これからの超高断熱住宅のサッシ 高性能木製

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2011.05.27緑字加筆

3.11震災を機に日本人は少しものの見方や価値観が変わりつつあるのではないでしょうか?

いえ、変わらなければいけないと強く感じます。これは将来私達がどのような生活を望み描くか・・・。真剣に考える時が来ていると思います。

当事務所は「緑の家」という住宅を提案して早13年位経ちます。特にここ3年くらいは「超高断熱住宅」を推進し、多分新潟県では一番多くのQ値が0.99以下の家を建てている会社ではないかと思います(完成と設計が終了した家を含めると現在8棟です)。

オーブルデザインではこれからも超高断熱住宅を力を入れて推進して行きたいと思っています。それもQ値性能をもっと上げて5年後には「Q値0.8以下が標準」としたいと考えてます。

何を目指すのか・・・。それは万一日本がエネルギーを手に入れることが難しくなり高騰した時に、暖房機がなくともそこそこ暖かい家、又は小さな暖房エネルギーで暖かくなる家を目ざしてSSプランを目標としました。
新潟では冬に殆どお日様が望めません。だからこそ太陽光発電より先ずは暖房エネルギーを削減しつつ快適な家が基本と考えQ値0.99以下の家をご提案しております。

さて、Q値を引き上げる時に一番ネックとなるのが「開口部」です。Q値計算を自分で行ったことがある人ならよくわかりますが、Q値が1.0以下の家になると壁の厚さや天井の厚さを相当厚くしてもQ値がなかなか上がりません。それはQ値の1/3を占める開口部ともう1/3を占める換気の熱ロスがあるからです。

そこで先ず開口分のサッシの性能を引き上げる必要があります。

「緑の家」では3年ほどまえから標準サッシは全て「オール樹脂サッシ」にしております。アルミと樹脂の複合サッシとは決別しております。また少し余裕があれば木製サッシを一部に使っております。アルミと樹脂の複合サッシではガス入りLOW-Eガラスを使ってもU値(サッシの熱性能)は2.33W/m2K以下は望めません。樹脂サッシなら1.8w/m2Kになります。その差1.3倍で価格はほぼ同じです。一方木製サッシは1.7W/m2Kです(アンダーセン)、そして最近使うガデリウスの木製サッシは1.2W/m2℃、これからの木製サッシは0.9W/m2K以下でしょうか?

さてようやく本題ですが・・・

このサッシは上野住宅建材さんのショールームに置いてある高性能木製サッシの見本です。

この青グレー部分はアルミですが、実はこれは今までのアルミクラッドのアルミとは全く違う考え方のクラッドです。そもそもクラッド(包まれた)で言ってはいけない感じで、アルミ化粧かな?

というのは・・・

アルミが木部から浮いている事がわかる。浮いていないと木部が湿気で腐るから。

アルミ部材が木部より完全浮いていて取り外し可能なのです。つまりアルミは木部を直接保護するのではなく、単なる化粧材(塗装のかわりになるのだろう)です。

上野住宅建材さんによると、「最近はこのような木製サッシが多くなった」との事。確かに理にかなってます。私どもが今まで木製サッシを選ぶ時には「アンダーセン」のように完全に外部木部がコーティングされたサッシを選んでました。昔のアルミクラッド型木製サッシは意図的に避けてました。それは以前もご紹介したように 、アルミクラッドは一度接合部のゴムがおかしくなると一気に腐ります。接合部のゴムは20年で劣化しますし、組み立て不良もあるはずです。だから国内アルミサッシと同様の使い方は絶対お奨めはしておりません。

このように20年しか持たないのであれば、最初からアルミでクラッド(包むこと)する必要はないのではと考え、今はクラッドされていない木製サッシ(ガデリウス)をチョイスしています。と言うことで今までアルミクラッドの木製サッシを選んでいた人は、今までアルミクラッド勧めていた理由を覆されたのではないかと思います(アルミで木を守るという間違った理論)。最新の木製サッシ先進国はアルミ「クラッド」ではなく、アルミ化粧付と言っても良いでしょう。

勿論、アルミクラッド木製サッシでも「緑の家」のように必ず庇とセットなら問題は少ないでしょうが・・・。

 これはアンダーセンの木製サッシ。外部部分は樹脂で完全コーティング(溶融接着)される。内側は木製「無塗装」。これが今まで良く使っていた理由。但しU値が1.7w/m2kなのでもう少し高性能になってもらいたい。

これが今までのアルミクラッド木製サッシ。

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