本当は8月着工だったSSプランの長期優良住宅が、ようやく着工となりました。この遅れはひとえに当事務所の詰めの甘さによるものです。この場を借りてK邸の建て主様にはお詫びいたします。遅れた原因は、予定金額と見積もり金額に差(6%強)がでたためです。その調整に時間を費やしてしまいました。本格的超断熱のSSプランの最初とはいえ力不足です。
予定通り長期優良住宅認定では何も問題がないのですが(太陽光パネルの重量が意外と効いた)、とにかく書類の枚数多さだけは閉口します。コピー用紙1500枚くらい使った気がします。これは構造計算書だけで150ページ、気密断熱計算書20ページ、他書類10ページで計180枚と図面A2-15枚を5部用意します。構造計算書は一項目でも指摘があると全部取替えで、一度屋根荷重の見解が審査機関と違い取り替えました。最近太陽光パネルが結構採用されますが、この屋根荷重を皆さん構造計算で入れてますか?耐力壁一枚分くらいになりますよ。
長期優良住宅の審査をする新潟県建築住宅センターの担当者にお聞きすると、7月末現在では一軒も合格していないとの事。昨日のブログでは新潟市のでも10棟くらいの審査が済んでいるのでたぶん他の機関で申請したようです。新潟県建築住宅センターの申請の全てが「構造の安定性の項目」で水平剛性(床や屋根の強さ)で勘違いやミスをしているとの事。やはり構造性能表示の等級2はなかなか理解されていないようです。水平剛性は耐力壁の区画とともに考える家の耐震性の重要ポイントです。当事務所は全て等級2で計算しており、多少の吹き抜け、大きな空間も等級2で全て可能です。この等級2は長期優良住宅の性能では最低レベル耐震性であり、広いプランが必要だから少々床が弱くても等級1が良いとは、技術者と建て主さんは考えません。ただ等級3になると少し大きな吹き抜けは耐力壁区画に注意が必要ですので一考ですが・・・。
さて、この度のSSプランの長期優良住宅は
なんと、何と、耐震等級3(最高値)です。[E:scissors]
しかも1階は25帖の広い空間があり、吹き抜け約6帖もあります。これで等級3が取れるのはやはり最初から構造を念頭に考える設計事務所のプランだからだと自画自賛です。
さっ、更にQ値0.98W/Km2(次世代断熱基準の3倍)
で性能評価を取りました。もうこれはすごい家です。開口部は大手メーカーや建築会社にありがちな付属断熱(ハニカムサーモや障子)に頼らず、実際の日常生活どおりのサッシのみで達成しております。この超断熱はKさんのご要望ですが、更にKさんは太陽光パネルまで設置する予定です。そして極めつけは排熱利用設備室がある高基礎1.4mの家で床下暖房と超軟水器によるる洗剤軽減!!!!
もう自立循環住宅のお手本のような本当にすばらしい性能の家です。こんな家に私も今すぐ住みたいです。
まだまだあります。内装はほとんど天然系素材になる予定です。壁は化学物質添加なしの漆喰塗り、床はいつもの国産ヒノキ無塗装、窓枠は国産杉無塗装、玄関シロアリフリー構造です。
長期優良住宅補助金対象で上棟後の構造見学会が義務付けられておりますので、たぶん10月の中ごろ行います。場所は新潟市鳥屋野です。ぜひ「30年後の標準」の家の性能を見に来てください。お待ちしております。 o(_ _)o