新潟の家 エアコンマニアのエアコンの選び方と実情 2009秋

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

朝日新聞社のネットに
「エコポイント」対象でもある省エネ型の家庭用エアコンについて、経済産業省が省エネ性能の調査に乗り出す。」
と昨日掲載されました。
http://www.asahi.com/business/update/1019/TKY200910190158.html

簡単には、エコポイントがつく省エネエアコンなのに省エネにならない事例があり、これではエコポイントを付けるの意味がない。とのことです。

過去のブログや拙者が3年前に書いた論文ではエアコンは、取り付けるシェルター性能に見合った機種を設置しないと効率が落ち、COP、APFや部屋の大きさで選定するだけでは必ずしも省エネ効果がよいといえない。」と結論をまとめています。ようやく市場でも問題が提起されたようです。エアコンマニアとしてはうれしい報道です。

そもそもユーザーがエアコンを選ぶときは、まず設置する部屋の大きさを考えますよね。8帖なのか、12帖なのか?それから価格や性能、機能を選ぶとおもいます。このとき最初の選定条件である部屋の大きさ(断熱性能による負荷)が間違っていたら、正しい性能を発揮できませんよね。

この部屋の設定条件は1964年に冷房中心で取り決めからほとんど変わっていないのがそもそも問題です。当時の部屋の設定は南側の部屋の設定で断熱性はほとんどありません。そういう部屋で使ったときのCOPが一番よくなるように調整し販売されてます。しかし最近のマンションや高気密高断熱の一戸建てでは5倍程の断熱気密性能があり、小さな部屋機種でも充分冷えますし、北側向きの部屋でも同様です。

仮にJIS9612に規定された平均的な?部屋条件(暖房)でQ値を算出すると、
2600W/20度/10m2=13W/m2kとなります。
個別暖房ながら現在のⅣ地域次世代基準の5倍近い基準です。

しかしユーザーが購入する量販店で店員にエアコンを聞くと、まず間違いなく設置部屋に応じたエアコンを勧められます。いかに断熱性能がよくても店員さんは、カタログ上の冷房推奨設置面積を薦めます。なぜか?

1.大きい部屋機種ほど販売価格(儲けも)が高いため。

2.小さな機種を薦めて万一冷えなかった(暖まらなかった)場合、責任が販売店に来る。

3.ユーザーの使い方が不明のため安全率を高く見る。

4.冷房時の部屋面積で決めたほうが、クレームにならない

この4つの理由でいかに断熱性能や遮熱性能がよくても推奨機種を薦められます。つまり最近のマンション内にある12帖リビングのエアコンを購入しにいくと、店頭では冷房12帖(暖房16帖迄)のエアコンを勧められ設置することになります。しかし本来は断熱性能がよく、6帖用でも充分なのに12帖用のエアコンですから、12帖用の大きすぎる性能のため、エアコンのインバーター制御範囲を超えてON、OFF運転が始まります。するとエアコンのCOPが急に下がり、本来の省エネにはならない範囲で多く使うことになります。

また、付属機能が多くなりすぎていることも問題です。例えば「再加熱除湿」を使うと大幅にCOPが下がり省エネではなくなります。もともと除湿とは弱冷房のようなものですから、ある程度冷風が出ます。この冷風が気持ちよくないので、メーカーは本来外に排出する熱を再び室内に戻し使います。すると熱交換機の半分が使えなくなるので効率が下がます。もちろん潜熱も熱ですからそれを室内で排出する自体負荷を増やし、省エネルギーとはなりません。再加熱除湿はできるだけ使わないほうが省エネになりますが、カタログには記載されません。
また加湿できるエアコンも同じように本来の性能を削いでます。また加湿も少量で他の方法で加湿したほうが効率は高いと考えられます。

エアコン業界はカタログ推奨の大きさを自ら変えるつもりはなさそうです。というのは、

1.現時点の推奨面積のほうが機器が大きくなり、高く売れる。

2.現時点の推奨面積のほうが冷えにくいというクレームが少ない。

3.効率が下がっても付加価値で差別化をはかり販売アップにつなげたい。

ということです。1.の多く売れるということはメーカー業界にとって重要で、販売点側と利害が一致します。そこで国が実態調査に乗り出したということですね。省エネの補助金という御旗を翳せば、業界も協力しないわけには行きません。

もっとエアコンが進化してどのように使っても高効率を維持できるなら必要ありませんが、エアコンの効率が最大になるように、ひとつひとつ性能の違う家に設置するためには我々建築士がアドバイスしなければならないでしょう。また、エアコンの設置はいまや100%に近いわけですから、建築新築時にその条件で最も効率よく動くエアコンを設置しておけば問題は少なくなるでしょう。
いずれの場合でも、エアコンメーカーはもっとCOPに対する情報(部分負荷率ー外気温)を開示してほしいです。そうすればもっと最適なエアコン設置も可能です。

 有効なアドバイスが受けれない方は、今は写真の東芝PDRの6帖用エアコンがお勧めです。6帖から20帖くらいは問題なく冷える(暖まる)と思いますし、効率が高い範囲が広く、本体に消費電力量を表示して、省エネを可視化させております。またコンパクト(規定寸法)ですので、設置条件が広がります。
新築時はパナソニックのCS-X229A(設置フリー)が最高性能ですので最適ですね。ちょっと掃除音が大きいですけれどまあ許せます。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする


コメント

  1. オーブルデザイン浅間 より:

    雪が降らなくても外気温が4度になると、おっしゃるとおり室外機に霜がつく可能性が出てきます。ここからが自称エアコンマニアですが、
    通常緑の家では、エアコンは一軒に数台セットされております。数台無いと暖房できないわけではなく、10帖用(暖房能力3.2W)タイプ1台でも家中暖房はできます。がしかし新潟県は夏も暑い地域で冷房は必須です。
    この冷房は、家族内でも感覚が違い家中冷房(除湿)というわけにはいかないですね。すると各空間におのおのエアコン(2.2KW)が設置されます。それを生かして2~3台で家中暖房をします。こうすると各エアコンに掛かる負荷が定格の1/2位になり、一番効率の高いCOP(低格で6.0だったら7、8は可能)で各エアコンを弱運転することになり、とても経済的です。また暖房設備が細かく分散することで、負荷が減り霜がつく間隔をのばし、また温度ムラをなくすことが可能です(Q値2.0位の家でも快適です)。
    このように雪国新潟でもエアコン暖房できるように考えてます。

  2. 匿名 より:

    我が家は明野村(現在は北杜市明野町)の隣なので、冬の晴天率は8割くらいです。太陽のありがたみを感じています。
    雪が降ると、エアコンの室外機も霜がついて大変そうです。
    なので、新潟でエアコン暖房が使えることに、とてもびっくりです。床下暖房や、お風呂の排水排熱利用など、いろいろ勉強させてもらっています。(といっても、もう一軒建てることはないのですが)

  3. 匿名 より:

    AKI様
    ご報告頂きましてありがとうございます。
    ご自分でご自宅の調査、研究されているようで、頭が下がります。
    山梨県でここまで性能が高いと、エアコンの性能なんて二の次ですね。やっぱり家の性能が第一ですね。
    確か山梨県は晴天率が日本一の秋野村がありましたよね。多分冬も晴天率が高いはずでしょうからQ1住宅のパッシブ暖房は最高ですね。気温の割には暖房日がとっても安いし、冷房費(除湿費)も少ないですね。すばらしい。
    逆にこちら新潟県は冬の晴天率がワースト1、2を争いますので、冬は純粋な断熱性能が重要です。
    また面白い事がありましたらご教授ください。お待ちしております。
    家って面白いですよね。(o^-^o)

  4. AKI より:

    我が家は、37坪の家に、4KWのエアコン一台のみです。
    Q1住宅で、全館ほぼ均一に冷暖房できています。
    山梨県ですが、電気代はこんな感じです。
    http://akino555.cocolog-nifty.com/blog/cat15255723/index.html
    冷房は、つけっぱなしでもOKですが、暖房をつけっぱなしにすると、間欠運転で、配管中の暖かいガスが冷えるロスがでるため、電気代が高くなる傾向でした。
    なので、2年目の冬の暖房は、朝4時から朝7時のタイマーで暖房してます。(ナショナルの上位機種は、一度設定すると毎日有効なタイマーなので、楽です)昼間、天気がよければ、夕方以降も暖房不要です。