過去5回に渡って書いてきました「R2000から・・・R2000+(プラス)へ 」というリノベーション。
先月の末に主に新潟県の工務店、建設会社の皆様が見守る中、解体現場を見学(説明する側ですが・・・)しました。
ここで一度まとめてみたいと思います。
1.設計図面と完成建物で違う所が多々ある
2.この22年の間に木製窓を2度も取り替えた
3.気密性能が2倍近く悪くなっている(但しそれでも1.3cm2/m2)
4.外壁はほぼ新品当時のまま
5.換気装置は22年ほぼ進化無し
6.タイベックがボロボロで断熱性と防水性に問題がある
7.22年目のガルバ屋根はほぼ問題ないが、折り曲げ部分に腐食有
です。
23年前の図面。当時はCADでなく全て手書きの青焼き図面。
まず1つめの図面と完成建物の食い違いについて・・・
この建物に限っては日本でほぼ初めてで、試行錯誤しながらだったので「仕方ない」と思います。が、・・・
改めて設計図書の大切さが身にしみます。今回の事を申し上げれば、完成後22年で発注者も施工者も、また設計者もいらっしゃらなくなってしまった時、この建物の事は当時の施工中写真や、準関係者の証言、そして設計図書からしか読み取る事ができません。そこで一番頼りになる設計図書です。この図書があればある程度きちっとわかり、リノベーションも楽に行われます。しかし現実はどうでしょう。皆さんのお手元に「設計図書」がしっかりありますか?細かい詳細図が図示されてますか?普通はないと思います。これはいままでの住宅は30年くらいで建て替えられるからいらなかったのでしょう。
次の2つめの22年で木製窓が2度も交換・・・
これは木製窓の作り(メーカー)に問題がある場合と、その設置方法に問題がある場合があります。ちなみに名誉のため申し上げますが、この取り替えたサッシは上野さんが販売しているアンダーセンではありません。上野さんでは扱っていないポジーというメーカーのサッシです。22年前、まだアンダーセンを主力にすると決めていなかったので、ポジーをとりあえず設置したとのことです。