いますが、私にとってなじめない匂いです。