超高気住宅に必要なものか? C値0.5cm2/m2以下を目指す時・・・②

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2012/02/02一部加筆修正

因幡電機さんから転載

超高気密住宅を目指すとき、エアコンのドレインや掃除排気口は気密を壊す大きな要素であることは以前お伝えしました。

その時ご紹介した部材と類似商品ですが、データがあるのでこれからこちらをお勧めしたいと思います。

一年ほど前のブログで「エアコンのドレインまで気密しないとC値0.1は難しい事」をお伝えしましたが↓、
http://arbre-d.cocolog-nifty.com/blog/2011/06/c05cm2m2-592a.html

その時ご紹介したmonoより更にデータが揃っているこちらの商品を建て主さんがお探しになって来ました。

それはこのようにドレンの中間に設置します。

因幡電機さんから転載

因幡電機さんから転載。説明書から抜粋。200Paまで掛けなくとも良いのに(笑)

すると10Pa時で約5m3/hくらいの密閉効果(減圧時)がありそうです。つまり室中が負圧であれば効果は期待できますので、当事務所に限らず通常は負圧で換気計画しますから大丈夫だと思います。

この資料によると一個あたり5m3/hでエアコンが5個あれば・・・25m3/h

単純にこの効果なら先日の「西裏館の家」に設置すると

10Pa時の漏洩量が36.5m3/h。

Q=36.5+25→αA=約40cm2→C値0.2cm2/m2ですね。

 

おおー
0.1cm2/m2分も悪くならない(実際はこれをつけなくともドレンが長いと圧損がかかり、それを差し引くと25m3/hの1/2~2/3程度だけ悪くならないと思う)。

まずこのグラフからドレン1本当たりのQ10(10パスカル当たりの流量)は5m3/hと読み取れます。次に気密測定結果の
写真をよく見るとわかるとおりQの流量はQ9.8となっております。
つまり9.8パスカル時の建物に流入する(減圧)流量です。
この時点では建物に エアコンが取り付いていないので、もしこの状態にエアコンが5台あった場合は・・・25m3/h(10パスカル時)がプラスされるはずです。(10パスカル≒9.8パスカル)

つまり35+25=60m3/hとなります。
ここでαA=Q9.8×b b=0.701・・・空気密度による係数
αA=60×0.701=42m3/h

この42m3/hを気積による床面積215.47m2(写真)で割るとC値となります。

42/215.47=0.1949→0.2cm2/m2です。

ドレンが隙間の最大要因なので、エアコンが5台有ると0.2cm2/m2になる計算ですが、しかしおとめちゃんが無くともドレン管やエアコン内部の圧力損失があるので※、おとめちゃんの単体効果はエアコン5台があっても0.2ではなく0.16位の予想です。つまりこのおとめちゃんをつけると今回の場合は0.06位の効果があるとのことになると思います。

「緑の家」の建て主さんも超高気密マニアです。

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コメント

  1. ちーすけ より:

    おはようございます。
    配管周囲の漏れ等々含めた考察だったんですね。
    理解し切れてないので、じっくり読ませてもらいます。
    丁寧な解説、ありがとうございました。

  2. 匿名 より:

    ちーすけ様
     コメントありがとうございます。
    そうですね。おっしゃるとおりドレンの穴自体からの漏れはほぼ0なのでそのとおりです。少し説明不足の記載でした。内容としてはドレンだけでなくドレンの周囲の貫通穴等をごちゃ混ぜで考えております。それはドレン自体の穴のせいだけで5m3/hは実務経験上では違和感があり、そのドレン管と冷媒管、排気管周囲で5m3/h台くらいかなと感じております(ここの数値が同じくらいなので混同した表現に)。
    そこでこのおとめちゃんをつけても5m3/hの内1/3くらいは下がる事が記載したかった事です。 少しわかりやすいように下の解説を追記します。
    +++++++++++++++++
    まずこのグラフからドレン1本当たりのQ10(10パスカル当たりの流量)は5m3/hと読み取れます。次に気密測定結果の
    写真をよく見るとわかるとおりQの流量はQ9.8となっております。
    つまり9.8パスカル時の建物に流入する(減圧)流量です。
    この時点では建物に エアコンが取り付いていないので、もしこの状態にエアコンが5台あった場合は・・・25m3/h(10パスカル時)がプラスされるはずです。(10パスカル≒9.8パスカル)
    つまり35+25=60m3/hとなります。
    ここでαA=Q9.8×b b=0.701・・・空気密度による係数
    αA=60×0.701=42m3/h→約40m3/hと記載(ここ乱暴かな)。
    この42m3/hを気積による床面積215.47m2(写真)で割るとC値となります。
    42/215.47=0.1949→0.2cm2/m2です。
    ドレンが隙間の最大要因なので、エアコンが5台有ると0.2cm2/m2になる計算ですが、しかしおとめちゃんが無くともドレン管やエアコン内部の圧力損失があるので※、おとめちゃんの単体効果はエアコン5台があっても0.2ではなく0.16位の予想です。つまりこのおとめちゃんをつけると今回の場合は0.06位の効果があるとのことになると思います。
    +++++++++++++++++++
    >またもう一つ、エアコンのドレイン以外の中間気密測定以降で生ずる気密の悪化要因を教えてください
    いずれも中間気密測定以後設置される工事で・・・
    上の記載通り、ドレイン管と一緒に配管される冷媒管と排気管周囲と排気管そのもの(一応蓋はあるがあまりにも貧弱)、熱交換換気扇貫通周囲とその本体(閉シャッターはあるが完全ではない)、キッチンレンジフードの排気の風圧シャッター、及び〃給気の蓋、接合部周囲が想像されます。

  3. ちーすけ より:

    おとめちゃん。気の抜けた名前ですが、期待できそうですね。
    ところで、ちょっと難しくて良く分からなかったのでお教えください。
    文中の式 Q=36.5+25 で、25を足すのが良く分かりません。1台あたり-5M3/hの効果というのは、おとめちゃんを付けなかった場合との-10Pa時の比較ですよね。グラフからは、おとめちゃん付きドレインは負圧時には風量≒0 が期待できる、という事でもあると思います。そうすると、おとめちゃんの取り付けの効果は、-5M3/h(-10Pa時1台あたり)というよりも、エアコンのドレインによる気密の劣化はおとめちゃんを付けるとほぼ無視できる、と言う事のように思えるのですが、どうなんでしょう。
    またもう一つ、エアコンのドレイン以外の中間気密測定以降で生ずる気密の悪化要因を教えてください。