「 2009年09月14日 」一覧

新潟 家 こだわりのデザインは細かいところから


「オーーブルさんの家は何となく整っている」とか「何か違う」といわれます。それは細かいところにポイントがあります。同じ自然素材のインテリアでもちょっとした違いが完成に影響します。今日はその中でもすぐにわかるポイントを2つ。ここで紹介すると直ぐに真似られる恐れもありますが(いつもお越し頂いている半分の方は、同じ業界の方です)、オーブルデザインは太っ腹。建て主さんの利益になれば、また自分自身のレベルアップ意欲をかき立てるので、どんどん紹介してます。それでは

上の写真は先日の見学会のリビングです。中央の壁に「え」と書いてあります。これはここに絵やフォト、タペストリー等を飾る場所という意味で、フォトショップで合成しました。通常飾るのはこの高さですね。

この写真は同じようですが何か違います。わかりますか?

そうです。スイッチの高さが違うのです。普通のハウスメーカー、工務店さんはスイッチの高さは床から1200mmくらいです。なぜか理由はわかりませんが、必ずこの高さです。
でもこの高さだと絵と干渉して美しくはありません。
先ほどの上の写真はオーブルデザインのスイッチの高さです。床から834mmです。この高さが、絵等を飾っても邪魔をしません。加えてユニバーサルデザインで、車椅子の人でも、小さなお子様でも手が簡単に届きます(子供がスイッチでいたずらするのは躾の問題ではないかと思います)。だから全建物は全てこの位置です。電気屋さんは最初戸惑いますが、つけて見ると納得です。

次にこの造り付け家具をご覧ください。良い雰囲気ですねよね。それは下の赤丸の取っての位置がポイントです。シンプルなこのつまみ取っ手は下の赤丸位置がベストです。位置は芯寸法XY共に30、30mmです。取ってによって変わるこの寸法は、家具屋さん任せにはしません。

一般の家具屋さんが付ける取っ手位置は下の写真のような中途半端な位置です。しまりがないような気がします。

如何でしょうか?小さなことが大きなインパクトになる時があり、そんなことを設計事務所はいつも考えてます。りんごのマークでおなじみのアップルの製品はシンプルで美しいですのよね。当事務所でも
「どこが一番美しいかな?」
「もっと良い方法なないかな?」
「もっとシンプルに・・・」
といつも考えてます・・・。


新潟の家 床暖房の正しい評価 その2

2007年10月のブログに「床暖房の正しい評価を!」と題して少し批判めいたことを書きました。その後学会では毎年追加研究発表がされており、今年の日本建築学会で発表された論文「その9」でようやく結果がでてその論議が終わりそうな気配です。

全ての写真、図は2009年度日本建築学会で発表された梗概集の中の「サーマルマネキンをを用いた室内温熱環境と暖房投入量の評価」早稲田大学 田辺新一先生ら によって発表されたものの抜粋です。著作上問題がある場合、理解に間違いがある場合はお詫びの上すぐに削除します。

今年の発表では床に投げ足で座っている場合と椅子に腰掛けている場合のパターンで、同じ快適さを得るのに必要な熱量は、床暖房の場合とエアコン暖房の場合でどの位違うかを実験したものです。
2007年の実験では床暖房に有利な普通しない姿勢である投げ足のみの評価でした。当時質問者から「こんな姿勢は不自然。暖かい床に接する面積の多い床暖房に有利では」と言われておりました。
今回の発表では、それを答えた内容になっております。

41169__2_3 まず気になる結果ですが、全て実験の断熱条件において、床暖房のほうが少ないエネルギー投入量で快適感がエアコン暖房と一緒だった。ということで、2年前と変わらない内容です。・・・が、
その結果のところに(注3)と書いてあります。これを見ると、
41169__2_2 「超断熱住宅では、暖房方式の差異はほとんどなくなると考えられる」小さく書かれております。では超断熱住宅とは・・・
この表のとおり今回の実験の断熱性能は高断熱で3.1W/m2・℃、中断熱で3.3W/m2・℃、低断熱で3.72W/m2・℃となっており、「緑の家」の標準仕様であるSプランの2.0W/m2・℃より75%から55%程度の低い断熱性能です。ということは、超断熱は2.0(Sプラン)くらいとなるのではないでしょうか?

何となくわかってたとはいえ、ほっとしました。

実験結果だけを論文に載せるのではなく、それから推察されることを注釈として論文に載せられた事は、やはり大学機関の論文は中立、公正性が高いと思います。
田辺新一先生に感謝です。ありがとうございます

ということで、建物の断熱性を超断熱にすれば、同じ快適性を得るための暖房方式によるエネルギー投入量に差異はほとんどなくなります。
注意しなければならないのは快適性の質は、若干違うということです。また同じ快適性は年齢によっても違い、拙者はほんのり床が暖かいのは年をとった時(代謝が落ちたとき)気持ちが良いと思います。←高床下エアコン暖房推奨派・・・(^-^;です。