ある県内住宅メーカーのチラシに書かれていたグラフ。ホントにこのグラフは正しいのか?
こちらのグラフは、ある住宅メーカーのチラシに書かれていた数値を書き直したものです。
このメーカーは自然素材を使う事と断熱+自然の通風+床下冷熱を使う事で、2010年の夏に外気が40℃近くの時に室内は、エアコン無しで31度だったと自慢しております。
ここで普通の人は凄い家だ・・・と思いますが、私はこと環境系は得意分野(自称)・・・
ホントかな?と思い調べると・・・
メーカーのデータの上に気象庁のデータを重ねた。日平均外気温より高い30度を超える室内ってこれで快適なの?
やっぱり変でした。
今は誰でも気象庁のアメダスによって過去の外気温など簡単に調べられます。そのアメダスのデーターを重ねると・・・
上のグラフです。
変な点1
メーカーのグラフには条件が殆ど明示されていない。外気温は14時とあるが日最高値なのか?室内温度はどの場所でに最高値なのか・・・等。もし室内は日平均値で、屋外だけ日最高値なら恣意的なPRの仕方であり、悪戯を感じる。もし室内が日平均室内温度なら、日平均外気温より高いので暑い家(笑)と言えそうです。
変な点2
楕円部分のアメダスのデータでは、10日から11日の方が、新潟市でも長岡市でも外気最高気温と平均外気温のいずれもが上昇しているのに、このメーカーのデータは両方とも極端に下がっている。このデータはこの日のものではないのではないか?それとも創作データ?
こんな感じです。データなんていい加減に作れますし、騙すような作り方も可能です。このメーカーは、「梁の端部補強金物も意識して使わない」メーカーですから、こんなデータもありかと納得しますが、ユーザーの皆さんには騙されないようにご注意を。外気温は百葉箱(懐かしい)のような条件で無ければでたらめな数値となりやすいでしょう。アスファルトの1m上なら簡単に40度も超えます。日が当たれば50度以上にもなります。それと比べても意味がありません。
このくらいなら環境が得意で無くともわかりますよね。家電製品を多く使い、家の「縁の下」の大地が露出しなくなった今の家は、通風の工夫だけでは涼しくなりません。民家の涼しい家のこちらで解説しております。もしご覧頂いたことが無ければ、なるほどと思いますよ。
昔の民家が涼しいのは、廻りの木々がある事と、家内部での大地の露出があったから。越屋根だけでは意味がない。