30型プリウスから 下 流線型のリア形状

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前の事の続きです。

プリウスは量産車最高の空気抵抗(正確には抗力抵抗係数)の少ない形状の車です(燃費に貢献)。

空気抵抗とは風による抵抗の大きさで、無限大の長さで高さ1m(任意)の垂直の壁に、水平に風が当たる時に1とした場合、同じ高さでも45度の角度が付いていると抵抗が0.6に下がるとします。この0.6を45度壁のCD値と呼びます。一般の車では0.35~0.3が多く0.28以下ならとてもCD値が低いと言えます。そしてこの数値は高速走行時にとても燃費に影響を与えます。風の抵抗は速度の二乗に比例しますから80km/hを超えた辺りから大きな抵抗がかかります。

屋根と区別がつかないほどなめらかに平らなリアガラス。

今回の話は空気抵抗の話ではなく、リアガラスの角度というか、形状です。

プリウスでは空気抵抗を減らすため、リアガラスが随分水平になってます。すると雨が降った時に水滴が貯まりやすくリアワイパーが必要になると想像できます。

しかし拙車のLグレードはコスト削減と空気抵抗を低くするために、リアワイパーがついていません。そこで雨の日はリアの視界が・・・

こんな感じで殆ど見えません。

ところが・・・高速で80Km/hになったとたん

雨が相当降っている時に撮影。拡大して見ると垂直部分は雨粒で逆に見えなくなるが、高速走行ではこの部分は重要ではないのでOK。

突然見えるようになるのです。

これは多分、リアガラスに添って空気が張り付いたように流れるためです。一番上の図のようにリアガラスに張り付いて空気が流れるのです。そのため雨粒が全部吹き飛びます(撥水剤は不使用)。これはフロントガラスとは違い負圧域になるため、水が引きはがされる方向、及び遠心力で雨粒は外へ空気だけガラス面に流れる(サイクロン効果)ので水滴はなくなり見えやすいのでしょう。

これには大変びっくりしました。最初に一般道でバックミラーで後ろ見た時、

「げっ・・・何も見えない。リアワイパーは必須か?」

と思ったのですが、本当にバックミラーでリアを見えなければならないのは、高速走行の時とバック駐車の時です。一般道ではサイドミラーがしっかり見えれば殆ど問題ありません。トラックや荷物を積んだ車はバックミラーを通して見える事はありませんからね・・・。

「良かった~。高速の追い越しの時に見えれば残るは駐車の時だけ。でもバックモニターカメラが付いているので駐車時は問題ない。」

なるほどね。よく考えた車だなと改めて思いました。但し積雪の時はどうなるかな・・・。

見えにくい事を予測してバックカメラをオプション取付け。こちらの方がリアワイパーよりお勧め。両方付ければベストだがCD値は0.25より悪くなる。

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