Q値に関する断熱、換気の基本⑩ 全熱交換型換気扇お勧めの境界5

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この⑩はだんだんマニアックになってきます。換気システムにご興味のない方は申し訳ありません。興味ある方は図を拡大してご覧下さい。

Ccf20110606_00001

これは従来のACタイプの換気扇です。今まではこの図のスペックを見て頂ければわかりますが、所謂消費電力7.5W(強)で固定されております(一時的な上下はある)。

ファンは空気を送り出すことが目的ですが、
送り出す時の力を「静圧」、送り出す量を「風量」といい、この2つは密接に関係があります。

扇風機のような羽が見えるようなファンは、風量はとても大きいのですが、送り出す力はとても小さいファンです。一方キッチンの上にあるレンジフードで羽が見えないようなタイプは送り出す「静圧」がとても高いタイプです。

送り出すのに力が必要なダクトを使った換気装置のファンは、このレンジフードのような「静圧」が高い性能のファンで無ければなりません。

とここまでで、専門用語が多くもう嫌になった人も多いでしょう。ですのでもう一度この図から・・・

Ccf20110606_00001_2

この図の右上のグラフをご覧下さい。このグラフは換気風量と静圧の関係です。換気風量が75m3/hの時の静圧は22Pa(パスカル)です。22Paとは、ダクトの総延長(直線、スパイラル)で25m相当の圧力抵抗時相当です。50Pa時の圧力がかかった時は風量50m3/hと少なくなる特性があります。静圧22Pa時と50Pa時は消費電力が同じです。AC(交流)換気ファンの多くは、消費電力を固定して風の遮られる抵抗によって風量が変わるように設計されてます(違う設計もある)。

一方最近のDC(直流)換気ファンは・・・下の図が記載されてます。下図は上のAC換気扇になかった図があることがわかります。それは真ん中の消費電力と静圧の図です。

Ccf20110606_00002DCモーターのファンは風量を固定し消費電力が増えるように設計されている機種が多いです。ここが換気扇の消費電力をわかりにくくしています。メーカーさんは一番下の広告のようにわざと消費電力を少なく見せるようなカタログを作ったりします。そこが・・・。

 

さてこのような場合は、条件を揃えて比較すればOKです。例えば・・・

ACタイプの換気扇と同じ22Pa時で風量75m3/hと同じ条件で比較すると消費電力は3.5wと先ほどのACタイプの換気扇の半分以下で同じ働きをします。と言うことはこのDCタイプの換気扇の方が効率が2倍良い事になります。

先回のブログで申し上げたように、国内の換気扇のトレンドはDCタイプの換気扇になってきたとお話ししました。このように消費電力を下げるためにはDCタイプの換気扇の方が都合が良い場合が多いのですね。

さて換気扇の選び方が難しいと言っているのは、このような換気扇の設計が消費電力固定か、風量固定(消費電力が変わる)かがちょっとカタログ表記を見ただけではわからないところにあります。消費電力固定の場合はダクトの長さによって抵抗(静圧)が替わり、その為風量が変わるので、抵抗を計算をして換気扇の数と種類を選ぶ事になります。一方風量固定(消費電力が変わる)タイプは、設計は簡単なのですが実際使うと消費電力が予想より多くなったりします。この辺を全て設計者が把握して建て主さんにお奨めしているいるかどうかは何となく信じることができません。輸入の海外換気扇はこのあたりがはっきりと公開されていなので、先のブログのような事になりました。

「緑の家」の標準換気扇は、消費電力固定で抵抗も固定(つまりダクトレスなのでフードのみの抵抗)なので設計どおりの性能と消費電力になります。

前も言いましたが、高価で複雑な設備機器は最高なのですが安価で単純な設備機器とに効率の差が多少であれば私は後者を勧めます。何しろ実際お住みになった時に単純な機器はメンテナンスも簡単だからです。

カタログでは・・・DCタイプの換気扇がこのように宣伝されているが、

Ccf20110608_00000

実際の消費電力は抵抗によって変わるので1wになるとは限らないとのですね。これは上のDCタイプの換気扇のものですが、使い方によっては最大で9wになることがわかります。単純にカタログ表記の9倍です。このあたりはエアコン表記と近いですね。

このような表記では普通の方には判断できなですよね。でも国産の換気扇はまだしっかりとデーターがありますが、輸入換気扇はそのような表記が少なく、我々実務者には使いにくいといえます。

今まで「全熱交換型換気扇お勧めの境界シリーズ」1から5までのまとめとして
風を移動させるためにはエネルギーが必要です。抵抗が大きくなればエネルギーも多く必要な事は科学的にわかります。モーターの省エネ設計は殆ど限界に近い効率まで来ておりますから、消費電力を減らし、熱交換率上げるには、抵抗をいかに少なくするかにかかります。抵抗を少なくするには

1.熱交換素子を巨大化する

2.ダクトを長さを少なくするか、径を大きくする

の2点です。逆に言えばこれしかありません。

そこで海外の換気扇メーカーはダクト径が165Φ~125Φと国内の2倍以上の大きさを採用していたりします。また熱交換素子を電気給湯器並の大きさにして抵抗を減らすと共に熱交換率を上げていたりします。だから価格も大型になるのです。

これらを選ぶのは最終的に建て主さんですが、そのあたりの説明や情報を提供するのがオーブルデザインとなるわけです。

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