これは私がとても大好きな天然素材の土留めや塀です。現在三条の現場で積み上げ中です。
一人でこの石を積んでいる職人さん(写真奥に写ってます)は腕がよいですね。丁寧に感じよく自然に積み上げてます。いい感じでしょう?
この石を初めて使ったのは拙宅で6年くらい前でした。
外壁の自然素材ととても合います。
もともと住宅で使う石は地産地消の代表選手です。石はその重さゆえ掘り出し、運賃がほとんどで、運賃が大きいということは運輸で使われるエネルギー(CO2排出量)が多くなるということです。ですので昔はその地域で取れた石を使っていたのですね。
新潟県の平野では、石垣というと川原から取れる「ごろ石」と呼ばれる基礎の下に使われる石のように丸い小さな石です。手で持てるくらいのこの石を、大きさと色の揃っている物を選別し石垣に使用してました。でも大きさや色を揃えると和風の感じが強いので「緑の家」では、大きさも色も不ぞろいな石をあえて使います。色だけは茶系が多くなるようにお願いします。産地は五泉市です。新潟県は信濃川の支流から良いごろ石が取れます。下田地区はこの「ごろ石」積みの小川が多く見られます。また長岡地区ではこの「ごろ石」の石垣が多く見られます。地場に根付いた塀ですね。
最近美しいプロポーションを持つ新潟市の県民会館(設計=佐藤武雄1967年)の正面アプローチにも同じような石塀があることに気づきました(リンク先写真最後)。
http://www.avekk.com/~mado/view/niigata/view22.cgi?mode=main&cno=2
40年以上経っても美しい塀です。
材料の石はこんなどこにでもある普通のごろ石ですが、
完成すると他では見られないほど雰囲気のよい石垣になります。
松葉菊との相性も抜群ですね。石自体は4トントラックいっぱいで6万程度と格安ですが、積み手間は多くかかります。もし時間があればDIYで挑戦できますね。