新潟の自然素材の家 論より証拠 20年経た樹脂サッシ

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先日、「これからは樹脂サッシだ!アルミ樹脂複合サッシは賞味期限間近品だ!」と宣言しました。そうしたらその記事に貴重なコメントを建て主さんから頂きました。

「樹脂サッシは紫外線劣化するので心配」
なるほど!普通はそう考えますよね。そこで論より証拠。

はい。拙宅の20年経過した樹脂サッシです。その上のアイアンウッドのすだれ掛け(夏限定)がこだわり。この窓は西の海に面しており、水面で反射した紫外線とダブルで当たる、また冬は風速30m/sが吹き付ける県内でも最も過酷な場所です。ですがサッシ表面は未だツルツルです。
どこが一番痛んでいるか?それは・・・

サッシの下に錆び汁跡がありますね。

そのサッシの戸を開けるとこんな感じです。黒い線はパッキン1で、黒い線跡は押しつけられているパッキン2の跡です。そして錆び汁跡もあります。樹脂部分はしっかりしているでしょ。パッキン跡が残るということはそろそろパッキン寿命です。
 錆びの原因は家の真ん前の「海」です(笑)。・・・ではなく、このようなサッシ付属品のステー(金物)はステンレス製なので以外と大丈夫。実は錆びはこのステーを樹脂に留めているビス受けの内部金物なのです。とはいっても樹脂内部にあるので表面からわかりません。そこから錆びがでているのです。これは樹脂内部なので部品交換できません。サッシ全体の交換になります。

あっ、パッキンより外側は外部なので一度も掃除したことがありませんのでちょっとカビっぽいですね。


樹脂部分のアップです。どうですか?エッジの一番痛みやすい部分のです。しっかり角がアールでしょ。黒い線はヒビではなくただのこすり跡や傷ですが、傷が目立つということは表面がまだツルツルなのです。20年前でもすでに塩ビ(樹脂サッシの原料)の耐紫外線劣化防止剤は相当優秀です。

いやー20年後の住宅をアップで写すなんて、オーブルデザインだからですね。普通のメーカーさんや工務店さんには絶対あり得ない写真です。
自信があるのです。自宅を(家を)愛しているのでこの時間が経った雰囲気がすきなんですね。浅間は少し(大変?)変わってます。でも家って愛着があればとても長く大事にされるのです。



因みに10年ちょっと経ったご近所さんの海側の外壁と換気扇フードと軒裏はこんな感じです。引き合いに出してしまってすみません。

まとめです。
このとおり今のサッシの寿命は20年から30年。これは樹脂の寿命というより付属品の寿命なのでアルミサッシも同じ寿命ですね。だから緑の家SSプランAグレードではサッシ交換が簡単に可能なように取り外し枠がついているのです。これが70年以上(100年)家を保たせるまじめな解なのです。超高気密住宅に20年も住んでいる建築士だからわかる事です。

大手ハウスメーカーさんは外壁に力を入れてますが、実はサッシの交換の方が大変な工事になります。外壁を壊さないとサッシ交換できない構造だから・・・。
外壁にお金を沢山かけるのは、家の寿命が30年だった今までの住宅で、これからの長寿命住宅は、サッシの交換が簡単なように考える事がメンテナンスコスト削減の上で大変重要なのです。

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コメント

  1. doping より:

    お忙しいところご返信ありがとうございます。楽しみにしております。
    樹脂サッシの耐久性を心配する施主、劣化すると思ってる実務者が多い印象で実物こそがエビデンスとなるのかなと思いましてお願いした次第であります。
    付属部品がいかれたのですね。シャノンは部品の交換が出来ることを謳っていますし、実際に30年ぐらい経ったサッシのパーツもメーカーに残っていたようで部品交換だけで済んだということも聞きましたが、修理はせず交換されるのですね。

    部品に関しては潮風の影響が大きいでしょうか。海から遠ければステーが崩壊するほどのことはないのかなと思っていました。

    パッキンは30年ほどで限界ということですね。情報ありがとうございます。

    1週間窓無しは悩ましいですね。

    記事楽しみにしております。

  2. doping より:

    いつも楽しみに拝見しております。この記事から12年経ったようで、現在の樹脂サッシの様子を記事にしていただけないでしょうか。よろしくお願いします。

    • Asama より:

      doping様

       いつもありがとうございます。

      >現在の樹脂サッシの様子を記事にしていただけないでしょうか。

      もう12年経つのですか。なるほど、面白いですね。
      近々載せようと思いますが、外部劣化は最近確認しておりませんが、多分12年前とそう変わらないと思います。一方サッシの付属部品は完全にいかれて一つの滑り出し窓は開閉不能です(ステー崩壊のため脱落の危機がある)。パッキンは酷く傷みほぼ機能しておらず音漏れも酷くなりました。

      サッシの取り替えも予定しているのですが、外壁とバルコニーのパーゴラを壊し7日間も窓が無い状態では、家族の同意が得られずまだ実行しておりません。

  3. 匿名 より:

    kotaro様
    いつもコメントありがとうございます。
    樹脂サッシの歴史は随分古く、本来紫外線劣化問題は既にクリアーになっているので、業界ではサンプルを示す必要性がないと言うことなのでしょう。・・・と勝手(^-^;に想像しております。

  4. kotaro より:

    勉強させてもらっています。サッシ交換が可能な窓、メンテナンスを考慮した高基礎など長く住んでいける家の条件を研究して実践されている姿勢はいつも感服です。私も樹脂サッシのことを近所のハウスメーカーの営業さんに話したら、即、樹脂サッシは紫外線に弱いからもたない。アルミの方がもつと言っていました。覚えたことを述べているだけで、実証的ではないわけです。樹脂サッシの長期使用実証サンプルがもっとあると良いと思いました。

  5. オーブル浅間 より:

    T様 ご投稿感謝したします。
    メーカーはアルミ大手Y、Tの「2社」共です。
    大手アルミメーカーも樹脂サッシは(OEMを含めて)25年以上前から樹脂サッシを投入しております。
    が、が必要性がほとんど無かったことと、流通のある理由、また投資の集中でアルミ主体の販売となりました。
    この件のお問い合わせは実は数人の方からあり、いずれもアルミから樹脂にしたいようなお話です。
    そこでなぜ今まで樹脂サッシが高かったか流通の理由をブログに記載しますのでそれをご覧ください。

  6. T より:

    はじめまして。群馬でもうすぐ着工のTと申します。
    樹脂サッシ参入の大手アルミサッシメーカー、もしさしつかえなければ教えていただけないでしょうか?よろしくお願いいたします。

  7. 匿名 より:

    はじめまして。群馬でもうすぐ着工のTと申します。
    樹脂サッシ参入の大手アルミサッシメーカー、もしさしつかえなければ教えていただけないでしょうか?よろしくお願いいたします。