新潟の家 都市にはエアコンが高効率で運転できる家を!その5

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

緑字は2011年7月加筆

先ずは結論の図です。

超高断熱住宅で、真夏の夜のエアコンを効率良く使うスケッチです。できる限り1台のエアコンに負荷を集中させて家中冷房運転をします。この時使うエアコンは人からなるべく離れた、家の中で一番熱気が溜まりやすい位置のエアコンが理想です。そして深夜12時から除湿運転に切り替えできれば最高です・・・。

昼間は熱負荷が大きい(深夜の数倍になる)のでエアコン数台運転の方が効率良くなります

ようやくこのシリーズのまとめです。

この表は夜団らん時のエアコンにかかる負荷です(Q値0.9の30坪SSプランの家)。Q値1.9のSプランの家でも1800wが2100Wになるくらいです。
ということは6帖用エアコンの定格出力が2.2KWなのでSSプランの家で部分負荷率0.8と一番効率が高い運転状態でかつ冷媒温度も低い状態なので効率良く湿気を取りながら冷やします。勿論冷房運転です。これを2台のエアコンで分散すると部分負荷率が0.4※と、エアコンの最小運転のあたりなので、冷媒温度が下がりきらず除湿していない状態になってしまう事もあります。その時は室温は27度に維持されますが湿度は上がり60%を超えてしまい不快になります。
※・・・部分負荷率とはインバーター搭載エアコンにおいて定格出力に対する実出力の割合。

こちらは深夜(人も寝ている時)のエアコンかかる負荷です(Q値0.9の30坪のSSプランの家)。Q値1.9のSプランの家でも960wが1100Wになるくらいです。ということは6帖用エアコンの定格出力が2.2KWなのでSSプランの家で部分負荷率0.45と、エアコンの最小運転のあたりなので、冷媒温度が下がりきらず除湿していない状態になる事もあります。その時は室温は27度に維持されますが湿度は上がり60%を超えてしまい不快になります。これは先ほどの2台で運転した夜の状態と同じです。この状態は深夜2時くらいから5時くらいの状態ではないかと想像します。

さて、どうするか・・・。

そこで冒頭の絵になります。先ずは1台のエアコンに負荷集中。次にエアコンの吸い込み温度が高くなるような位置に設置し、冷風が直接当らない、籠もらない空間に設置します。そして寝る時は温度を昼間より1~度下げること。少し冷負荷をあげ部分負荷率をちょっとだけあげて0.5~0.6くらいまでします。このような状態で平衡状態ができれば冷房運転で効率良く且つ湿気もとる状態で快適にエアコンを運転できます。今回の冷負荷は30坪くらいの家なので、40坪くらいあれば上の図のように運転するだけでも大丈夫です。勿論エアコンは6帖用の最も小さいエアコンです。

吹き抜けやこれに近い状態でエアコンが運転できない場合は、深夜の運転方法は除湿運転か再熱除湿運転しかなさそうです。エアコン機種によって違いますが、当事務所のエアコンは除湿運転26度で設定すると、室温が27度を超えた時に冷房運転に自動的に変わります。ということは26度以下になった時除湿運転になるのでこの設定だとうまく湿度を落としながら運転ができそうです。

またエアコンは日々進化していますから、再熱除湿から冷房と一番効率の良い条件を考えて切り替えするプログラムが組まれている機種もあるかもしれません。ですがこれはブラックボックスでユーザーにはわかりませんし、説明を求めても企業秘密ということで教えてはくれないでしょう。

エアコン工業界へのお願いは、現在のAPF評価から自社得意モードでの運転でも構わないので、10モード燃費(車)のようにある一定の運転状況を造り(8月の真夏日と熱帯夜のある標準モード)、その状況での評価をお願いしたいですね。不定常で難しいでしょうが、是非お願いしたいところです。

せめてメーカーにお願いです。時間が来ると運転モードが変わる設定がほしいです。今のエアコンはタイマーがありON、OFFはできますし、寝る時タイマーもありますが、できれば・・・夜11時まで冷房モード→11時以降は除湿運転→7時に冷房運転復帰

オール電化住宅なら格安料金の深夜で効率の悪い除湿運転でも経済的です(一方エネルギー消費が多くなることはやむなしでしょう)。

メーカーさんお願いします、こんなモードが設定できるように・・・是非!

また、もしこれを読まれて既にあるよーという情報もお待ちしてます。

2011年7月加筆
最近の機種は運転制御が変わり最低出力時でも冷媒温度を下げる機種があります。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする


コメント

  1. オーブルの浅間です。 より:

    kotaro様
    何時もブログにお立ち寄り頂きありがとうございます。
    蓄熱された都市の夜は気温が下がらず本当に厳しい環境です。
    年齢は相当上ですが、私の母は70歳を過ぎた頃から急にエアコンを使うようになり、私が何も言わなくとも夏は居住部分の殆ど占める部分を冷房環境にしております。今では扇風機よりエアコンが良いようで、数年前より扇風機を見ておりません。
    扇風機「だけ」で涼もうとすると、風が当っていないと暑いですし、逆にずっと当っていると体調を崩してしまいます。家の中でヒート&クールショックのないように上手に使うとエアコンは体に優しく、健康に悪いとは思えません(本当に悪かったら病院でエアコンを使うはずがありませんし・・・)。
    その証拠に母は夏体調を崩すことが殆どなくなりました。使い方を間違えなければエアコンは悪い物ではありませんよね。

  2. kotaro より:

    今回の5回にわたるエアコンシリーズは、またもや大いに勉強させていただきました。確かに私の子供のころは、夏は男も女も家の中では肌を露出した薄着の服装でした。近所の家も通りすがりに家の中が丸見えだった記憶があります。私自身はエアコンの冷たさは嫌いなので(嫌いだったので)、なるべく使わないで扇風機で過ごしていたのですが、今年は一転してエアコン様様のつけっぱなしの生活です。28℃にセット+扇風機で私にとっての快適な環境です。昨年までは昼間は窓を開けて風を入れていましたが、今年は湿気の侵入がないように窓は閉めています。年もとったし、高気密高断熱住宅での、低エネルギー消費型の冷暖房で快適生活が欲しいところです。

  3. オーブルの浅間です。 より:

    poruko様
    いつも貴重な情報をありがとうございます。
    自分でプログラムが組めるエアコン・・・それ良いですね。そんなエアコンがあればとても素晴らしい。
    最近の最新エアコン性能と家の性能状況のバランスがあいませんよね。 当事務所では超高断熱になり暖房計画は凄く簡単なのですが、冷房計画(ランニングコストを考えなければ再熱除湿で非常に簡単)が大変難しい状況になってきました。
    最近はキド類の輸出制限が中国でされる報道もあり、キド類を必要とするモーターやレアメタルが必要な電池の先行きに暗雲がたちこめてます。となると電気自動車が実用的使用されるのはまだまだ先ですから poruko 様が提案する「オープンカー」には大賛成です(あくまでもサードカー)。その暑さ対策のため扇風機が標準装備で搭載されれば良いでしょう。 

  4. poruko より:

     私の家でも、夏の前半はカラット除湿モードで快適だったのですが電気代は3倍かかっていたようです。 (かなり快適でした) 
     このことを考えると昔キョンキョンがカビもないないカビもないないエアクリニックと宣伝していた三菱エアコン霧ヶ峰のような風量
    が極弱く、熱交換器の温度が極低い、昔ながらのドライモードが
    ほしいですね。
     高気密高断熱住宅では余計な機能がないシンプルで高効率のエアコンがいいようねすね。(ただ吹き抜けに設置となると自動お掃除機能は欲しい所)
     どうせなら自分で熱交換機の温度設定や風量のプログラムを
    書き込めるエアコンがないかな。
     吹き抜けにエアコンがない我が家の場合、夜間は25度設定、風量は最小の静に設定そしてエアコンから垂れてくると表現したい冷たい冷気を扇風機で拡散する方式でどうにかなりそうです。
    話は変わりますが、
     車の深夜の運転ではどうせ捨てるエンジンの廃熱で、エアコンで冷えた空気を再加熱、さらにエアコンのコンプレッサーはどうせいつもフル回転しているので風量を気にすることなく高温低湿で贅沢運転です。低燃費の車や電気自動車では車のエアコンもインバータ搭載でコンプレッサーの出力を制御する時代になるのかもしれませんね。そして電気自動車の課題は室内環境もかなり問題になるかと、(いっそうのこと電気自動車はオープンカーがいいかも)